ツンデレ妹とヤンデレ妹に愛されすぎて困ってます!
7話「妹たちと看病」
熱い……熱い熱い熱い熱い……!
目に映るのは果たしなく広がる砂漠……
照りつける太陽に身体の水分は奪われそろそろ限界に近い。
オアシスを求め、俺は今歩き続けている。
……あった! 砂漠の中唯一の水、唯一のオアシスが!
もう……我慢できない!
飛び込んでやろうじゃないか!
……………………
「陽兄〜、おっきろ〜」
お、重い……この重さはきっと茜が俺の上に……ああ、そうか。 さっきのは夢だったんだな。
……そろそろ起きるか。
…………あれ? 体が動かない…………
それになんだか体がポカポカするような……
「陽兄〜? 大丈夫?」
「……茜、俺のおでこ触って見てくれ……」
「ん〜? こーう? って熱っ!」
「……やっぱりな」
どうやら熱が出たらしい。
瞼が重いし、頭も痛いし、体が熱い。
「陽兄! お母さんに伝えてくるね!」
ああ……意識が遠のいていく……
後から聞いた話によると茜が母さんに俺の体調が悪いことを伝えてくれたらしい。
母さんはその後学校に欠席の連絡を入れてくれたんだけど……
父さんも母さんも仕事に行ってしまい、風邪の中独りぼっちと思われたが……
「こら茜、あんまり兄さんのそばにいると風邪うつっちゃうわよ!」
「ん~、陽兄にうつしてもらう~」
「何言ってんの、ほら兄さんにも迷惑かかっちゃうわよ」
「ん! はい! 私大人しい!」
「ん、よろしい」
愛しの我が妹たちの声が響く。
俺の額には熱さまシートが張り付けられ、気休めではあるが冷たくて気持ちいい。
茜か智咲かどちらかが張り付けてくれたのだろう。
「お前たち……ありがとうな……」
俺がそう呟くと茜と智咲は驚いたような表情を見せた。
「あぁ! 陽兄起きた~!」
「兄さんダメよ、寝なきゃ!」
茜は純粋に俺が起きたことに喜んでいるようだ。
智咲は俺の身体のことを心配をしてもっと寝ていてほしいのだろう。
お前ら……本当に可愛い妹たちだぜ!
「兄さん何泣いてんの? キモっ……」
「陽兄泣き虫さんだなぁ」
「……ありがとうなお前たち」
それより学校はどうしたんだと尋ねたいが、看病してもらっている以上それを聞くのは野暮だろう。
それにしても本当によくできた妹たちだ。
いつもは俺が面倒を見ている(つもり)のだが、今日はこうして妹たちに世話になっている。
少し照れくさいが兄さんは嬉しいぞ。
「じゃあ兄さんは寝るから、お前たちは自由にしててくれ」
「はーい、おやすみ陽兄〜」
*
 
2時間後俺は目覚めた。
「あ、陽兄起きた!」
「おう、おはよう茜。 あれ、智咲は?」
「ちーちゃんならお昼ご飯作ってるよ〜」
「おー、そうなのか。 何から何まですまんなお前たち」
「陽兄、ちょっとこっち来て〜」
「ん? なんだ?」
 
茜に近づくと茜は俺のおでこに頭をくっつけてきた。
「ん〜、まだちょっと暑いなー」
ムーっとした顔をする茜。
「茜さん、風邪うつっちまうぞ」
「んー、陽兄にうつしてもらえるならいいよー」
熱さまシートを替えながらそんなことを言う我が妹。
「茜……お前……」
「もう陽兄やっぱり泣き虫だなぁ」
そう言って茜は俺の頭を撫でた。
うう……これがいわゆるバブみってやつなのか?
茜がいつもより母性的というか……
それに病人だからか甘えたい気分だ。
「兄さん、茜、ごはんできたわよー」
「ありがとうな智咲……」
「って、うわっ、また泣いてるし!」
「えっへん、私が泣かせた」
「えっへんじゃないでしょ。 いいから兄さんも茜もごはん食べなさい」
「はーい」
まるで智咲は母さんみたいだ。
「お、うまいよこのお粥!」
「うん、おいしー!」
「そ、そう? 卵とネギ入れただけの簡単なお粥だけど」
「いや、かなりいけるよこれ!」
「ちーちゃんいつでもお嫁に行ける」
「ああ、俺もこんなお粥作れるお嫁さんがほしいよ」
「な、何言ってんのよ兄さん! お、お嫁さんとか!」
「え? 陽兄のお嫁さんは私だよねー?」
「あ、いや……そういうことじゃなくてだな……」
「え、兄さんさっきの冗談なの? べ、別にどうでもいいけど……」
それから30分ほど修羅場が続いた。
「じゃあ兄さんはまだ誰のモノでもないということで……いいなお前たち?」
「うんそれなら。 べ、別に興味ないけど」
「はーい、いずれは茜のモノでーす」
 
