部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

センパイは可愛い〜?

それはとある晩御飯の時
いつもの様に僕と七海が一緒に食べている時
「そういえばセンパイ」
「ん?」
「なんか私のクラスに留学していた人が
来たんですよ〜」
「?」
「昨年の9月から留学行ってたらしいんですけど
それが今月からこっちに戻って来たんですって」
「へぇ〜」
「しかもその人、かなりのイケメンなんですよ。
私も見ましたが中々のイケメンでしたよ?」
「い、イケメンだと・・・」
「それで私のクラスの女子達が騒いでいて
うるさかったんですよ〜
・・・あれ?センパイ〜話聞いてますか?」
「イケメンだと・・・イケメンだって・・・」
さっきから七海が言ったイケメンという言葉が
ずっと繰り返されていた。
「センパイ‼︎」
「は、はい⁉︎」
「全く・・・イケメンって単語だけで
衝撃受けすぎですよ〜」
と七海に呆れられしまった。
「ご、ごめん」
「あっ、まさかセンパイ〜
私がその人を好きになるって思ってますか〜?」
「べ、別にそ、そんなわ、訳ないし・・・」
すみません、本当にそう思っています。
だってイケメンだぜ?
そして留学行ってたんだろ?
・・・何も勝てる気がしない。
「てぃ‼︎」
「うわっ⁉︎」
と七海は僕の方に覆い被さってきた。
そして僕の胸ぐらいに頭を置いてきた。
「すぅ〜えへへ〜センパイの匂いだ〜」
「そりゃ僕本体だからね・・・
てかいきなりどうしたの?」
「なんかセンパイが弱気になっていたので」
「よく分かったね・・・」
僕がそのようにいうと七海は苦笑しながら
「彼女ですからね〜」
と言った。
「ごめんね、七海からそんな話を
聞いちゃって心配になっちゃって・・・」

ーー僕は自分に自信がない。

ーー部活では幹部として頑張らないと
いけないから自信がある様に見せているが
自信は無い・・・

ーー正直僕は七海や森、織田達の自信があるのが
とても羨ましい。

ーー日々彼らを見ていて、本当に僕は七海と
付き合っていられるのだろうか?

ーーそんな事を考えてしまう。

「大丈夫ですよ、センパイ」
「七海・・・」
「センパイが自分に自信が無いのはわかります」
「・・・」
「でも、そのセンパイが私は好きなんです。
私はセンパイから離れませんよ。
というかセンパイ以外好きにはなりませんよ」
「ありがとうね、七海。
・・・そして提案なんだけど」
「はい、何ですか?」
といつもの僕なら提案しない様な案を七海に提案した。
「今日一緒に寝ない?」
「・・・はい‼︎喜んで〜‼︎」
と更に強くしがみついてくる七海。
「七海、苦しい・・・」
「もう〜センパイたら〜恥ずかしがり屋なんだから〜
一緒に寝るぐらいなら今日だけじゃなくても
これから毎日でもいいのに〜‼︎
センパイ可愛い〜‼︎」
としばらく抱きつかれたままだった。

結局その日は一緒にベッドで寝た。
ただ・・・
「えへ〜センパイ〜」
「どうしたの七海?」
「頭撫でてほしいな〜」
「それぐらいならいくらでも」
と七海の頭を撫でた。
黒髪がサラサラしている
撫でているこちらも気持ちいい。
「ねぇセンパイ〜」
「今度は何かな?」
「ううん、呼んだだけ〜」
「そ、そうか・・・」
「センパイ可愛い〜」
何故かいつもより七海が甘えてくるのだった。

今日の会話に出てきたイケメンが
この後僕らを問題に巻き込んでいくのだが
この時の僕らは考える余地は無かった。

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