部活の後輩と付き合ってみた

きりんのつばさ

後輩からの祝福?

準備を終えた僕らは呼ばれた居酒屋に向かった。
この居酒屋は僕が後輩を連れてよく呑みに行く
場所であり、店員さんとは顔馴染みである。
そして与謝野さんが予約していたのか、個室に案内
された。個室の扉を開けた瞬間
パーン‼︎
「「はい?」」
僕と平塚さんの声が被った。それはいきなりクラッカー
を鳴らされたらそうなるだろう。
「おめでとうございます〜‼︎」
と与謝野さん
「「おめでとう〜っす‼︎」」
と森と織田がそれぞれかけてきた。
「・・・あの先輩方?いったい何を?」
「いや〜国木田先輩が彼女出来たから祝おうかな〜
と思ってさ、パーティだよ」
「桜・・・するなら早くに言えよ・・・個室の予約
するの大変だったんだぞ」
「ごめんごめんって。吉晴も楽しみだったんでしょ」
「そりゃな。お〜い森、料理は?」
「とりあえず今から作るようにお願いした。まずは
ドリンク頼もう」
「そうだな、では主役はこちらへ〜」
と織田に案内されるまま、僕らは真ん中の席に
着いた。

「じゃあ先輩と平塚に乾杯〜‼︎」
「「「乾杯〜‼︎」」」
「・・それでいいのか・・乾杯」
と一杯目のドリンクで乾杯をした。
織田、森、平塚さんは生ビールを、僕はカルピスサワー
与謝野さんは梅酒サワーだった。
「とりあえず平塚、良かったよ〜」
「はい‼︎先輩方のおかげです」
「いや〜国木田先輩って鈍感だから、気づかすぎて
私も大変でしたよ〜」
「・・僕鈍感かい?」
「「「「ええ、それはもう、とても」」」」
と後輩一同から言われた。
「・・容赦ないな。てか君らも協力してたの?」
「はい、とある日に平塚からお願いされて」
「私達で色々と作戦を考えていました‼︎」
と敬礼をするの与謝野さん。
「はぁ、君ら暇だね・・」
まぁそのおかげで付き合う事に慣れたのだから
よく分からないものである。
「先輩」
「どうした森」
「おめでとうございます」
「いきなりどうした?」
「平塚さんと付き合えましたね。良かったですよ。
夏目に取られずに済んで」
「そこかい?」
と僕が苦笑すると
「いえいえ、そこだけでは無いんです。普通にお二人が
付き合う事になって俺は嬉しいです」
「それを言うなら森があの時、送ってくれたメッセージ
のおかげで、自信を持てたのだからさ」
「それは違うっす。元々先輩の中にあった物を
確認しただけですよ。先輩は部活のためになると
自身は後回しにしますからね。実際に先輩は
告白された際に考えましたよね?」
「考えたね」
・・僕にとって部活は、あの先輩からお願いされた
ものだから、とても大切なものだった。
だから悩んでしまった。
「そこですよ。先輩はもう少し自分を優先しても
いいと思いますよ?」
「そうか?」
「そりゃ夏目先輩よりも我を抑えてますから
逆に出さないとマズイっす」
「そうか、ありがとうな」
「これでも先輩を一年間見ているんで、先輩が
考えそうな事ぐらい分かりますよ」
「・・ちょっとセンパイ?森先輩だけじゃなくて
私にも構ってくれませんか〜〜?
・・・でないと部活でセンパイと森センパイは
あっちの関係だと言いふらしますよ?」
とジト目の平塚さん。
「やめてくれ⁉︎僕はホモじゃない‼︎」
「俺はウェルカムですよ‼︎さぁ先輩‼︎」
と両手を広げた森。
「僕が断るよ‼︎僕には平塚さんって彼女いるよ⁉︎
出来たばかりの彼女が‼︎」
「彼女・・えへへ〜」
と不機嫌から一気にご機嫌になった平塚さん。
「そんなに嬉しいかい?」
「はい‼︎それはもう〜とっても‼︎」
と満面の笑みを浮かべた。
「・・・可愛いね」
と無意識のうちに言葉にしていた。
「「「「ハッ⁉︎」」」」
「国木田先輩が可愛いだと・・・」
「今聞いたぞ・・・先輩がまさか」
「私も驚いたよ・・・」
「これがギャップ萌えですか・・・センパイ
ありがとうございます・・・」
と全員から驚かれた。
「僕だって可愛いって思う時ぐらいあるよ」
「そりゃあるとは思いますが、あの国木田大先輩が
可愛いって言うとは・・・
明日部内で話題になるぞ・・・ならせよう」
「やめろよな⁉︎」
そんな事がバレたら同期からおもちゃの様に
扱われるのが目に見えている。
「号外、国木田先輩が大胆発言‼︎
・・・可愛いね、独占報道」
「独占ってどこに需要があるんだ⁉︎」
「先輩の同期の方々」
「マジでそれはダメ‼︎本当にダメなやつ‼︎」
・・・ダメ、ゼッタイ、ダメ

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