部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

「行きましょう!」「嫌だ」

そして次の日、僕らは7時過ぎに家を出て
近くの特急が乗れる駅に向かった。
電車は9時だったため、電車の中で食べるお菓子や
飲み物を買った。
・・・しっかりと領収書をもらったさ。
後で請求するためさ!
その後、特急に乗り指定された駅に向かった。
「おお〜これが特急ですか〜‼︎」
と特急にやや興奮気味の七海。
「珍しいのかい?」
「テレビでは見た事あるのですが、実際に乗ってみると
座り心地が違いますね〜フカフカしてます」
「そりゃ、1番高い車両の席だからね・・・」
僕の両親は1番高い車両の指定席を購入していた。
まぁ2人分をあっさり出してしまうのだから、
それなりに稼いでいるのだろう。
「フカフカ〜おお〜背もたれが後ろに倒れますよ‼︎」
「そりゃ新幹線でも倒れたよね?」
「これが東京ですか〜」
「・・・ごめん今神奈川」
「私が言ったら東京なんです‼︎」
「はいはい、そうしときますよ」
「むぅ〜今子供扱いしましたよね?」
と頬を膨らませる七海。
その様子が可愛くて、もう少し遊ぼうと思った。
「はい、グミあげる」
「わ〜い‼︎
・・・じゃなくてそれが子供扱いしてるって事です‼︎」
「バレたか」
「バレないと思ったんですか⁉︎
流石に私でも気づきますからね‼︎」
「察しのいい七海は・・・」
「人のネタパクるの禁止‼︎」
「パクるってあの家の屋根から屋根なんかを歩く・・・」
「それはパルクール‼︎いつもと立場逆ですよ⁉︎」
・・・なんだろう必死にツッコミを入れる七海を見てると
「ツッコミを入れる姿も可愛い〜」
と七海の頭を撫でた。七海のサラサラした黒髪が
さわっていて気持ちいい。
「もぅ・・・頭を撫でれば全て済むって思って
ませんか?」
「あれ、じゃあやめた方がいい?」
と僕が頭から手を離すと
「あっ・・・」
と残念そうな名残惜しそうな顔をした。
「嘘だよ」
また七海を撫で始めた。
「もぅ・・・センパイのイジワル」
とジト目で睨まれる僕。
「ゴメン、ゴメン。つい七海が可愛すぎて
イジワルをしたくなったんだよ〜」
「というかセンパイ、初めて会った時から
性格変わってませんか・・・?」
「ん?気のせい、気のせい」
「いやいや初めて会った時はもう少し優しかった
様な気がします・・・」
「なんのことやら」
「いやいや最初の頃はもっと年上の優しさがあって
かっこよかったな〜」
「まぁまぁその分、君と親しくなったってこと
だからさ。プラスに考えようよ~」
「・・・なんか癪に触りますね」
と頬を膨らませる七海。
・・・なおこんなに騒いでいているが、夏休みより少し前
ということもあり、殆ど人がいなかった。
そうでなければこんなにイチャイチャしないだろうし・・・

そんな感じに賑やかに会話をしていると
”次は~箱根~箱根~”
「あっ、目的地に着きましたね」
「まだ、電車に乗っていたい~」
「ほらセンパイ~起きて~行きますよ」
「い~や~だ!誰があんな両親と会うかよ!」
「センパイ、反抗期はもう終わりましたよね・・・」
「だってあんな手紙が来るんだよ!?ただですら
あの手紙を読むだけで疲れているのに・・・
当の本人に会ったらさらに疲れるじゃん!」
「・・・余程嫌なんですね」
「夏休みぐらい休ませてよ~」
「ほら立ちますよ」
と彼女に腕を引っ張られ、渋々立つ僕。
「めんど・・・」
「ほら行きますよ~
ほらほら~!」

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