俺の幼馴染2人がメンヘラとヤンデレすぎる件

のりしお

呪いの絵再び……


  「雪くん、雪くん」

  「ん?」

  俺は美代に呼ばれたので振り向くと

  「はい、あーんして」

  え?もうカレー食べ終わったよね?何食べさせられるの?

  俺は恐る恐る口を開けた。

  「あ、あーん」

  あ、なんかちょっと幸せ。

  「はい、どう?美味しい?」

 そう言って俺に笑顔?を向ける美代。なんかすっごい興奮している様子なんだが……。

  口の中ではドロっとした甘いものが入り込んで来た。

  ……これってチョコかな?

  「うん、美味しいけど……チョコだよね?」

  「うん!今日で二つ目だね!わ・た・し・のチョコ」

  ちくしょうまたやられた!ありがとうございます!

 しまった!つい本音が……。

  ここでお礼をしてしまうあたり、俺は多分病気なのだろう。

  「そ、そう言えば本、読んだんだよな?どうだった?」

  すると美代は口元に人差し指を当てて、何かを考え始めた。

  「え〜っと、想像力が凄いな〜って思った、あんなに非現実的なことを書き続けるなんて……」

 おっとこれ以上喋らせるのはまずいのでは?

  「ちょっと待って!もっと簡単に簡潔に感想聞いてもいい?」

  「簡単に?えっと〜面白かったよ」

  「それはよかった……ははっ」

  危うく異世界もの書いてる人に怒られるところだったよ……。

  「美代さ〜んちょっと来てもらっても大丈夫?」

  美代は先生に呼び出しを食らうとまた後でねと言ってこの場を立ち去った。

  俺もしばらくあたりをウロウロしていると他の生徒は友達と楽しそうに遊んでいた。

  べ、別に羨ましいなんて思ってないんだからね!

  俺は原っぱにいたカエルを見ているとぴょんぴょん跳ねて逃げられてしまった。

  なんで逃げるの?俺はゆんゆんなの?

  もう悪魔が友達でもいいよ?だけどメンヘラとヤンデレは勘弁。

  その後、俺は1人ポツンと砂場の真ん中に立っていた。

 空は晴れて心地よい風を感じる……なんだかいろんな事を思い出すなぁ。

  昔……くだらない落書きのせいで志保と美代があんな性格になっちゃったんだよな……。

  もう一回書いたらどうなるんだろうか……。

  俺はその辺にあった適当な木の枝を手に取ると昔の記憶を脳に巡らせながら呪いの絵を再び書き始めた。

 サイズはそんなに必要ないので砂場の隅に小さく描き始めた。

  確かこんな感じだったかなぁ〜……全然思い出せない。

  適当に書き進めていると遠くから俺を呼ぶ声が聞こえて来た。

  「雪さ〜ん、何をしているのですか?」

  声の正体はユンだった。

 ゆっくりこちらに歩いてくる姿はお嬢様にそっくり、金色に輝く髪の毛は風になびきより一層幻想的なものを感じさせた。

  「ん、今ナスカの地上絵を書いてるんだけど……全然うまく描けなくてさ」

  こんな事してるなんてぼっちの鑑だな俺。

  「……そ、そうなんですか」

  うわっ、多分ちょっと引かれちゃったよ……。ギャルゲーだったらもうおしまいだよ、ゲームオーバーだよ。

 「こことここが少し違う気がします」

 ユンは俺の隣で中腰になると絵に指をさした。

 「ナスカの地上絵かけるの?」

 「ふふっ、まさか、なんとなくですよ違和感ってやつです」

  俺は最後の線を書き終えるとふと昔のことを思い出した。


 「うわぁ!眩しい!」

 「何も見えないよ〜」

 「雪くんが変なのかくから!」
 

  書き終えた途端、急に光り輝き始めたんだよな……これってデジャブ?

  この展開はまずいと思った俺は木の枝をその辺に投げ捨てると砂場から離れようとした。

 「えっ?ど、どうしたんですか?」

 「早くここから離れよう!何か嫌な予感がする!」

  すると、その絵は光り輝き始めその場にいた俺とユンはとっさに目をぎゅっとつぶった。

  「うわ!完成してたのか!?」

  「きゃっ!雪さんこれは!?」

 どうやら俺は再び描いてしまったらしい。

コメント

コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品