ダンジョン潜って1000年、LVの限界を越えちゃいました

花鳥月下

最悪の敵との死闘(前編)

更新遅れてすいません!
リアルでの都合や、実は学生なので時間が取れなかったりネタが浮かばなかったりでご迷惑おかけしました。
これからもこんな感じになると思いますが、どうぞ温かく見守ってください。



キリガの開けた扉の内部、其処は、他の階層とは全く異なる空間だった。

洞窟のように暗く、広大なドーム状の部屋には、カビの生えた牛乳のような異臭がする。面積は…かなり広いが、高さはそれほどでもなく、精々十二メートル程、本気でキリガがジャンプしたら間違い無くぶつかるだろう。中に入ってから数十秒、身体に寒気がはしった。

室温は大体7ºC位だろうか。

少し肌寒い。

その空間では岩から滴り落ちる水滴が溜まり、水溜まりに落ちる水滴の音が一定のリズムで響く。心地よい音だ。
だが、此処はミスクリア内部、地下水のような物は無いはずだ。 

恐らく冒険者の使った熱魔法のせいで結露し水が滴って居るのだろう。

でもある意味当然だが、
泣きたくなる位汚らしいな、この部屋。

恐らく潔癖症の人間が入ったら、五秒持たずに発狂するだろう。それほどまでにこの部屋は汚いのだ。
上階の透き通ったテラ結晶の部屋とは大違いだ。

『うわぁ……汚いのだこの部屋。どうせこの程度の階層のモンスターなら大したことない筈なのだ。出てもA+,最高でもS-の少し下程度の魔物なのだ。キー、ちゃっちゃと倒してしまうのだ。』

ちなみに、この‘‘キー,,というのはクロナが付けたキリガの呼び名である。キリガ自体も初めての徒名を嬉しく感じているが、クロナには言ったことは無い。

「S-と同等レベルか……流石に厳しいかもなぁ」
ボソッと心の声を口にだす。
部屋を見渡していると、不意にクロナが疑問を投げかけてきた。

『あ、そういえばキーは魔法何使えるのだ?』

クロナはまだ、キリガのステータスを見たことがなかった。
しかもキリガの戦闘を見たことが無い。
そのため、まだ未知のキリガの力が気になるのだ。

「ん?ああ、俺は初級の属性魔法全部かな」

『えぇ!?初級魔法しか使えないのに7階層までソロで挑戦を!?いや、それよりも全属性適正オール!?凄いのだ!!でも、それでも初級魔法でどうやって攻略を?』

この世界には、魔法は基本的に属性適正が無いと使えない。
本来属性適正は一人一つが相場、だが稀に複数の属性を持ち生まれてくる人間もいる。

ニ属性ならダブル、三属性ならトリオ、四属性ならカルテ、五属性ならイディオとなる。

そして六属性、闇、光、炎、水、土、風。
全ての属性を持つ者をオールと呼ぶ

オールは世界でも1人、いや、一体。魔王のみに確認されている。それほどまでに全属性適正は希少なのだ。

「う~ん、単にスキルと加護のおかげかな…スキルの方は体質だけど。てか、お前鑑定持ってんだろ?それで見ればいいだろ」

キリガはクロナの質問に答えた後、呆れた顔で言い放つ。

『おぉ、そうなのだそうなのだ。僕には鑑定があったのだ。
じゃあ、『鑑定』!!』

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キリガ
種族 エルフ『変異型』
レベル8
生命力380/380
内蔵テラ60/60
攻撃239
防御387
俊敏1023
運50
スキル『精霊術‘‘操,,』『鑑定』new ???(未覚醒)
魔法『全属性初級魔法』『睡眠回復スリープヒール』new
称号 無し
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「あ、魔法増えてる」
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『睡眠回復』
十五秒間眠る魔法。
眠りから覚めると欠陥部位以外を全回復させられる。
睡眠中隙だらけなのがネック
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クロナは、しばらくマジマジとステータスをみていた。
目は血走り、見開かれていた。
…まあ、石のクロナの目がどこにあるかは知らないし、キリガの勝手な妄想なのだが……

『化け物なのだ』
クロナはサラリと呟いた。

「お前が言うな」
それについてキリガは反撃する。
一行は、尚歩みを止めることなく進み続ける。

そして、最奥に着いた。

「……おい、ボスは?」

『僕にきくな、なのだ。』

結局、最奥に来てもボスは現れなかった。
それどころか仕掛けギミックトラップすら見つからない。

「なぁ………この部屋おかしくないか?」
その静けさにキリガは不信を抱かざるを得ない。
そう、余りにも此処は静かすぎるのだ。

今までの階層と比べてテラの濃度も濃く、戦闘し易い大型になっていると言うのにボスモンスターは見あたらないのだ。 


通常、これほどの濃度のテラが充満していればA-のモンスターの巣窟と化していてもおかしくない。

いや、生成はされているのだろう。
それらしき痕跡は残っている。

キリガは思考をフルに活用する。
何故痕跡は有るのに魔物がいないのか、それどころかボスモンスターまでいないとすると………
数秒の思考の末、キリガはとある仮説に至る。
それはーー

「それ異常の強者から逃げているとか?」

次の瞬間、それは、現実となって現れた。
大気中のテラがごっそりと吸い込まれていく。

振り向くと、巨大の紫色の球体にテラが吸い込まれている。
そして、球体は弾け飛んだ。
そこに佇んでいたのはーー

「おいクロナ、アイツが何か分かるか!?」

『嘘……キー、逃げるのだ!!今の僕達じゃ絶対に勝てない!!』

「あ!?いったい何なんだアイツ!!そんなヤバいのか?」

『ああ、奴はーーーー












SSSだーー』

「っーーーーー!」

そこに佇むは最強種、本来百階層辺りにいなければならない魔物ーーー

『焔神=ティオーネ………!』

火、いや陽炎すらも司る焔の神、焔神=ティオーネが佇んでいたーー

「やるっきゃねえ!!」
キリガは、ニタリと笑い叫んだ。











後に、キリガはこの選択を後悔することになるーー


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別作品、『転生ついでに最強を目指す』の更新は、リアルでの都合上もう少しお待ちください。

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