現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

決着

「ヘラクレスで王になるには国最強である必要がある!こいつはとんでもない強さだ。とにかく動きまくって撹乱しろ!互いをフォローするんだ」

国最強……さすが武装国家だ。王に必要なのは器じゃなくて強さか…

「行くぞ……邪神徒よ」

その言葉が聞こえた時にはすでに、武王は視界から消えていた

「ジャンヌ!横だ!」

「!…シールド!」

ジェノの声のおかげでなんとか反応出来た……左手の義手の小手には魔力を板状に放射して盾にする機能が付いている。また義手に助けられたな

「速すぎる……」

移動という次元ではない。最初から全ての位置に存在してるかのような……そんな動きだ

「こいつの動きを完璧に捉えられるのは三眼のある俺だけだ!俺の指示に従え!」

こんな時にクロノスが居ないなんて……

「我が軍を退けた死業之衆カルマとやらはこの程度か?……俺1人で始末出来てしまうぞ」

また武王の姿が消える

「……他愛もない」

武王は元の位置へと戻っている……何をした?

「あひゃ」

その時、背後で聞きなれた声が聞こえ……振り返ると

血に塗れたアイギーナが倒れていた

「アイギーナ!」

「その娘、なかなかやるな。俺の最速に反応しかすり傷を負わせた。評価に値する」

確かに、武王の右腕には浅く傷が付いていて少しだけ血が流れている

「てめぇ!人類史にも残らねぇくらいにバラバラにしてやる!……英雄兵装レベル99!」

アイザックは激昂し、魔法を発動する

「アイザック!落ち着け!さっきのは俺にも見えなかった!対策を……」

アイザックの耳にはジェノの声は届かない。そのまま、武王へと向かって行く

「この場において冷静さを欠くとは……未熟としか言いようがないな英雄狩ヒーローハンター……」

武王の薙刀がアイザックの首に向かって振り下ろされる……誰もそれに反応出来ない

と思われた…

「なにっ!?」

「あぁん?」

アイザックの首に刃が触れる瞬間、2人の間に何か……いや、誰かが割り込んだ

その手に持たれている漆黒のダガーは確実に武王の薙刀を止めていた

その人物の声が高らかに響く

「やっぱり……武王って言うんだから脳筋で間抜けなんだね……あっひゃひゃひゃ!」

……
………
…………

「貴様……確実に息の根を止めたはずだが?」

なるほど……アイギーナはこれを狙ってたのか……分身を使って

「武王ゼノム……血を吸った私は最強……貴方を救済して、幸せにしてあげる。あひゃひゃひゃあ!」

凄まじい速さで斬り合いが行われている。まともに視認することは難しい……アイギーナはゼノムを血を吸った事でゼノムの動きを完全に網羅している

「アイザック、ジェノ、今からアイギーナも合わせて3人に強化魔法を掛ける!多分強化魔法30倍なら、武王の動きにも付いていける」

ジェノは獣人だし、三眼もある。アイザックは英雄兵装を使ってるから、それに強化魔法かけて3対1なら武王にも勝てる

「よし!基本はヒット&アウェイを心がけろ」

「こいつは俺が仕留めてやらぁ」

戦いはさらに激化する

……
………
…………

「しぶとかったねぇ……この肉ダルマ」

数分後、武王ゼノムは体の至る所から血を流し、倒れていた

「はっ!さっさと殺すぞ…もう虫の息だ」

アイザックが剣を振り上げる

「ふ……ふははははは!間抜けは貴様らだ、邪神徒……我が軍はもうすでに撤退し…俺も死にかけ……だが、俺は目的をは果たした!」

「あんたの目的って何だ?世界征服……とかじゃなかったのかよ」

「時期に分かる……我が神の言葉を聞いてなぁ……」

「うるせぇ」

ゼノムが言葉を言い切る前にアイザックが剣を振り下ろす

「何やってんだよ……情報聞きそびれちった…」

「こいつは敵にわざわざ情報くれてやる程優しくはねぇよ…」

俺たちの使命が1つ……果たされた





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