部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

伝言は大半正しく伝わらない












「七海、お皿出してもらえる?」
「分かりました〜」
それはとある休日の昼食の時
僕らはいつものように一緒に食べていた。
「ねぇねぇセンパイ〜」
「ん?何かな?」
「私達が付き合う前に1つ面白い事件があったの
覚えてますか?」
「面白い事件……? なんだろ?」
「あの森先輩の伝言ミス事件」
「あ〜あれか……あれは森が悪い」
それは僕らが付き合う前に起きたちょっとした事件
というかハプニングだ。
「ハハ、確かに森先輩もおっちょこちょいですね〜
というかセンパイ〜あの時は私の気持ちに気付いて
いなかったんですか〜私必死だったのに〜」
とほっぺたを膨らませ抗議している七海。
(うん、やっぱり可愛い我が彼女)
「ごめん、ごめんって。あの時は僕も色々と
考えがあったのさ」
と僕はやや不機嫌な彼女の頭を撫でながら
あの時を思い出すのであった。


僕らがただの先輩、後輩であった頃
「平塚さん、どうして君は僕の家にいるんだ?」
「それは暇だからですよ先輩〜」
僕の文庫本を読みながら答える平塚さん。
最近、何故か平塚さんはしょっちゅう僕の家に来る。
休日とかはずっと僕の家にいたりする。
「はぁ……とりあえず何か昼食で食べたいのある?」
「先輩の手料理なら何でも!!」
「随分大雑把だな……」
と思いながら僕は最近日課になりかけている
2人分のご飯を作るのであった。
午後になると森が僕の家に遊びに来た。
その後僕ら3人は最近発売されたゲームで遊んでいた。
そして夕方になり晩御飯の話になった。
「2人ともどうせ食べていくのだろう?」
「「ゴチになります〜!!」」
「……はぁ〜ったく、分かった。
森、買い物付き合え」
「ういっす」
と僕と森が買い物に行くのだった。

「国木田先輩、平塚どうですか?」
「ん? どうって何が?」
「可愛いですよね〜」
「まぁ可愛いね」
「そうですか〜そうですか〜」
平塚さんは普通に見ても、美少女のレベルだ。
そんな美少女が何で僕の家にしょっちゅういるのか
不思議だ。
と僕はとある事に気付いた。
(あっ、しまった。平塚さんに何が食べたいか
聞くの忘れた!!)
「すまん森」
「はい?何ですか?」
「至急、平塚さんを呼んできてもらえる?
付き合ってもらいたい事がある。
何が食べたいかきいてーー」
「分かりました!! 今すぐ!! 平塚呼んできます!!」
と僕が言い終わらない内に、走って行った森。
「あ……いっちゃったよ」
そしてしばらくすると平塚さんが走ってきた。
「せ、せ、先輩!! だ、だ、だ、大事な話って
何でしょうか!?」
「それよりも平塚さん、君が大丈夫?」
「わ、わ、わ、私は大丈夫です!!
ところで何が良かったのでしょうか?」
「何がってそりゃ君の要望を聞くのを
忘れていたからね」
「そ、そ、そうですか〜私の気持ちバレて
いましたか〜」
「ん?気持ち?そりゃ僕はかなり鈍感だから
聞かなきゃ分からないし、一緒にいた方が
(メニューを選ぶのに)いいでしょ?」
「……ッ!?えへ、えへへ〜そうですか〜
嬉しい事言ってくれますね〜」
と何故か嬉しそうな平塚さん。
(そんな晩御飯が楽しみなのかな……?)
「で、とりあえず何が好き?」
「す、す、好きですか!?そりゃ色々とありますから
一言では言えませんよ」
(まぁ好きな食べ物って沢山あるだろうしね〜)
「じゃあその中で、今一番食べたい物って何?」
「食べたい……?先輩は何を言っているんですか!?
まぁ先輩に食べられるなら恥ずかしいですが
が、頑張ります!!」
「いやいや待て待て、僕は今日の晩御飯の話を
しているんだが?」
「へっ、晩御飯?」
「だから今日何食べたいのか、聞いてなくて
森に呼んできてもらったのだが?」
「じ、じゃあ大事な話って晩御飯の事ですか?」
「うん、そうだよ」
と僕が言うと、平塚さんは驚いた表情をした後
しばらくして一気に顔が赤くなった。
そして僕も、とある事に気付いた。
(待てよ、まさかあのバカは僕が平塚さんに
告白するって勘違いしてないか?)
そう考えると、平塚さんの反応にも納得がつく。
「ご、ごめん平塚さん!!」
僕は目の前にいる平塚さんに頭を下げた。
「ど、どうしたんですか先輩!?」
「なんか森が勘違いしてたみたい!!
僕が君に告白なんてしないからね!?
平塚さんに迷惑しかかけないし!!」
「……私は構わないというか別に構わない」
と平塚さんが何かいいかけているのを聞かずに
僕は家に向かって走った。
「おい、森」
「あ、あら?国木田先輩、顔が大変お恐いですよ〜」
「テメェ、ちょっとツラ貸せや」
「またまた照れなくていいんですよ〜」
「おい、ゴラァ森ーー!!」
「とりあえずすみませんでしたーー!!」
僕はこの時の体験からこう学んだ。
"伝言は大半正しく伝わらない"  と

「あれは3人とも悪いと思いますよ〜」
と七海は僕の膝の上に頭を乗せながら言った。
「いや、あれは森が悪いんだ」
あの後、森を捕まえてその日の食費を全て出させた。
「……センパイ、かなり根に持ってますね」
我が彼女はやや呆れていた。
「あっ、そういえば七海」
「はいはい?」
「七海の彼氏が言っていたんだけどさ
"今日の七海も可愛い"だってさ」
僕はわざと彼女から目線を逸らして言った。
「……そ、そうですね〜
そういえばセンパイの彼女さんが
"センパイもカッコいいですよ"って」
「そうか」
「はい」


まぁたまには伝言を使うのも悪くは無いよね?











今日から人気投票を実施していますので
お時間がありましたら是非参加して
ください!!
詳しくは前話ににて!!

コメント

  • ノベルバユーザー239382

    (❁´ω`❁)和む

    1
  • ペンギン

    やっぱり、この2人の組み合わせが1番ですね!w

    2
  • ノベルバユーザー81968

    ええわぁ....

    3
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