ツンデレ妹とヤンデレ妹に愛されすぎて困ってます!

淳平

12話「妹たちと誕生日」 後編その2

「そろそろ帰るか……」

 公園のベンチから立ち上がり俺は我が家がある方へと足を向けた。
 正直できることなら今は家には帰りたくない。
 きっと我が妹たちはまだお怒りだろうし……
 さっきも必死になって自分がしたことを思い返したが何も心当たりはないし。
 ……悩んでいても仕方ない。
 とりあえず誠意を見せて謝ろう。
 話はそれからだ。

 ︎*

 高崎家玄関にて。

「それにしても陽兄遅いねちーちゃん」
「本当ね。 まあでも行くところなんてないだろうしそのうち帰ってくるわよ」
「……どうかな」
「どういうこと?」
「もしかしたら陽兄、宇宙人にさらわれたのかも」
「んなわけないじゃない何バカなこと言ってるのよ」
「まあそれは冗談として。 迷子になってるのかもね」
「……まあ兄さんならあり得るかも」
「熱海の時も迷子になってたからねぇ」
「あの時は茜も迷子になってたじゃない」
「ニヒヒー、あれはワザとだもんね。 陽兄と二人っきりでデートするための!」
「茜あんたってやつは……はあ」
「ねえ、ちーちゃん」
「何よ」
「ちーちゃんはさ、陽兄のこと好き?」
「はあ、いきなり何言ってんのよ」
「ふうん、好きじゃないんだ」
「べ、別にそうは言ってないじゃない!」
「じゃあ、好きなんだ〜」
「わ、悪い? ていうかそんなの茜も知ってるはずでしょ? いきなり改めてなんなのよ」
「ニヒヒ、ちーちゃんに意地悪してみました」
「茜のバカ! もう知らない」
「ごめんってちーちゃん泣かないでー」
「別に泣いてないわよ。 ……はあ、なんだか茜が羨ましいわ」
「んー、なんでなんで?」
「……兄さんに好き好きって素直になれてさ。 私にはできないから」
「よしよしちーちゃん」
「なんで撫でるのよ! 私の方がお姉さんなのよ」
「そう、ちーちゃんは茜のお姉さん。 ちーちゃんがしっかり者だから茜はこんな風に自由奔放でいられる。 そんなちーちゃんに茜は憧れてるんだよ。 全然近づけないけど」
「……茜」
「陽兄に対していつもデレデレになっちゃうのはもう自分でも仕方ないって思うんだよね。 だって好きなものは好きなんだもん。 だから茜は茜。 ちーちゃんはちーちゃんでいいんだよ」
「……茜のバカ。 私を置いて大人にならないでよね。 私のがお姉さんなんだから」
「おー、よしよしちーちゃん」
「……バカ」

コメント

  • しーずぴ

    早く続きが読みたい‼️

    2
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