部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

僕のプライバシー


〜警報〜
本日、この小説の近辺では
土砂降りの砂糖が降る模様・・・







「センパイ成分が足りない!!」
ふと僕の彼女がおかしいことを言い出した。
「なんだいそれ?」
「私が日々の生活を行う為に必要な成分ですよ!!
ご飯の次に重要な栄養なんです!!」
「うわ〜すごいすごい」
「センパイの棒読み感分かりやす!?」
「いや〜そんなことないよ〜」
「だからそれが棒読みなんですよ!!
事の重大さを分かってないですよね」
「んな分かるわけあるか」
だって僕は七海じゃないからね。
「そういうセンパイだって毎日私のドレス姿の写真
見て、ニヤニヤしているクセに〜」
「はぁ!?てか何でそんな事知っているの!?」
「前、センパイが寝ている時に指紋認証を
突破して見ました〜」
「僕のプライバシーは!?」
「センパイにプライバシーなんて関係無いです〜」
「僕の人権無視か!?」
まさかの彼女の横暴に呆れる僕。
よし、次から指紋認証の上にパスワードを
つける様にしよう。
「私は何でも知ってますからね〜
センパイの趣味や癖、え、エッチな本の場所まで
何でも知ってますよ!!」
「いや、おい、待て!?
あの本は森が勝手に持ってきたんだからな!?」
そうなのである。
あの本はだいぶ前に森が僕の家に勝手に
置いていったものであり
断じて僕の物では無い!!
・・・そりゃ中身見ましたよ?
そこは否定しないよ?
「またまた〜謙遜なんてしなくていいんですよ〜
私は何とも思いませんよ。
・・・えぇ何とも」
「めっちゃ根に持っているやん!!」
だって最後の声のトーン明らかに不機嫌だし。
「センパイって巫女や浴衣なんかの和服が
好みなんですね〜いや勉強になりますわ〜」
「そ、そのチョイスは森なんだけど・・・」
まぁ僕は和服が好きなのは認めよう。
だけど!!その本のチョイスは森だ。
僕は関係無いはずだ!!
「へぇ〜センパイが好きそうなのを森先輩が
ピックアップしてきたと・・・
ーーよし、凛子に報告しとこ」
「森逃げて〜!?」
絶対凛子さんってそういうの苦手だろうし
見つかった瞬間、森は確実に危ない。
・・・すまん、今回は助けれない。
「じゃあ私が巫女さんのコスプレをしたら
センパイが襲ってくるのか・・・覚えておこ」
七海は何かにメモをしていた。
「いや覚えなくていいからね!?」
流石に彼氏の性癖を覚える必要は無いだろう。
・・・いや、そもそもバレるのが悪いのか。
ん?てか僕が悪いのかな?
「大丈夫です!!センパイが大学から帰ってきたら
巫女さんの服でお出迎えしますので!!」
「やめて!?恥ずかしいから!!」
「といいながらセンパイ、顔がにやけてますよ」
「そりゃ七海が来てくれたら嬉しいさ」
だって七海と巫女さんってかなりいい組み合わせだと
思うんだよ。僕は。
「そうですか・・・うふふ、じゃあ買ってきます!!」
「いややめて!?」
「なんでですか?百聞は一見にしかず
本よりも彼女の私でしょうが!!」
いきなり逆ギレされた。
という彼女の私ってなんだよ、七海よ。
「そんな理論知るか!?
というか初めてそんな理論聞いたよ!!」
「とりあえずこ、この、え、エッチな本は
私が凛子に送っておきます!!」
「それはやめてあげて!?
まだ付き合ったばかりのカップルを
いきなり喧嘩させないであげてよ!?」
「メール送信〜!!
いや気持ちいいですね〜」
七海は随分スッキリとした顔をしていた。
逆に落ち込む僕。
(森、今度詫び入れさせてくれ・・・)
この後怒られるだろう後輩にエールを送った。
「というかセンパイ」
「はい、なんでしょうか・・・?」
「そんなに見たいなら言ってくださいよ」
「えっ・・・」
と僕が驚いていると、七海はやや顔を赤らめて
「好きなセンパイのためなら巫女さんぐらい
着てあげますよ・・・」
そっぽを向きながら言った。
「いや・・・それは嬉しいけど・・・」
「わ、私だって恥ずかしいんですけど・・・
センパイのためなら頑張り・・・ます」
「じ、じゃあその時は・・・よろしく・・・」
「わ、分かりました・・・ちなみにセンパイって
和装が好きなんですか・・・?」
「う、うん好きかな」
「わ、分かりました・・・用意します・・・」
「どうも・・・」
と変な空気になる僕ら。
「ちなみにセンパイ、これ以外の本とかDVDは
まだありますか?」
「いや、もう無いよ・・・七海と付き合う時に
全部捨てましたよ」
「え?なんでですか?」
「だってそんなの持っていたら彼女に申し訳
ないでしょ?」
僕は七海と付き合う様になってから
そういう類いの物は全て捨てた。
「そ、そうなんですね・・・へぇ・・・ほぉ・・・」
「な、なんだよ・・・?」
「いやセンパイらしいな〜って思って
・・・えへへ」

その日は七海は終日笑顔だった。






ショートストーリー〜その頃の2人〜
「・・・森先輩」
「はい、なんでしょうか・・・」
「弁明はありますか?」
「いえ、今回は私の不徳の至るところです」
「巫女、武士、浴衣、和服・・・
まさに和のオールジャンルですね〜
ーーこれがそういう類いので
なければ褒めましたが」
「本当にすみません、江國凛子さん」
俺は後輩兼彼女に土下座をしていた。
「なんでこんな本持っているんですか!?
彼女の私がいるんですよ!?
合法的に着せ替えできるんですよ!?」
「あ、あれ江國さん・・・」
「なんなら私の胸触りますか!?
七海より大きいですよ!?」
「ち、ちょっと江國さん!?
一旦落ち着こう、ね。」
「さぁさぁどうぞ!!
なんなら浴衣着ましょうか!?」
「国木田先輩〜!!
今回ばかりは恨みますからね〜!!」

こっちはこっちで一悶着起きていた。


コメント

  • ノベルバユーザー81968

    毛穴から砂糖水出たわ!
    これはガスマスクでは防げないな

    5
  • Flugel

    口から水飴出て来た
    超熱々で甘々なのあざーっす!
    もっともっと砂糖の雨降らしてくださいお願いします

    4
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