現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

クレイ視点。デレた!ジャンヌがデレた!

僕はこれでもディラン王国第一騎士団の団長だ。日々書類仕事が忙しい。

でも最近は憂鬱な朝も楽しみなことがある。毎朝ジャンヌさんが兵士たちにお弁当を配る仕事を手伝ってくれている。今日こそはランチに誘おう。

がちゃ

「おはよう!ジャンヌさん!毎朝貴方の美しい姿が見れて僕はとても幸せさ!そして僕は貴方と食事を一緒に出来たらもっと幸せになれる。後悔はさせない。まずはランチからどうですか?」

がちゃ

無慈悲にも扉は閉められる。

でも諦めてはいけない。亡き父さんも母さんと結婚するために必死にアプローチしたと言っていた。

「いきなり扉を閉めるだなんて、シャイなんだね。ジャンヌさん」

「ひっ」

全力の速度で扉を開けて来たから少し驚かせてしまったかもしれない。

「ランチの件どうかな?僕はそれなりに忙しい身だけど、ジャンヌさんがOKしてくれたらいつだって予定空けますよ」

「クレイさん、私は今王国内でも微妙な立場ですし、記憶もないのでその事についてはお答えしかねます」

確かに……僕は自分の気持ちを優先して、ジャンヌさんの事を全く考えていなかった……

「そうですか……それは残念です。ではまた今度の機会に」

本当に残念だけど、ジャンヌさんの事を考えたら仕方ない。
落ち着いてからまた誘おう。

「ご、ごめんなさい」

なんでジャンヌさんが謝るのだろう?優しい人だな。

「いえ、ジャンヌさんの言う通りですから、記憶を失われて間もないのにこの様に誘われたら困ってしまいますよね」

ジャンヌさんがなぜか動揺している。なぜだろう?

「それでは、執務に戻りますね。ジャンヌさん、お弁当ありがとうございます」

「あ、あの!」

ん?

「わ、私のことはジャンヌでいいですよ。私はお世話になっている身ですから、呼び捨てで構いません」

僕は天にも昇るような気持ちになった。

「僕は嬉しいよ!ジャンヌ!これで今日も頑張れる!」

「あ、あはは、ガンバッテクダサイネ」

なんかそこはかとなく棒読みな気がするけど、そんなことはいい。

僕とジャンヌの仲が一歩前進したと思う!

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