宝物

今回は人気投票一位になった
七海の話です！！

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「……H、今回の仕入れは？」
「ふふっ、今回は中々いいのが仕入れたよ……」
「じゃあ見せてもらいましょう……」
と私が言うと目の前の人物"H"は鞄から
様々な写真を広げた。
「ほほぉ……中々いいの揃っていますね……」
私はその広げられた写真を手に取りながら
感嘆の声を上げた。
「流石セブンシー、お目が高い。
今回のは中々撮るのに苦労したんだよー」
「大丈夫、それ相応の対価は払います。
で、いくら払えばいいですか？」
「ざっとこれぐらいだね」
というとHはスマホの画面を見せてきた。
「……むぅ、中々足元を見てきますね
ーーいいでしょう、この値段で手を打ちましょう」
「毎度あり〜これからもよろしくね〜セブンシー」
「こちらこそよろしくお願いします、H」
と言って、私達は別れた。






「えへへ〜やっぱりセンパイかっこいい〜！！
やっぱ癒される〜」
私は自分の部屋で写真を見て、ニヤニヤしていた。
手元にあるのは私の愛しの彼氏であるセンパイだ。
部屋には今まで撮ったり、盗撮したり、買ったりした
センパイの写真が沢山ある。
「流石に今回の写真は高かったなぁ〜
明日から少し節約しないと……
でも中々レアな写真だよね！！」
私は手元にある今日買ったばかりの写真を見ながら
そう呟いた。
今回買ったのは授業で発表をしている場合と
何故かぼぉ〜っとしている表情のセンパイだ。
発表している時のキリっとした表情と妙に腑抜けた表情の
ギャップが私を萌えさせる。
「なんだろ！！ この相反する表情が更にセンパイの
魅力を引き立てるんだよね！！ ふわぁ〜」
笑っている顔が一番だけど、こういうギャップのある顔も
いいんだよね〜！！
「あっ、笑顔で思い出した〜」
私は別のアルバムを手に取り、中を開いた。
そこにはセンパイのお母さんからもらった
センパイの小さい頃の写真があった。
「この無邪気な笑顔堪らない〜！！
何故かゴミ箱を頭につけているのも可愛い〜！！
この焼きそばパンを上手く食べれず、鼻に可愛らしく
ソースをつけている姿も可愛い〜！！」
今のキリッとしている表情からは想像出来ない。
というかこの頃のセンパイは人より行動はのんびり
していたと、センパイのお母さんが言っていた。
「もう可愛い〜！！ 喜んでお世話しちゃうよ〜！！」
……でもこの時のセンパイであっても、私はお世話を
されそうな気がする。





「なんかカッコいいセンパイも見ようかな〜」
そんな感じでセンパイの可愛い場面を見た後は
センパイのカッコいい場面を見たくなる。
私はまた別のアルバムを手元に持ってきて、開いた。
このアルバムにはセンパイのカッコいい表情や
カッコいい場面ばかりを納めた。
「真面目に勉強しているセンパイ……
部活での会計の仕事をしているセンパイ……
練習中のカッコいいセンパイ……
きゃ〜どれもカッコよくて困っちゃう〜！！」
さっきの可愛いからのギャップもあるだろうけど
カッコいい表情を見て、私の心臓は破裂寸前だ。
「えへ、えへへ〜センパイ〜良いなぁ〜」
私はアルバムを見て再度ニヤケていた。
……多分、凛子が今の私を見たら
「七海……顔がだらしないわよ……」
なんて言われかねない。
「まぁ〜それでも変えないし〜ニヤニヤするし〜！！
センパイが一番だし〜」
与謝野先輩や凛子が何を言おうとも、私の彼氏である
国木田拓海が一番でしょ！！
これは何があろうとも譲れない。

「最後は〜センパイの寝顔アルバム〜見よっ！！」
これは私が盗撮を含めて撮影した物に与謝野先輩
樋口先輩など様々な方々の寄付をいただいて
完成したアルバムだ。
「この安心しきった寝顔がこれまたいいの〜！！
ハァハァ……センパイ尊い……」
私はやや呼吸が荒くなるが、御構い無しに
アルバムをめくる。
「安心しきった寝顔……疲れた寝顔……
幸せそうな寝顔……うん、センパイ尊い……！！」
私の彼氏って何者？
センパイだよ〜！！
もうヤバイ！！ ヤバすぎて語彙力が崩壊してる！！
私はセンパイが帰ってくるまで１人
アルバムを見て幸せな気持ちになるのであった。


「七海〜ただいま〜」
「おかえりなさい！！センパイ〜！！」
私は玄関にいる愛しの彼氏に抱きついた。
「おっと……」
「えへへ〜ねぇセンパイ？」
「どうしたの七海？」
「私、センパイのことが大好き！！
これからもよろしくね！！」
ーー私がセンパイと出会って６ヶ月。
隣で色んな表情を見てきた。

ーー怒った表情

ーー呆れの表情

ーー悲しそうな表情

ーー笑っている表情

ーー幸せそうな表情

どれも私にとってかけがえのない宝物だ。
明日はどんなセンパイの表情が見れるのか？
それが私にとっての日々の楽しみだ。
さて、明日は愛しのセンパイとどんな事をして
一緒に過ごそうかな？
（イタズラして困らせようかな〜？
センパイにいきなり抱きついてみるのもありだな〜
一緒に買い物もしたいなぁ〜）
どんな普通の日常であっても、センパイがいるだけで
私は幸せだ。

ーーだからね、センパイ？

ーー多分これから色々あると思うけど

ーーこれからも私と末永くよろしくねっ！！

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皆さん、謎の人物Hは誰だか
分かりましたか？笑

そして次から新章に入っていきます！！