現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

擬似死神VS擬似英雄

英雄兵装……取り込んだ英雄になるであろう人物の因子を体に纏い、能力を飛躍的に上昇させる魔法だ

「これで対等だな?」

対等とは言ったが実際は俺の方が強いはずだ。クレア・スペルヴィの英雄因子77は驚異的な数値。たとえこいつが英雄因子99でも俺には宝具が3つある……俺の方が優位だ

「……来ねぇのか?だったら俺から行くぞ!」

存在を希薄にする宝具は効果がないとわかった今、実質的に通用するのは2つ。あの鎌相手に近接は良くないが、接近戦しかないだろうな

……
………
…………

「はぁ…はぁ………なんで、俺が……」

ソウルメルトの残り時間は1分30秒くらい……そろそろ決めないとな

「俺は今!英雄になってるんだぞ!宝具も使ってる!足が早くなる宝具!触れるだけで細胞を破壊する宝具!なんで効かないんだよ!?」

最初に俺の攻撃が当たった時点でステータスが下がってたみたいで、最初ほど強くなかったな……50%減ってところか?鎌強すぎ。それに細胞を破壊する宝具なんて怖すぎるが、この鎧を貫通できなかったみたいだな……

時間もない、ここまで弱らせれば確実に発動できるだろう

「我は死を終わりと考える」
「人の世に生を成し消える」
「憤怒を抱く事それ即ち感情」
「冷静を欠く事それ即ち感情」
「人は心に囚われ死なずして終わらない」  

「ソウルバスター」

空中に無数の火の玉のような青い塊が浮かぶ、それらはまるで命のように揺らめき、生なき霊のように漂う

「発動の条件がネックだけど、当たれば即死……さようなら」

無数の火の玉は生命にすがるように男に向かっていき、男の体を蝕む。男の体が燃えるように、溶けるように、消えていく

「あ、あは……あははははは!」
「おいおいおいおい!俺が終わるのか!?」
「俺はお前みたいな殺人好きのサイコパスとは違う!」
「俺は死なない!死ねない!最高の英雄を見るまで!」
「狂ってる?そんなわけない!やめろ!俺に指図するな愚妹が!」
「俺はお前じゃない!血にしか興味を示せない欠陥品じゃない!俺は完成してる!」
「あの方の最高傑作は俺だ!俺なんだ!」

男はまるで何かに取り憑かれたようだ…

「なにが……見えてる……?」

「今日こそが歴史の分岐点だ!」
「俺こそが歴史の体現者であり、全ての英雄の生みの親だ!」

男の体は消え続け……消滅が頭に差し掛かる

「あぁ……終わりなんて来ない」
「今日は人類史的に……最低だな」

男は完全に消滅する

気持ちの悪い勝利だ………

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品