ダンジョン潜って1000年、LVの限界を越えちゃいました

花鳥月下

出撃と新たな出会い

更新、長らくお待たせしてしまい、申し訳ございません。
リアルでは受験シーズンの兄弟がいたので、勉強の邪魔になるかもと言うことで暫くこのサイトへ投稿を控えていました。
その後、受験も終わり、別作品を書きましたがしっくりこず、この作品をまた再開しました。
フォロワー数が減っていないどころか、少し増えていていて驚きました。
これも、読者の皆様の暖かいお心のお陰だと思います。
前置きが長くなり申し訳ございません。
それでは本編です。


ーーーそれから暫くしてーーー

ミスクリア内部でキリガ一行は、厳密に言えばキリガはカバンに入れておいた魔物肉を貪っていた。

「うまっ!!」

この肉はティオーネ戦の前に戦った、岩石狂犬狼の肉だ。
実は、この岩石狂犬狼、岩のように固い甲殻類に似た鱗で身を護っているのは、内側のプルリとした弾力のある肉を守る為なのだ。
群の強者になればなるほどに殻は固く、肉は柔らかくなるのだ。
その理屈としては、『年を追うに連れて筋肉がたるむ』や、『しなやかな動きを可能にするため』等が上げられる。

しかし、一方で戦闘に長けた長寿ベテランでもあり、そのたるんだ肉をいっさい感じさせないような俊敏な動きのおかげで、柔らかさの中に固い食感が生まれ、とても美味である。

そんなこんなで約三キロは優に越えていた肉のストックをキリガはペロリと食べ尽くした。

「ふいー、食った食ったぁ!!体力もあらかた戻ってきたし、そろそろ奥に進んでいくか!」

『やっとなのだー……やっとこの退屈空間から抜け出せるのだ……』

やる気に満ちあふれているキリガに比べ、クロナは憔悴しきった様子だ。

まぁ、無理もないだろう。
何せ、このダンジョン内で丸三日、つまり、外の世界で体感的には約半年間過ごしたことになるのだから。

あまり知られてはいないが、このミスクリアの時の流れは、外の世界とは全く異なる時間が流れている。

いや、正確に言えば体感する時間、つまり、疲労が通常よりも蓄積する環境にある、というのが正しいのだが。

ミスクリア内部では、テラの使用量が通常と大きく異なっている。

ここで一つ、この世界の人間と、独自の理論を交えての話をしよう。
一日自然体でいると体が鈍ってしまうだろう?

