部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

意固地な彼女

今回から数話、織田と桜の話となります。








森が凛子さんと付き合い始めてしばらく
桜の家にて


「ん……無いか」
俺はスマホを見て、1人落ち込んでいた。
とある物を探していたのだが既に無かった。
「どうしたの吉晴、そんな難しい顔してさ
せっかく整っている顔が台無しだよ〜」
と俺の膝の上に頭を乗せて寝転がっている桜。
桜はよく、俺の膝に上に頭をちょこっと乗せて
寝転がる。
(この寝転がっている姿が可愛いんだなこれが)
本人曰く"ここが私のベストポジション!!"らしい。
「すまん……考え事だ」
「え〜どんな考え事なの〜教えてよ〜!!
教えてくれなきゃ嫌だ嫌だ〜〜!!」
と言いながら俺の膝の上で暴れる桜。
「ヒトの膝の上で暴れるな!!
お前は駄々っ子か!?」
桜って確か俺と同い年だよな……?
「教えないならまだ続けるもん〜!!
なんなら部活で吉晴が二股かけてるって
言いふらしてやる〜!!」
「それただの冤罪じゃねぇか!?
タチが悪すぎるだろ!!」
「さぁ、本当の事を言うor冤罪をかけられるの
どっちがいい?選びたまえ〜」
酷い二択だ。
たまに桜は変な二択を迫って来ることがある。
「どちらにしても俺にはメリットが皆無だ!?」
「きちんと吉晴にもメリットはあるよ〜?
本当の事を言えば、私からの好感度はそのまま
部活で変な噂を立てられずに済む。
うん、メリットばかりだよね!!」
1人で頷く桜。
「ん、訳あるかーー!?」
俺は全力でツッコミを入れた。
「何よ〜せっかく彼女が慈悲をあげたのに〜!!
無下にするの!!」
「無下以前に慈悲もクソもあるか!?」
「もう吉晴のバ〜カ〜、アホ〜二股野郎〜
週刊誌に大砲撃たれちゃえ!!」
うわーなんかその大砲聞いたことあるなー。
「俺最期の二股は見覚え無いんだけど!?」
バカやアホは否定出来ないからなんとも
言えないが……断じて二股はしてない。
「うるさい!!うるさい!!
私が二股してるって言えばしているの!!」
というか気がついたら桜は結構本気で怒っている。
「ち、ちょっと桜……落ち着けって」
「うるさいうるさい!!吉晴なんて知らない!!
浮気している吉晴なんて知らないもん〜!!」
(あっ、これ完全に意固地モードに入ったな)
たまに桜は変に意固地になる。
まぁこれが解くのに凄い手間がかかる。
(とりあえず日を改めた方がいいな、こりゃ……)
「分かった、とりあえず俺今日は帰るよ」
「フン、勝手にすれば〜どうぞ〜ご勝手に〜」
と俺の方を向かずに言っている桜。
「はいはい、じゃあまたな」
「……ッ!!吉晴のバカー!!」
俺は桜の家を出た。



「さてさて、この状況どうするか……」
この状況というのは桜のへそを曲げている状況だ。
こういう場合はさっさと真実を言うのが良いのだろうが
今回はどうしても言えない理由があった。
「せめてアレを見つけてから言いたいしな……」
俺は家までの帰り道、1人悩むのであった。

まぁこれが予想以上にややこしくなるとは
思いもしなかったが……









さて、どうする織田?

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コメント

  • ノベルバユーザー81968

    探し物は、結婚指輪か?

    5
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