いつの間にか俺がお嫁さんの立場になっているのは気のせいだろうか……
いや冷静に考えたらめちゃくちゃくだらない争いだったな……
「じゃあみんなでお昼寝しよー」
「そうね、私も眠くなっちゃった」
「ニヒヒ、みんなが学校で勉強してる中お昼寝する背徳感……」
「難しい言葉よく知ってるな茜」
「ニヒヒ、さっきドラマで言ってた」
「昼ドラなんか見るな……」
「ふわぁ、眠い。 ちーちゃん、陽兄、おやすみ〜」
「おやすみ、智咲、茜」
そう言って俺たち3人は眠りについた。
翌日になると俺の熱は下がっていた。
そして案の定と言うべきか、智咲と茜が風邪をひいていた……
目に映るのは果たしなく広がる砂漠……
照りつける太陽に身体の水分は奪われそろそろ限界に近い。
オアシスを求め、俺は今歩き続けている。
……あった! 砂漠の中唯一の水、唯一のオアシスが!
もう……我慢できない!
飛び込んでやろうじゃないか!
……………………
「陽兄〜、おっきろ〜」
お、重い……この重さはきっと茜が俺の上に……ああ、そうか。 さっきのは夢だったんだな。
……そろそろ起きるか。
…………あれ? 体が動かない…………
それになんだか体がポカポカするような……
「陽兄〜? 大丈夫?」
「……茜、俺のおでこ触って見てくれ……」
「ん〜? こーう? って熱っ!」
「……やっぱりな」
どうやら熱が出たらしい。
瞼が重いし、頭も痛いし、体が熱い。
「陽兄! お母さんに伝えてくるね!」
ああ……意識が遠のいていく……
後から聞いた話によると茜が母さんに俺の体調が悪いことを伝えてくれたらしい。
母さんはその後学校に欠席の連絡を入れてくれたんだけど……
父さんも母さんも仕事に行ってしまい、風邪の中独りぼっちと思われたが……
「こら茜、あんまり兄さんのそばにいると風邪うつっちゃうわよ!」
「ん~、陽兄にうつしてもらう~」
「何言ってんの、ほら兄さんにも迷惑かかっちゃうわよ」
「ん! はい! 私大人しい!」
「ん、よろしい」
愛しの我が妹たちの声が響く。
俺の額には熱さまシートが張り付けられ、気休めではあるが冷たくて気持ちいい。
茜か智咲かどちらかが張り付けてくれたのだろう。
「お前たち……ありがとうな……」
俺がそう呟くと茜と智咲は驚いたような表情を見せた。
「あぁ! 陽兄起きた~!」
「兄さんダメよ、寝なきゃ!」
茜は純粋に俺が起きたことに喜んでいるようだ。
智咲は俺の身体のことを心配をしてもっと寝ていてほしいのだろう。
お前ら……本当に可愛い妹たちだぜ!
「兄さん何泣いてんの? キモっ……」
「陽兄泣き虫さんだなぁ」
「……ありがとうなお前たち」
それより学校はどうしたんだと尋ねたいが、看病してもらっている以上それを聞くのは野暮だろう。
それにしても本当によくできた妹たちだ。
いつもは俺が面倒を見ている(つもり)のだが、今日はこうして妹たちに世話になっている。
少し照れくさいが兄さんは嬉しいぞ。
「じゃあ兄さんは寝るから、お前たちは自由にしててくれ」
「はーい、おやすみ陽兄〜」
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2時間後俺は目覚めた。
「あ、陽兄起きた!」
「おう、おはよう茜。 あれ、智咲は?」
「ちーちゃんならお昼ご飯作ってるよ〜」
「おー、そうなのか。 何から何まですまんなお前たち」
「陽兄、ちょっとこっち来て〜」
「ん? なんだ?」
 
茜に近づくと茜は俺のおでこに頭をくっつけてきた。
「ん〜、まだちょっと暑いなー」
ムーっとした顔をする茜。
「茜さん、風邪うつっちまうぞ」
「んー、陽兄にうつしてもらえるならいいよー」
熱さまシートを替えながらそんなことを言う我が妹。
「茜……お前……」
「もう陽兄やっぱり泣き虫だなぁ」
そう言って茜は俺の頭を撫でた。
うう……これがいわゆるバブみってやつなのか?
茜がいつもより母性的というか……
それに病人だからか甘えたい気分だ。
「兄さん、茜、ごはんできたわよー」
「ありがとうな智咲……」
「って、うわっ、また泣いてるし!」
「えっへん、私が泣かせた」
「えっへんじゃないでしょ。 いいから兄さんも茜もごはん食べなさい」
「はーい」
まるで智咲は母さんみたいだ。
「お、うまいよこのお粥!」
「うん、おいしー!」
「そ、そう? 卵とネギ入れただけの簡単なお粥だけど」
「いや、かなりいけるよこれ!」
「ちーちゃんいつでもお嫁に行ける」
「ああ、俺もこんなお粥作れるお嫁さんがほしいよ」
「な、何言ってんのよ兄さん! お、お嫁さんとか!」
「え? 陽兄のお嫁さんは私だよねー?」
「あ、いや……そういうことじゃなくてだな……」
「え、兄さんさっきの冗談なの? べ、別にどうでもいいけど……」
それから30分ほど修羅場が続いた。
「じゃあ兄さんはまだ誰のモノでもないということで……いいなお前たち?」
「うんそれなら。 べ、別に興味ないけど」
「はーい、いずれは茜のモノでーす」
 
いつの間にか俺がお嫁さんの立場になっているのは気のせいだろうか……
いや冷静に考えたらめちゃくちゃくだらない争いだったな……
「じゃあみんなでお昼寝しよー」
「そうね、私も眠くなっちゃった」
「ニヒヒ、みんなが学校で勉強してる中お昼寝する背徳感……」
「難しい言葉よく知ってるな茜」
「ニヒヒ、さっきドラマで言ってた」
「昼ドラなんか見るな……」
「ふわぁ、眠い。 ちーちゃん、陽兄、おやすみ〜」
「おやすみ、智咲、茜」
そう言って俺たち3人は眠りについた。
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