現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

勝利を少しでも信じたやつは大体フラグが立ってる

「ジャンヌさーん!」

アルカさんが俺に飛びついてくる。戦後処理で宗教国家ロキに残っていたエリックさん達が帰ってきたのだ

「無事じゃったか、ジャンヌよ」

「まぁジャンヌがそう簡単にどうこうなるとは思ってなかったけどな」

「エリックさんもヘビさんも無事そうでなによりです!…………それよりその方は?」

見たことのない女性がエリックさん達と一緒に帰ってきた。エリックさんの弟子の1人かな?

「話せば長いんじゃが……」

「私は旅の剣士キリナ・シラヌイ!ディラン王国勇者ジャンヌ・アルデバラン殿、私と決闘してください!」

……
………
…………

キリナ・シラヌイという名前を聞いて、俺は転生者かと思ったがそうではないらしい。どうやら真の勇者と言われる勇者シンヤの子孫らしい……なるほど日本人らしい名前だ

「それで……なんで私と決闘を?」

「私は勇者の聖剣には選ばれなかった……いえ、シンヤ様を除いて私の一族はただの一度も聖剣に選ばれたことはないのです。それだけなら私の一族は優秀な剣士がたくさん居るので国に貢献しているのですが……」

優秀な剣士がたくさん居るなら別に国に居づらいなんてことないだろ?

「私は落ちこぼれなのです……私は人々からポンコツ剣士と呼ばれているのです。私はその不名誉な称号を二度と口に出来ないように…聖剣に認められるように武者修行しているのです。そのため各国の強者に戦いを挑んでいます」

「なるほど……」

ポンコツ剣士か……それは不遇だな……

「でしたら、勇者の聖剣を持つクレイさんの方がいいのでは?」

「あの方は苦手なんです……特に聖剣に認められたあたりが」

以外と嫉妬心が深いな!

「ジャンヌよ、受けてやってはくれぬか?キリナ様には戦後処理で世話になったのじゃ。お礼をと言ったら、勇者と戦いたいと言われての」

まぁ………エリックさんが言うなら……

「決闘じゃなくて、あくまで試合ですからね……」

はぁ……俺はあんまり戦闘は好きじゃないんだけどな

……
………
…………

「じゃあ、この訓練場の中で戦って相手を戦闘不能にするか明らかな勝ちを示した方が勝利って事にしましょう」

まぁ試合のルールはこんなところが妥当だよな

「了解です!それで問題ありません!」

「じゃあエリックさん、初めの合図と審判お願いします」

さてポンコツ剣士って呼ばれてるとはいえ、武者修行なんてしてる上に勇者シンヤの子孫だ。そこらへんの冒険者と同じレベルに見てると痛い目見そうだ…

「では、初め!」

エリックさんの合図とほぼ同時に俺は様子見として2つの魔法を発動させる

「強化魔法50倍」
「強化魔法超硬化」

「全力で行きます!」

キリナさんが抜刀する剣が俺の頬をかする……思ってたより速い。それにこの剣は刀か?

このままだと勝てなさそうだな

「強化魔法120倍」
「反転弱化」
「ソナー」

まずは全開の強化魔法、そしてお決まりの反転弱化、さらにキリナさんの刀を中心に探知魔法を使用する事で動きをある程度予想
ストップムーヴやハイパーグラビティを使用してもいいが、これらは複数人を相手にする時に使用した方が効果が大きいし、反転弱化と違って既存の魔法なのでレジストされる可能性がある。これが俺の全力だ!

「くっ!」

押してる!このまま行けば近接格闘で勝てる

「さすが勇者……私も死力を尽くします!」

あー、これはフラグだったかも……


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