部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

思いっきり笑ったわよね⁉︎


今回は七海視点です







「で、どうだった〜凛子〜森先輩とのデートは?」
「嬉しかったわ・・・だけど素直に喜べ無い」
「またまた照れちゃって〜もっと褒めても
いいんだよ〜」
「はぁ・・・」
とため息をつきながらも顔がにやけているのを
私は見逃さなかった。
(凛子って本当にツンデレだよね〜)
彼女のそんな姿を見ていると私もにやけてくる。
「何よ・・・にやけて」
「い〜や、気のせい、気のせい
ーープスッ」
思わず吹き出してしまった。
「今思っ切り笑ったわよね ︎私見逃してないからね ︎」
「い、いや?笑って・・・プスッ、大丈夫笑ってない」
「表情と言動が一致してないわよ ︎」
「だって凛子が面白いんだもん〜
ーー私は悪くない ︎うん、そうだ ︎」
「そんな理論がまかり通っていいの ︎」
「凛子〜そんなに怒っているとストレス溜まっちゃうよ〜
ほら好きな人を頭に浮かべて・・・
ーーって暴力反対 ︎痛い痛い ︎」
凛子は私にヘッドロックをかましてきた。
「七海って本当に懲りないわね・・・ ︎」
「ギブギブ ︎マズイマズイってこのままだと
私、バタンキューしちゃうよ ︎」
・・・あ〜なんか段々意識が朦朧としてきたな。
「これで少しは懲りた?」
「はい、身をもって懲りました」
「だと良いんだけど・・・七海だからね」
「ちょっと心外なんだけど ︎」
「日頃を見直しなさい ︎」
「すみません〜」
「・・・もう一回やられたい?」
とヘッドロックの構えをしだす凛子。
「すみませんでした。本当に反省するので勘弁して
いただけませんか?」
私はただ平謝りだった。
「全く七海は調子が良いんだから・・・
ってあれは・・・」
と凛子は私の後方を目を細めてみた。
「何〜愛しの森先」
「七海」
凛子の声のトーンが1つ下がった。
「本当にすみませんでした。ですので怒らないで」
「いやそうじゃない。ただ注意して」
「へっ?注意なんで?」
私はてっきり怒られるのかと思っていたけど・・・
「ふぅ・・・去ったかしら」
「だから何って〜」
「今七海の後方に例の取り巻きの子達がいた
・・・しかもこっちを睨んで」
「あ〜あそう言えばいたね〜そんな子達〜」
センパイが徹底的に痛みつけた後、あの子達は学部で
居場所を無くした。元々彼女らはあまり好かれて
無かったが、例の事件で更に嫌われた。
「それを殆ど再起不能にしたの七海の彼氏よ・・・?」
「そう言えばそうだったね〜
ーーあの時のセンパイかっこ良かったな〜」
いつも以上にキリッとしていたあの姿を写真で
残してないのは私の失策だ。
・・・くそっ、何であの時スマホを取り出さなかったのか
今更ながら落ち込む。
「・・・貴方のノロケは相変わらずね」
「凛子も近いうちに私と同じになる・・・
ーーだからヘッドロックは禁止だって ︎
ごめんごめんってば〜 ︎」
「貴方は何度言ったら変わるのかしらね・・・ ︎」
「ぎゃあ〜 ︎」

私達が無視していた彼女らが後々に面倒な事になるとは
この時の私達は知らなかった。

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