部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

それはダメ〜‼︎

「なんだあいつは?」
常村とかいう男子が去った後、僕は2人に聞いていた。
「彼は常村悠平です。最近留学から帰ってきた男子です」
と前の凛子さんが教えてくれた。
どうやら常村というのが前に七海が言っていた
イケメンの生徒なのだろう。
見た感じ確かにイケメンだった。
「あの野郎・・・人の彼女を名前で呼びやがって」
僕が吐き捨てる様に言った。
「彼はいつもあんな感じですよ?
私も名前で呼ばれましたが
ーー寒気がしました。個人的ですが」
「そ、そうか・・・」
凛子さんがそうはっきりと言ってしまうものだから
ついたじろいでしまう僕。
「それよりも先輩」
「うん、なんだい?」
というと僕の隣を指差してこう言った。
「先輩の彼女がそろそろダウンしそうですよ?」
「え?あっ・・・」
と僕と七海の状況を改めて見てみる。
僕が常村と話していると最中に七海を軽く引き寄せた後
気づかない内に七海を抱きしめていた。
「ご、ごめん‼︎」
慌てて離すものも
「・・・」
七海の顔はとても赤かった。
「ご馳走さまです。
まぁここまで教室でイチャイチャしていたのだから
常村も変には手を出してこないでしょう」
「そ、そうかな?」
「まぁ目の前でこんなお熱い関係を見せつけたのですから
大丈夫だと思いますよ?
ーーほら、七海。そろそろ起きなよ」
と凛子さんが七海に呼びかけてみるが
「・・・」
相変わらず反応が無かった。
「全くしょうがないな・・・」
凛子さんはやれやれという感じで七海の耳元に近づき
「ーー起きないと先輩は私がもらうよ?」
と凛子さんが言うと七海は
「それはダメ〜‼︎」
「復活早っ⁉︎」
驚愕の早さで復活した。
「センパイは私の彼氏なの‼︎
い、いくら凛子でもダメなの‼︎」
「はいはい、分かったから」
「センパイもダメですからね‼︎」
「あ、はい・・・
ところで凛子さんに1つ質問があるんだけど」
「はい、何ですか?」
「さっき常村から名前で呼ばれて寒気がしたって
言ってたけど、僕が名前で呼んでいいの?
なんか七海が言っていてそのまま呼んじゃったけど・・・」
「あっ、確かに・・・言われてみれば
まぁ先輩から呼ばれても寒気は感じないので
そのまま呼んでもらっても構いませんよ」
「あれ?そう言えば凛子って下の名前で
呼ばれるのあんまり好きじゃない
って前聞いたことあるんだけど・・・?」
「うん、あまり呼ばれたくないかな・・・」
「何でよ〜凛子って可愛い名前じゃん〜
私は好きだな〜」
「だから嫌なんだけど・・・
私って何か可愛いって言うよりもカッコいい
イメージがあるじゃん?」
「確かに言われてみれば何か"姉御‼︎"って感じだね‼︎」
「だから可愛いって私に合ってないかな・・・
特に"子"なんて合ってないし・・・」
「ん〜?そうかな?」
「どうしたんですかセンパイ?」
「いや・・・僕は充分合ってると思うんだよね」
「はい?」
凛子さんが不思議そうに言った。
「だって凛子さんって普通に可愛いと思うよ?」
「なっ・・・⁉︎」
「見た目以外にも何か雰囲気がなんかこう"凛としている"
って感じで名前は似合っていると思うんだけどね。
・・・あれ?凛子さん?」
「・・・そ、そうで、ですか・・・ありがとうございます」
と凛子さんはとても照れている様だった。
「ん?今僕何言ったんだ・・・?」
改めて振り返ってみる
"凛子さんって普通に可愛いと思うよ?"
・・・
・・・
・・・
「あっ⁉︎しまった‼︎つい思った事を口に出してしまった‼︎」
「センパイ‼︎」
といきなり隣の七海に呼ばれた。
「は、はい⁉︎」
「私以外の女の子に可愛いって言っちゃダメですからね‼︎
分かりましたか‼︎」
「は、はい・・・」
と七海に怒られてしまった。

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