その鈍った筋肉を寝ている間にテラがそれを、修復してくれるのだ。

そして翌日の朝、食事をとることでそのテラを回復するのだ。

コレは、傷付いた人間や運動をして筋繊維が千切れ、超回復をする前の肉体、つまりは疲弊した肉体にも同じことが言える。

まあ、要するにこの世界の住人達は、筋肉痛や肉体の鈍り等に悩むことが無い訳だ。

これを、半永久的テラサイクルによる肉体回復理論という。

ネーミングセンスの欠片も感じられない名前だが、一応コレで通っている。

しかしこれには、ある重大な欠点がある。

これまでの話を聞いていればもう分かるだろうが、テラは食事、つまり、口から直接体内に摂取する以外の方法では回復する事は出来ないのだ。

肉体テラが切れる回復手段を失ってしまい、テラが枯渇してから約二分以内にテラを摂取しなければ死んでしまうのだ。


しかし、ここからがミスクリアの厄介なところであり、誰も近付こうとしない理由である。

このミスクリアがテラの結晶体、テラクリスタルであることは、もう周知の事だろう。

テラクリスタルは、人間のみならず万物にテラを供給する事の出来る、いわば最高級のアイテムなのだ。

透明度が低ければ低い程純度が高く、不純物、つまり人の摂取する事の出来ない地中の鉱石などと同化していないのだ。

逆に言えば、透明度が無く、不純物の多いものもあるのだ。

このテラクリスタルは、特殊加工する事により様々な恩恵を与えてくれている。

例えば、テラクリスタルを細かくカットする事で結婚指輪の宝石代わりに使われたり、溶かしてテラ回復薬として使われたり、生活必需品になっている。

しかし、このテラクリスタルにはひとつ厄介な点が有り、それこそが、ミスクリアの恐れられる理由である。

テラクリスタルは、成長を止めようとしない、という点だ。

もうお気付きだろう、つまり、このミスクリアは今も尚成長し、テラを吸収しているのだ。

つまり、テラ回復薬も使えず、食物に含まれるテラも吸収され、テラ回復手段はたった一つ、仲間と分け合う事だけだ。

この事からミスクリアは別名、『死に場所』と呼ばれている。

まあしかし、キリガはミスクリア内のテラを我がものとしているし、クロナもクロナでテラクリスタルに宿っているため、心配は無用なのだ。

クロナの憔悴は、たんなる退屈と泣き疲れである。
勿論体感時間も多少なり関係はしているが。

そして、ゆっくりとキリガは立ち上がり、うーん、と伸びを目一杯行い、ゆっくりと歩き出した。


「よし、行くか!!」

『っちょ!待つのだキー!!』

歩き出したキリガを見て、慌ててクロナはキリガを追いかけた。

そして、意気揚々と次なる戦いへと向かうキリガ達は、いや、正確に言うとキリガはーー

ガラッ

「ってうぇ!?」

ーー……落ちた。

それもそうだろう、先程までこの階層では神との戦闘が行われていたのだから。

このダンジョン内部に亀裂が入っていてもおかしくは無い。

しかもこの亀裂は、この階層だけに留まらない。

その亀裂は下層にまで及び、下へ下へと落ちて行く。

落ちていく最中キリガ達は見た。

自分達の戦闘の衝撃波が及んだのか、既に息絶えた魔物達の群れを。

「おぉぉぉぉーー!!ってまだ着かねえのかぁぁぁぁーー───────」

改めて、自分達の戦闘の壮絶さを体験したキリガであった。

それから幾層程落ちたのだろうか、ドカァァァン、という轟音と共に、キリガ達は吹き飛ばされた。

いや、正確に伝えるならばーー

「ウォォォォォォォォォォーーーー!!!!!」

「『な、何だ(のだ)アレはー!!?』」

肉体が身体に埋まり、顔と腕だけ出ている巨大な生物、龍の咆哮によって、側面に身体が打ち付けられたのだった。

「カハッ!!……クロナ、アイツを鑑定してくれ!」

『あれ?どこかで見たような………?』

「どうした!?アイツは一体何なんだ?」

『あーー!!思い出したのだ!!や、ヤバイのだ!!こいつは……龍神ロゼミネル!四十万年前、僕達大精霊達と神様でギリギリ封じ込めた化け物なのだ!!姿が以前より巨大になっているから気付かなかったのだ!まさか此処が封印した場所だったとは……でも、運が良かったのだ!今ロゼミネルはーーーーーーーー』

「コイツ、そんなやべえのか!?で!?コイツが何だって!?」

『今、ロゼミネルは……寝ているのだ!!』

「は?じゃあさっきのは!?」

『欠伸なのだ!!本気のアイツはあんなもんじゃ無いのだ!!早く逃げるのだキー!!今回ばかりは洒落にならないのだ!!』

クロナは全力で叫んだ。
己の保身とキリガの安全の為に。

しかしその言葉に対し、キリガはクロナにこう答えた。

「嫌だ!!」

『はぁぁぁぁ!?』

「俺は、コイツと戦う!!」

『馬鹿かぁ!?なのだ!!』

こうして、キリガの龍神討伐が始まったのであった。

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龍神ロゼミネル(睡眠状態)

種族 龍•神

レベル 測定不能

生命力179999912/179999912

内蔵テラ94702176865/94702176865

攻撃力983554533

防御97689999585628625

俊敏980

スキル 『永久記憶』エターナル(固有)『覚醒精霊術‘‘虚,,』 『混沌の息吹カオスブレス』(固有)『龍の咆哮ドラゴンボイス

魔法 『無属性魔法完全習得』 

称号 神と化した者 世界の予想外 

加護 無し

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この出会いがキリガ達を大きく変えることを、今はまだ、誰も知らない。



どうでしたでしょうか?
久しぶりのダン1000なのでちょっと微妙な感じもします。
これからはもっと書くのが上手くなって、更に面白い物語を書けたらと思いますので、皆様どうぞ、フォロー、いいね、コメ、宜しくお願いします!
ご要望、指摘、感想、何でも受け付けています!
それでは今後とも、どうぞ宜しくお願いします!!

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