部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

あらま〜〜

次の日、僕らは家を6時半に出た。
そして電車を乗り継いで東京駅に着いた。
東京駅にいる理由は
七海の両親が住んでいる名古屋に向かうためだ。
そして僕らは東京駅で朝食を食べて
9時発の新幹線に乗った。電車は10時半過ぎに
名古屋に着き、そこから私鉄に1時間ほど乗り
七海の実家に着いた。

彼女の実家は至って普通の一軒家であった。
・・・普通ではなかったら反応に困るが。
「あ〜緊張してきた・・・」
「センパイ、緊張し過ぎですよ〜
ほらリラックス、リラックス〜〜」
「・・・七海は実家だからだと思うが、僕にとっては
彼女の実家だぞ?」
「それが?」
「・・・ほら、彼女の実家に行くって事は
結婚の挨拶みたいじゃん」
「あっ・・・」
と彼女も気づいた様で顔を赤らめた。
まぁ僕の場合はお父さんが怖いから緊張してる
というのもあるが・・・というのは言わないでおこう。
「あら七海〜〜来たのね〜」
と後ろから女性に声をかけられ振り向くと
随分若い女性の方で、何となくだが七海に似ていた。
お姉さんだろうかと思っていたが
「お母さん〜‼︎帰ってきたよ〜」
「お母さん⁉︎」
驚愕の事実判明。
・・・いやいや若すぎるだろ⁉︎
軒並みな反応だと思うが姉に見えたぞ・・・
「あら、あなたが七海の彼氏さん〜?」
「は、はい‼︎く、国木田、た、拓海と申します‼︎
本日はよろしくお願い致します‼︎」
と腰からほぼ垂直まで頭を下げた。
「あらあら、そこまで緊張しなくてもいいのよ?
結婚前の挨拶ぐらいだと思ってくれればいいから〜」
「いやいやめっちゃ緊張しますよ⁉︎それは‼︎」
「あら、そうなの?」
「普通は・・・」
この人、素でやってるな・・・
とりあえず少しこの人と会話してみよう。
「お母さん、随分お若いですね・・・」
「あらやだ〜お母さん口説かれてるわ〜」
「・・・センパイ?」
と冷たい目で睨んでくる我が彼女。
「待て待て、ただ褒めただけだよ⁉︎」
「褒めてくれたの〜私まだいけるかしら〜
拓海さん、かっこいいじゃない〜」
「お母さんは歳考えて‼︎そしてお父さんがいるでしょ⁉︎
センパイは私のモノなの‼︎」
と七海は僕の腕に抱きついてきた。
人妻と彼女が僕を取り合っているという奇妙な場面が
目の前にできていた。
「あはは・・・」
この状況でのベストリアクションがあったら
誰か教えて欲しい、割とガチで・・・
「まぁ冗談は程々にしといて」
「・・・私はお母さんがどこまで冗談だったのかを
知りたいよ」
「ウフフ・・・どこからでしょうね〜」
「・・・とりあえず中に入りませんか?
ここで立ち話も変ですし」
と僕はこの場を終わらせるために、場所の移動を促した。
「そうね〜じゃあ七海、拓海さん、中に
いらっしゃい」
「分かりました」
と僕が中に入ろうとすると不意に七海が近づいてきて
「・・・センパイ、お母さんに目移りしちゃダメね」
「いやいやしないよ⁉︎」
あらぬ心配をかけられた。
・・・僕ってそこまで信頼ないかな?
と思いながら彼女の実家に入っていった。

「父さんただいま〜」
「あなた〜七海が帰ってきましたよ〜」
「お、おじゃまします」
と靴を脱ぎ、室内に入る僕ら。
「うちの人はリビングにいるわ〜
拓海さん、いらっしゃい」
「は、はい‼︎今向かいます‼︎」
「・・・お母さんが心配だから、私も行く」
「・・・君は誰にどんな心配をしているんだい?」

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