部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

謎の手紙

僕らが家に着くと、封筒が郵便受けに入っていた。
差出人は不明のようだ。
「差出人誰なんでしょうね?」
「・・・もう想像つくけどさ」
「とりあえず開けて見ますね」
と七海が中を見てみると
「コノチケットヲツカイ
イカノバショマデ
コレレタシ」
と新聞の文字を切り出したのを貼ってあり、
地図と特急のチケットがあった。
「あの人は暇なのか・・・」
わざわざこんなに凝る必要があるのか?
「センパイ、差出人が誰なのか知っているのですか?」
「知ってるのなにもこんな事する人なんて
親父以外いないだろうな・・・」
「センパイのお父さんですか?」
「そうそう、こんなバカみたいな事を馬鹿真面目に
やるなんて知ってる限り、親父しかいない」
「楽しそうなお父さんですね〜‼︎
ちなみにお母さんはどんな方ですか?」
「親父と思考回路が同じな人。
・・・両親は2人とも似たような人なんだよ」
「センパイとは真逆ですね」
「だろ。だから面倒なんだよね。
・・・行くのやめない?」
「ちょっとセンパイ〜
いきましょうよ〜」
「夏休みっていう貴重な休みの時間になんで
両親に会って疲れなきゃいけないんだ・・・」
「あっセンパイ。手紙に続きがありますよ」
「次はなんだよ・・・」
「読みますね
ナオコナイバアイニハ
シオクリヲウチキルノト
カノジョノイエ二オマエノヨウショウキノ
シャシンヲオクルゾ〜」
「文面ムカつくのと、地味に痛いところ突いてきたな‼︎」
・・・最後の”〜”の部分が更にムカつく。
仕送りは僕の生命線に近いからな・・・
「しょうがないな・・・七海付いてきてくれるかい?」
「はい‼︎喜んで‼︎」
その満面の笑みを見ているととても罪悪感が湧くよ・・・
すまんな、七海。仕送りは大事なんだ。
「あと、センパイまだ手紙に続きがありますよ」
「まだあんのかよ・・・」
・・・ロクな気がしないな。
「ナオ、チケットイガイニヒツヨウケイヒガ
ショウジタバアイニハエンリョナクイウガイイ
・・・カノジョゲンテイデ」
「息子に冷たいな⁉︎」
・・・なんだろこの温度差。
「トイッテミレバツッコミガハイルダロウ
ヤーイダマサレタカ」
「本当にムカつくな⁉︎」
人をおちょくっているような文面が更にムカつく。
「まぁまぁ落ち着きましょうよ・・・
なんとなくですがセンパイのご両親はセンパイのことを
大切に思っていますよ」
「・・・こんなふざけた手紙を送る親がか?」
「ま、まぁセンパイなら許してもらえるってこと
ですよ・・・多分」
「まぁいいや、チケットの時間は明日の9時半か・・・
今日はゆっくりして明日の為に鋭気を養おうか?」
・・・明日はツッコミの数がこんなんじゃすまない
だろうし
「そうですね」
と僕らはその日はゴロゴロして寝た。

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