部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

さっそくバレる。

今日、僕こと国木田拓海は部活の後輩である
平塚さんと付き合う事になった。
「センパイ、私達付き合う事になったんですよね?」
「そ、そうだね」
「なら手を繋ぎましょう。ほら私の右手がお留守に
なっていますよね〜センパイ気づいて欲しいな〜」
「あっ、そうだね。はい」
と僕は平塚さんの手を握った。
「えへへ〜」
「そんなに嬉しいのかい?」
「はい‼︎それはもう‼︎」
と満面の笑みで答えてきた。
「そうか。じゃあそろそろ帰ろうか」
「はい、そういえば夜ご飯はどうしますか?」
「また、何か僕が作るよ」
「でも、センパイ疲れてませんか?」
「ハハ、大丈夫だよ。なんせ愛しの彼女に料理を
作るんだからさ・・・楽しみさ」
「か、彼女・・・愛しの・・・もう」
と僕らは手を繋ぎながら一緒に帰った。
ちなみに作った料理はハンバーグだった。

そして次の日、僕は部活の集まりにいった。
夏目に平塚さんを連れてこいと言われてきたが
実家に帰っていると嘘をついた。
「じゃあこれから幹部会を始める。まずは各幹部から
報告から、会計国木田」
「ああ、会計からだ。とりあえず暫くは部費の徴収は
1ヶ月千円にしようかなと思っている。何か異論
あるか、なければ千円にする
・・・無いようなんで千円にする。以上」
「じゃあ次は・・・」
と各幹部からの報告が続いていった。
そして各幹部からの報告が終わり
「じゃあ最後に主将の俺から。今年は1年生の入部の
数が少ない。出来れば後何人かは欲しい。だから
これからも呼び込みやSNSを使っていこう」
と主将の話でその日の幹部会は終わった。

「国木田〜〜」
「あれ、樋口さん。どうした?」
同期で主務の樋口さんに呼び止めれた。
「国木田、今時間ある?」
「ああ、あるよ。何か主務で起きた?」
「ちょっとね・・まぁ喫茶店でもいこ」
「いいよ、行こうか」
僕は樋口さんに連れられ、大学近くの喫茶店に
向かった。
「で、どうしたの」
「国木田って昨日どこにいた?」
「家だが」
・・嘘をついた。
「実は私昨日さ友達とお台場にいたんだ」
「・・・はい?」
「昨日、こっちの大学に来ている友達とお台場で
買い物していたんだ」
「へぇ〜(ヤバイヤバイヤバイ)」
「そして帰りに夢の大橋によったんだ」
「はいはい」
「そしたら国木田と1年生の子が一緒に手を繋いで
歩いていたのを見たんだ〜〜」
「詰んだ・・」
・・さらば部活。さらば僕の3年間
「あれ、認めちゃうの?」
「そりゃ見られたら否定しないよ。僕を煮るなり
焼くなり、追放するなり勝手にしろよ」
と僕はお手上げのポーズをとった。
「いやいやバラすつもりないよ?」
「・・恐喝か?」
「私ってそこまで信頼ないかな・・?
軽く落ち込むよ」
「じゃあなんでだよ。樋口さんに何にもメリットが
ないじゃんか」
・・ここで僕を部活から追放すれば、夏目からの
信頼は上がるだろう。大会のメンバーはほとんど
主将の独断で決まる。
「だってあの1年生、平塚さんだっけ?確か夏目
が狙っているって私聞いたし」
「それで?」
「夏目が付き合って問題起こすよりも、国木田が
付き合ってくれた方が安心するんだよね」
「そうか」
「だって国木田って人間的には問題ないでしょ。
後輩からの信頼は高いのがその証拠」
「うん?信頼されているのか?」
・・家で飲み会して吐いたり、飯たかりにきたり
それは信頼されているというのだろうか
「そうだよ。だからこのことは秘密にしてあげるよ」
「ありがとう?」
「普通に礼は言おうよ・・・」
「ああ、すまん。本当にありがとうね」
「てことで喫茶店の支払いよろ〜〜」
「結局たかるのね⁉︎」
やっぱり同期って怖い‼︎
「当たり前じゃん〜〜あっでも心配しないで
誰にも話さないし、これ以上はたからないよ」
「本当かい?」
・・・今までの行動を見てきて安心できない。
「信じてよね〜〜」
「まぁ樋口さんなら大丈夫かな。くれぐれも夏目
にはいうなよ?」
「分かってるって〜任せて」

僕は樋口さんと分かれ、自分の下宿先に帰った。
「ただいま〜」
「おかえりなさい、センパイ〜〜‼︎」
と元気に僕のところに飛び込んでくる愉快な後輩
改めて愉快な彼女、平塚さん。
「おっとと」
平塚さんが飛び込んできたためか、若干よろめいたが
なんとか持ちこたえた。
・・・ちなみになんで平塚さんが僕の家にいるかだが
朝ごはんを食べたあと、そのまま僕の布団でゴロゴロ
していたのだが、気がついたら寝ていた。そのため
起こさず、鍵だけ閉めて出たのであった。
・・・彼氏とはいえ、男性の部屋で寝るなんて
警戒心ないのかね?
「センパイの用事は終わりましたか?」
「ああ、終わったよ。何かする?」
「それが与謝野先輩からセンパイを連れて、居酒屋に
来て欲しいってメッセージが来たんですよ」
「分かった。平塚さんはいける?」
「はい‼︎いけます〜〜」

と僕と平塚さんは与謝野さんに何故か呼ばれ、いつも
呑みに行く居酒屋に向かった。

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