部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

うん、決めた!!


やや駆け足気味になってしまいました。

なお今回は与謝野視点です。





「物足りない……」
私はバイキングを終えた後、1人でポツンと座っていた。
あんなに沢山食べたのに、全然満足しない。
「い、いやでも私悪くないし!! 絶対謝るなら
吉晴からだもん!!うん、そうだ!!」
私は自分に言い訳を言い聞かせた。
とそんな問答を1人でしばらくしていると
私のスマホが鳴った。
「ん〜?何だろう?」
画面を見ていると同じ学部の友達から
呑まないかという誘いだった。
「気分晴らしには丁度いいよね〜!!
勿論行くよっと送信〜」
そうしたらすぐに返信が来た。
「時間は7時か……」
スマホの時間を見るとまだ3時にすらなってなかった。
「とりあえず、街でも歩いて考えようかな」
と私は待ち合わせ時間までゲーセンや服を買ったり等
様々な事をしていたが、どれも不思議とつまらなかった。





「「「乾杯〜!!」」」
私達は大学近くの居酒屋で飲み会をしていた。
幸いにも全員が20歳になっていたので
学生証を見せれば普通に飲める。
そして飲みながら互いの近況報告という名の
愚痴を言い合い始めた。
「単位なんとかギリギリだったよ〜」
「私なんて3つ落としたわ……」
「大丈夫!! 私も同じぐらい落としたから!!」
「それ卒業大丈夫なの!?」
「いや……マズイ、結構マズイ」
「せめて全員で卒業しよ!? 頑張ってよ!?」
「……善処します」
なんて言うたわいもない会話をしていたところ
「ーーねぇ俺らも一緒に飲んでいいか?」
「ん?」
と振り向くと、そこには同じ学部の男子数人がいた。
(えぇ……よりによって彼らか)
彼らは学部内でも比較的にチャラ目の男子達だった。
「いいよ〜いいよ!! 一緒に飲もうよ〜!!」
リーダー格の友達が席に誘ってしまった為
男子数人が一緒のテーブルに座って飲み会が再開された。
私個人は彼らが苦手なのだが、リーダー格の子が
決めてしまったので渋々納得した。
そして私の隣にもチャラ目の男子が座ってきた。
「桜ちゃん、よろしくね〜」
「う、うん。よろしく……」
「てか、桜ちゃんってめっちゃ可愛いよね〜!!
身長高いし、スタイルもいいし〜」
「そ、そうかな〜私なんかまだまだだよ〜」
(可愛いって言われても全然嬉しくない……)
吉晴に言われたら、嬉しすぎて飛び跳ねてしまう言葉も
目の前のチャラ男に言われても何も感じない。
「桜ちゃん〜もっと飲もうよ〜」
「私お酒苦手なの……」
「えぇ〜ノリが悪いなぁ〜」
と言いながらアルコールを勧めてくるチャラ男。
(吉晴なら絶対しないもんね〜)
彼は勧めるんじゃなくて、私の代わりに飲んでくれる。
……まぁその結果、二日酔いになったりするけど。
それからというもの隣のチャラ男はしつこく
私に話しかけてくる。
「……って事があって、あの時の俺さ
めちゃくちゃカッコよくてさ〜」
チャラ男のよくある自分の武勇伝自慢が
さっきから始まっている。
「へ、へぇ〜そうなんだ」
「あの時の俺見たら、絶対惚れるぜ?」
「あはは〜そうかもね」
(あぁ〜もう鬱陶しいなぁ!! 本当にしつこい!!
てか惚れるぜ? って何よ!? 自意識過剰にも程が
あるんじゃないのかな〜!?)
ここでも吉晴と比較してしまう。
吉晴は自分の話だけでは無く、私の話もしっかりと
聞いてくれる。というかもっぱら私が話し続けて
吉晴が笑い、呆れながら相槌をしてくれる。
(やっぱり吉晴が一緒にいて落ち着く……
吉晴がいないと寂しいよ)
私は改めて吉晴の大切さを感じた。
朝はあんなに否定していたが、私は彼が好きだ。
そして既に私の生活の一部に入っていた。
(うん、決めた!! 吉晴に謝ろう!!
このままなんか嫌だ!! )
そう思うと私は荷物を持って帰るを準備した。
「どうした桜ちゃん?」
隣のチャラ男が不思議そうに尋ねてきた。
「ごめんみんな!! 私ちょっと用事思い出した!!
お金は置いていくから、じゃ!!」
私は店を出た
のだが……
ガシッ
「ちょっと桜ちゃん〜まだ飲もうよ〜」
さっきまで隣に座っていたチャラ男が腕を掴んできた。
「ち、ちょっと私用事があるの!!」
「そんなの無視しようぜ〜俺さ、桜ちゃん結構
気に入っているんだ〜」
「私、彼氏いるから」
(早く吉晴の元に行きたいのに……!!)
「なら彼氏と別れて、俺と付き合わない?
絶対俺の方が楽しいって〜」
「私、あなたタイプじゃない」
「そんなの付き合ってみなきゃ分からないって〜
俺と桜ちゃんって結構お似合いだと思うぜ?」
と言いながら私の腕を引っ張る。
「嫌だ!! 離してよ!!」
「……ここまで言われたら何も言え無くさせれば
いいか〜やればこっちのもんだし」
さっきよりも力を強めて、私を引っ張るチャラ男。
その視線は私を舐め回すようだった。
「吉晴、助けて!!」
近くにいるはずも無いのに、私は彼に助けを求めた。
(吉晴、来て!! お願いだから!!)
「そんなん呼んだって彼氏はこな」
「ーーおい、テメェ何してるんだ!!」
「え?」
私はその瞬間、腕を掴んでいた以上の力で
別方向に引っ張られた。
そして私はそのまま懐に入れられた。
「よ、吉晴!?」
そこには私が会いたかった人物、吉晴がいた。
「桜、大丈夫か!?」
「わ、私は大丈夫だよ……?」
(な、なんでここに吉晴がいるの!?
でも今の吉晴はヒーローみたい……)
「おい、お前誰だよ!!」
チャラ男が吠える。
「桜の彼氏だ!! 文句あるか!!」
「テ、テメェ」
その一言だけで、チャラ男の気勢を削いでしまう。
「……ッ!?」
吉晴があんなに真っ直ぐ言うのは珍しいので
つい顔が赤くなってしまう。
「おい、桜。今からお前の家に行くぞ。
確かしばらく親いないよな」
「う、うん。そうだけど……」
「なら決まりだ。行くぞ!!」
と言うと吉晴は私を持ち上げた。
「ち、ちょっと吉晴!? い、一体何を!?」
私はいわゆるお姫様抱っこをされている。
「とりあえず今から駅向かうぞ」
「お、おい俺を忘れるんじゃねぇ!!」
「……あぁ?今何か言ったか!!」
「ヒィッ!?」
とチャラ男を完全に黙らした吉晴は
私をお姫様抱っこをしたまま駅に向かうのだった。






なんともう少しで200話になります!!
ですのでその記念企画として
「部活の後輩と付き合ってみた」シリーズの
登場人物人気投票をやろうかなと
思っています。

詳細はまた追って伝えます・・・


「部活の後輩と付き合ってみた」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

  • 雪雨

    吉春やるね☆与謝野さんの話聞くにつれて好感度が上がりまくってる

    3
  • ミラル ムカデ

    吉春カッコいい!

    7
  • ノベルバユーザー81968

    チャラ男威勢無くしすぎw

    4
コメントを書く