現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

ミーティング

セディンと再開した後日、第二騎士団はミーティングルームに全員集められていた。

「よし、全員居るな」

ベリアルさんとシェスト君がミーティングルームに入ってくる。

ミーティングなんて初めてだな

「早速だが本題に入らせてもらう。これはまだ一般には知らされてない事だ。2週間ほど前に宗教国ロキが大陸中の国、12カ国に宣戦布告した」

それを聞いた騎士団員たちは驚きを隠せないでいる。

戦争か……元の世界にもあったとは言え、俺は平和ボケした日本人だぞ…

「もちろん、ロキ側も12カ国を同時に相手して勝てるとは思ってないだろう。1国ずつ征服する長期間にわたる計画だ。そして、もしロキが最初に狙うとしたらディラン王国か魔国セイレーンだ」

なんかみんな「確かに…」とか言ってるけど全然狙われる理由が分からねぇ

「密偵からの報告によれば奴らはもうすでに進軍を開始している。位置関係を考えればディラン王国を通過して魔国を狙うというのは非効率だ。ほぼ確実にディラン王国に来る。俺たち第二騎士団は遊撃部隊として戦争に参加する」

マジで戦争参加するのか……

「シェスト、部隊編成について説明しろ」

「はいっス、まず……」

こんな感じでミーティングは進んでいった

……
………
…………

「これでミーティングは終わりだ。ロキの進軍速度を考えれば、戦争開始は約2週間後だ。だがいつでも戦えるように準備を整えておけ。解散!」

各自ミーティングルームから出て行き、部屋に残ったのは俺とベリアルさんとシェスト君だけだ。

「やっぱり不安か?ジャンヌ」

「はい……戦争なんて…」

この世界に来て人の死を何度か見た事がある。アスカがユキトを殺した時も俺ら間近にいた。クレア様が黒竜の男を消し飛ばしたのも見た。でも俺は……俺は人を殺せるのか?

「大丈夫っス。俺たちは殺すために戦うんじゃないっス。俺たち騎士団は守るために戦うっス」

シェスト君……

「ジャンヌ…俺はお前に素質があったから入団を許可した。それはあくまで騎士としての素質だ。人殺しの素質じゃない。それに…戦争ってのは死体が増えるより、怪我人増える方が負担がでかい。胸糞悪りぃ話だけどな。だから無理して殺す必要はねぇよ」

う、うん

「ベリアルさん、言い方考えてくださいっス」

「うぇっ!?なんか悪かったか?」

「ふふっ」

思わず笑ってしまった

「なに笑ってんだよ!ジャンヌ」

戦争なんて本当はしたくないが、この人たちを、仲間を守るために頑張ろう。




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