現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

幸せな家庭

「父様、どうすれば父様みたいに強くなれるの?」

我が息子ながら、小さい頃の僕に似てるな

「いきなりどうしたんだい?ベリアルちゃんに負けてしまったのか?」

「うぅ……」

「僕もクレイと同じくらいの歳の時は悩んだよ。何度やってもクレールに勝てなくてね」

あの時からクレールにはボコボコにされてたな……若干今もだけど……

「父様が?」

「僕はこの国の勇者だし、君から見たらクレールはただの母親だけど…本当はものすごく強いんだ。元は第二騎士団の団長だったし」

色彩魔女カラフルマジシャンなんて呼ばれてたな

「悩み続けていたけど、結局最後まで勝てなかったよ……でも、今はそれでいいと思ってるんだ」

「どうして?」

「大切な人に勝つ必要なんてない……って事かな。好きな人に勝つよりも好きな人を守りたい。それに、男なら女性の全てを受け止めないと」

クレイは難しそうに首を捻っている

「まぁ、まだ分からないかもしれないけどいつか分かるよ。さて、じゃあ少し手合わせしようか?」

「する!」

結構好戦的な子に育ってしまったのかもしれない……ここら辺はクレールの息子だね

……
………
…………

「母様」

「ん?どうした?クロウ」

「勉強で分からないことがあるんです」

クロウは我が息子ながら非常に真面目だ。私はこんなに真面目じゃないからグレイスに似たんだろうな

「どれ、見せてみろ」

「これなんですが……」

………………なんだこれ?最近の子供はこんな事まで勉強するのか?……こんな高度な計算、商人じゃないと分からないんじゃないか?

「ちょっと待っててくれ!」

分からない……と言っても私は母親だ!かっこ悪い姿は見せれない。グレイスに聞きに行こう!

……
………
…………

「グレイス!この計算分かるか!?」

「どうしたの?またクロウの質問が分からなかったのか?」

「…………い、いや違う。これは私の純粋な興味による質問だ。答えろ」

グレイスは即座に解いて答えを教えてくれる。おかしいな……私も国立騎士育成学園を卒業してるんだがな

「母様、分りましたか?」

おお!ナイスタイミングで来た!

「分かったぞ!答えは…」

なんとか、頼り甲斐のある母のイメージを崩さずにすんだかな!

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