部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

はぁっ⁉︎平塚テメェ⁉︎

今回は七海視点です



とある日〜再び学食にて
「ねぇ凛子〜」
「何?」
「森先輩にいつアタックするの?」
「ブホッ ︎」
凛子は飲んでいたお茶を吹きそうになった。
「あらあら大変だね〜」
「誰のせいよ、誰の・・・ ︎」
「凛子〜そんなに怒っていると森先輩に
ーーって痛い痛いって ︎」
私は凛子にほっぺたをつねられた。
「七海がバカな事を言うからでしょ ︎」
「だ〜か〜らそんなに怒ってると森
ーーすいませんすいません ︎許して ︎」
更に強くつねってくる。
「貴方は〜 ︎
・・・あっ」
と凛子は何かを見かけた様で
つねるのをやめた。
「痛〜せっかくセンパイに
頬ずりするためのほっぺたを
どうしてくれるのさ・・・
って凛子?」
私も凛子が向いた方を見ると
そこには森先輩がいた。
ここはチャンス ︎
「森先輩〜 ︎」
「ちょっと七海 ︎何しているの ︎」
いつもの様に慌てる凛子
しかし・・・
「どうした君ら・・・
多分平塚が9割
悪いんだろうけど・・・」
森先輩は呆れながら私達を見ていた。
「森先輩〜一緒にお茶しましょう〜」
「えっ、お、俺はいいよ。
君達2人で楽しめよ・・・」
「ちなみに今逃げますと〜
ーーもれなくあの事、センパイに
話しますよ〜」
あの事とは私がたまたま
知ってしまった森先輩が
センパイに隠している秘密であり
バレたら多分説教が始まるレベルの秘密だ。
「はぁっ ︎平塚テメェ ︎」
「さぁどうしますか森先輩?
ーーお茶するかセンパイの説教をくらうか?」
「クソッ・・・覚えてろよ」
森先輩は渋々席に座った。


「・・・」
「・・・」
「・・・あの〜お二人方。
何か話しましょうよ」
そうなのである。
凛子は多分緊張で、森先輩はコミュ症で
2人とも一切話していない。
はてはてどうしたものかと
考えているといきなり
私のスマホがなり
画面を見てみると相手は森先輩だった。
送られてきたメッセージの内容は
「なぁ平塚、目の前の子と
何を話せばいいんだ?」
(それスマホで言いますかね ︎)
私は心の中で森先輩に
ツッコミを入れていた。
ふと森先輩を見ると必死な目で
こっちを見ていた。
・・・あっ、これ結構マジで
ダメなやつだ。
とりあえず森先輩からよりも
凛子の方から話しかけた方が
いいと思い、凛子に話を振った。
「と、ところで凛子って
自己紹介した?」
「あっ、ま、まだし、してない」
「じゃあしようよ〜」
凛子はしばらく考え、意を決した様
に森先輩を見た。
「わ、私はえ、江國凛子と言います ︎
学部はこ、国際政治学部です ︎」
よし ︎よく言った凛子 ︎
親友として誇らしいよ〜。
さて、次は森先輩なんだけど・・・
とまたスマホがなり画面を見てみると
「俺も自己紹介した方がいい?」
案の定森先輩だった。
(だから会話でスマホを
使わないでくださいよ ︎)
「え〜じゃあ森先輩、自己紹介どうぞ〜」
と私が促すと
「お、お、俺は、も、森、ゆ、結城です。
学部はり、理工学部です」
「よ、よろしくお願いします」
「こ、こちらこそ・・・」
なんとも奇妙な光景だった。
さて、次は2人に何の話を
振ろうかと考えていると
「も、森先輩って国木田先輩と
いつも一緒にいるんですか?」
と凛子が森先輩に話を振った。
「お、俺かい?う、うん
よく一緒にいるな」
「く、国木田先輩っていつも
あんな感じ何ですか?」
「あ、あんな?」
「あの例の男子を追い詰めた時の様な感じです」
「それはない」
「そうなんですか?」
「いつもはもっと周りをしっかり見て
周りに与える影響は最小限に
とどめているんだけど
ーーた、多分平塚が関わって
いたからかな」
・・・あれ?気がついたら森先輩が
普通に話してる。
「あ、あの先輩、い、意外と怒ると怖い」
訂正、まだ普通には遠いかな。
「国木田先輩って怒るんですね・・・」
「ま、まぁ、その分いつも優しいからさ」
「ほ、他にどんなのがあったんですか?」
「そ、そうだ、だな・・・」

「・・・ってあの時の先輩は怖かった」
「なんか想像つきます」
しばらく経つと森先輩と
凛子が普通に話していた。
森先輩って最初の壁は高いけど
その壁って意外と
薄いから早く仲良くなれる。
・・・本当、不思議な先輩だ。
「いや〜にしても平塚の彼氏怖いわ」
「ですよね〜たまに彼女の私でさえ怖いって
感じますもん〜」
「七海・・・貴方
自分の彼氏をなんだと思ってるの」
「う〜ん、いつもは優しいんだけど
怒るとお母さんか
って思うぐらい怖いよ〜」
「七海、ちなみに聞くけど
何で怒らせたの?」
「例えば・・・」
と私は森先輩達にセンパイを
怒らせた事件を話した。
「・・・もう〜そこまで
怒らなくてもいいじゃん〜」
「ハッハハハ〜あの先輩らしいや」
「全く・・・あれぐらいで怒っていたら、
いつか怒って死にそうだよ〜」
「憤死ってやつか?」
「そうですそうですよ〜センパイ憤」
「ーー誰のせいで毎日怒っているんだ?」
「「「えっ?」」」
私達の声が重なった。
何故ならその声の主は
今ここにいないはずの人物だった。
私が恐る恐る後ろを振り向くと・・・
「やぁ、七海、森、凛子さん」
私の彼氏であるセンパイが笑顔でいた。
ーーこの状況で笑顔で
あるのが逆に怖い。
「あ、あれ〜せ、センパイ〜
なんでここに〜?」
私は気になり聞いてみた。
「ちょっとこっちのキャンパスに
用事があってね。
用事が終わったから散歩してたら
たまたま君らを見て
近くに行ったらね〜僕の話をしてたね〜
ーーねぇ七海?」
「アハハハ・・・」
怖い ︎センパイの笑顔が怖い ︎
表情こそ笑っているけど
目が笑ってない ︎
「さて森、凛子さん
七海借りていくね?」
「「ど、どうぞ ︎」」
すっかり2人も怯えていた。
ーー私はそれ以上に怯えていた。
「さて、七海?
ーー帰ってゆっくり
話聞くから覚悟してね?」
「先輩達の薄情者〜 ︎」
私はセンパイに引きずられ大学を後にした。




ショートストーリー    〜その後の2人〜
「行っちゃいましたね・・・」
「あれは行ったというよりも連行だな・・・」
「あ、あの ︎」
「ん?どうした?」
「よかった連絡先交換してもらえませんか ︎」
「俺?」
「はい ︎」
「まぁ、今日話したのも何かの縁だろうし
いいよ、交換しようか?」
「やった」
「ん?何か言った?」
「いえいえ ︎何も ︎全く ︎」
「不思議な子だな・・・」

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