デフォが棒読み・無表情の少年は何故旅に出るのか【凍結】

決事

31 見えると出来る

見えた

比喩ではなく、一歩一歩に10秒かけているように至極ゆっくり歩いているのが見えた。
つい先まで視認が難しいくらいの速さで俺を翻弄したとは思えない動きだ。
だが、自分の体がそれを上回るスピードで動けるということではないようだった。
目くらましとして砂を蹴り上げようとした足はナイケと同様にひどく遅い。
彼が俺に触れられる位置に着くまでにはなんとか砂で視界を覆うことが出来た。
しかしながらそこから背後に回って急所を狙うという段階を踏むと砂が地に落ちて視界はクリアになってしまうだろう。
かといって正面を突っ切ると今度は俺が砂のカーテンによって目を覆われてしまう。
どうしたものかと数秒の思案があったが、不明瞭な視界の中に見えたものを利用することにした。
囮の囮の囮の裏をかかせてもらう。

いきなり砂が舞った。
多少の動揺が見られるナイケはすぐに冷静な顔つきになって腕で振り払おうとした。
けれどそんな簡単には消えるものではなくて顔をしかめたのが判った。
今。
タッと。
わたしは駆け出した。
だんだん大きくなる後ろから聞こえる足音に、フークが囮だと気付いたのか振り返ってバックステップした。

「あ」

わたしは何も言わず立ち止まる。
何故なら砂の中を歩いてきたフークがナイケの背中に手を当てたから。
「俺たち人間チームの勝ち、だな」

砂の粒の隙間からアニセラが見えた。
きっと彼女はこのチャンスを逃さずに来てくれる筈だ。
なら俺は裏をかくために。
砂を掴んだ・・・・・
目の位置辺りを漂う砂もまたゆっくりしている。
それ故に掴み取れてしまうのだ。
目の前がすっきりすればもう問題はない。
アニセラを見たナイケの背中、心臓辺りを手で触れ、俺が勝者となった。

〜*〜*〜*〜*〜
え、何これ全然わかりません←
絶対支離滅裂なこと言ってると思うのでご指摘お願いします……

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