現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

裏話。シェストの受難

目が覚めたら、知らない場所だった。俺は戦場に居たはずのに………

「なんでこんなところで寝てるのー?」

寝転がってる俺の頭上に可愛らしい魔族の女の子が現れる

「………お嬢ちゃん、ここはどこだか分かるっスか?」

「んー、ここはエルマ村だよ」

エルマ村……?聞いたこともないな……とりあえず、状況を確認しないと…

「お嬢ちゃん、大人がいるところに連れて行ってもらっていいっスか?」

……
………
…………

なんか……俺にはもう何がどうなったのかよく分からない。聞いたところ、ここはオリエンス大陸…ファーライル帝国の北端にある村らしい……

俺のいたディラン王国とはかなり離れている。馬車や船を駆使しても3ヶ月はかかる距離だ。とはいえこうなってしまってるので仕方なく、徒歩で帝都まで移動している

空を飛ぶ魔族を見て思う。

「俺も空を飛べたら、すぐに帝都に着けるのになぁ…」

俺はひたすらに歩く

……
………
…………

俺がこの大陸で目が覚めてからもうすでに3週間が経っている。本当は街で馬車にでも乗れれば早く帝都に着けたんだけど、この大陸で使われている通貨を持ってないから魔物を狩ってはお肉を食べて、また歩く。という若干の地獄を味わっていた……

「止まれ!!」

「えっ?」

なぜか止められてしまった

「貴様……人族のようだな…悪魔と関係している可能性があるな」

「うぇっ!?俺は悪魔なんかじゃないっスよ!門番さんだって俺のこと人族って今言ったじゃないっスか!」

「2週間ほど前に、人族の姿をした悪魔が街の結界を破壊し、冒険者や騎士を軒並み吹き飛ばして行ったんだ……お前には一度聖水を浴びてもらう」

今から貴方をびしょ濡れにしますね。と宣言されたが、帝都に入るためには素直に浴びなきゃならなそうなので我慢だ…

「………よし、では帝都に入る料金として銀貨1枚を支払ってから帝都に入ることを許可する」

!?!?

え………今までの街はそんなの無かったッスよ…

「払えないのか?ならばどこかで稼いでからまた来るんだな」

1番近くの街でも歩くと2日は必要だぞ………

マジか……

……
………
…………

俺って……本当に不幸だ。そう思いながら、俺は歩く

「現代知識で異世界無双したかったよ……」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く