部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

私のせいじゃないもん



今回は織田、与謝野それぞれの視点で
話が進んでいきます。





俺にとっての地獄の様な合コンが終わり
友達達は読まなくていい空気を読んでか
桜と2人きりになった。
「……」
「……」
よりによってお互い無言だ。
この状況はとても気まずい。うん、気まずい。
「吉晴」
「……な、なんだ?」
「何を隠して」
プルルルル
タイミングいいのか悪いのか、俺のスマホが鳴った。
スマホを見ると、俺の探し物が見つかったという旨の
メールだった。
「わ、悪りぃ!! ちょっと用事が出来た!!」
「ち、ちょっと吉晴!?」
(やっと見つかった!! とりあえず朝一で電車に
乗れば、取りに行けるはずだ!!)

ーーそうすれば、桜と上手くいく

ーーその時には正直に言おう

ーー今回の謝罪と感謝を

「吉晴」
俺は桜に呼び止められ後ろを振り向いた。
「ん?」
その瞬間
バチーン!!
俺の頬に桜のビンタが入った。
「もぅ吉晴なんて知らない
ーー勝手にしなよ」
「さ、桜……?」
よく見ると桜は目に涙を浮かべている。
「私に何をしているか教えてくれないし
さっきの合コンでは気まずそうにしてるし」
「い、いやあれだな……」
(いや普通彼女が目の前にいたら慌てるよな!?
数合わせの合コンに行ったらさ!?)
「しかも吉晴の目の前にいた女の子と
仲良く話していたよね?
ーーもうその事付き合えば?」
「いや、待ってくれ……」
「しかも私と喧嘩している間、他の女子とデートだよ。
モテる男はいいよね?」
「……!?」
(まさか、あの場面見られていたのか?
というかあれ俺の姉なんだが……)
「図星なんだ、そう、そうなんだ」
「ちょっと待て、桜はとんでもない誤解を
沢山しているぞ!?」
「じゃあなんでそれを私に言わないの!!
教えてよ!! なんでよ!!」
前回の桜の部屋での喧嘩以上に怒っている。
「い、いや……」
「そう、教えてくれないんだ……
私帰る」
そういうと俺の方に背を向けて
駅の方に向かう桜。
「桜!!」
俺は桜のあとをついていこうとするが
「ついてこないで!!
吉晴なんて知らない!!」
と桜は1人で駅の方に向かっていった。
(桜……)
俺はその場から動けなかった。



〜与謝野視点〜

吉晴と喧嘩別れした次の日
「パクパクもぐもぐパクパクもぐもぐパクパクもぐもぐ」
私は前に平塚と一緒に来た、バイキングに1人で行き
やけ食いをしていた。
尚授業はサボった。
(吉晴なんて知らない!! もう勝手にすれば!!)
前回よりも食べるペースはかなり早い。
周りから見れば、女性が凄い量を食べているという事で
異様に思われていそうだ。
(何よ何よ!! そんなに隠したいの!?
いいもんいいもん!! そうするなら私も勝手に
するからいいよ!!)
「パクパクもぐもぐパクパクもぐもぐパクパクもぐもぐ
パクパクもぐもぐパクパクもぐもぐパクパクもぐもぐ」
(あ〜なんか思い出しただけでイライラしてきた!!
なら今日はとことん食べてやる!!)
ふと自分の皿を見ると、既に空になっていた。
「吉晴!!おかわ……って私今1人だ」
いつもなら吉晴が
「はいはい、行きますよ」
と若干嫌な顔をして取りに行ってくれる。
だが、今私は1人だ。
(わ、私は悪くない!! 吉晴が全部悪い!!
私のせいじゃないもん……吉晴のせいだもん……)
「グスッ……寂しくなんかないし……」








さて本当にどうなる織田?


コメント

  • あいす/Aisu

    ヤヴァイ

    3
  • ペンギン

    ピンチですね...

    3
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