現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

一触即発

ジャンヌ達が兵士だけでなく、支配下に置いた魔物までもを退けつつあるという報告を聞いた大男は小さく呟いた

「ことごとく……潰される……邪神とはいえ、さすがは神の遣いだ」  
 
大男は立ち上がり、そばに置いてあった薙刀を手に取る

「まだ時間が足りない…俺が出るしか無いようだな」

「王よ!お待ちになってください!まだ魔物が負けるとは限りません!」

側近と思われる男は主人であり、王である大男を止める

「止めるな……我々の目的は戦争ではない・・・・・・。目的のために果てるというなら……それ以上の誉れはなかろう」

側近の男は主人を止めることは出来ず、大男は1人戦場に向かい……歩く

……
………
…………

「ここら一帯の魔物はすでに我が手中だ。どうする?ヘラクレスにけしかけるか?」

そうか……完全に支配下に置けばそういう事もできるのか

「やめとけ、お相手さんはもう撤退ムードだ。元の数が多いから未だに戦況が互角に見えるが、指揮官を狩られた上に魔物まで無効化されたんだ。戦意を喪失した兵に追撃するこたぁねぇよ」

「ジェノの言う通りだな…ファントム、元の場所に返してやってくれ」

勝利はしたけど……今回はディラン側の死者も多いだろうな……

「おいジャンヌ!なにボサッとしてんだよ、さっさとゼノムのとこ行くぞ!」

「アイザック、ディルヴァの背中に居たんじゃなかったのか?」

「なんか知らねぇけど、クロノスが行かなきゃならねぇところがあるとか言って足として連れてっちまったよ」

行かなきゃならないところ?

「あひゃひゃひゃ…私も降ろされちゃったぁ」

アイギーナもか…

「………クロノスが居ないのは不安すぎるけど、もうヘラクレス軍は撤退を始めてるし……俺たちだけでゼノムのところに行こう」

大丈夫……戦力は揃ってる。勝てる筈だ

その時、空から何か塊のようなものが落下し、粉塵が上がる

「よい…貴様らがわざわざ出向く必要など無い……俺はここに居るからな」

体長は2m以上あるのではないかと思われる大男、筋肉質で右手に巨大な薙刀を持っている

状況……セリフ……この殺気……間違いない

こいつが……

「武王………ゼノム…」

死神と武王の戦いが始まった

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