現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

精霊王現界

「団長……お客様がいらしてます……」

ライラが顔を青くしてる。

「どんな重役さんが来たの……?」

ライラが顔面蒼白で僕のところに来るときは大体すごい人が来たときだ

「それが……精霊の王様らしいです」

は?

……
………
…………

「それで、フォルセティ様はどういった経緯でここに?」

「君はクロノスが引き起こした事件を止めてくれた1人じゃったな。わしはあの事件で精霊たちは人間に対してあまりに無知だと痛感させられた…
あの場でアルラウネのみがクロノスと人間たちに正面から向き合った…わしは王として情けない」

この人の言うことは概ねその通りとしか言いようがない。
人間も過去の大戦を忘れ、精霊たちの存在を御伽にしようとしてる。

「ゆえに、我ら精霊は人間を知ろうと思ったんじゃ…昔にアルラウネから君の母クレールのことは聞いておったから、ここに来たんじゃ」

なるほど、母さんのことを知ってここに来たのか…唯一エレメンタルフォレストに行った人間だから、知ってるか

「では、具体的にどう人間を知ると?」

「わしは王ゆえに長くエレメンタルフォレストを離れるわけにはいかん。
人間たちの世界に精霊の広報担当者をしばらく滞在させる。そこで人間のことを調べてもらうのじゃ」

……
………
…………

最終的に3日後に広報担当者がここに来るそうだけど……

「団長、どうなさるのですか?」

「人間たちの事を分かってもらうなら、騎士団の待機所に居なきゃならない僕に世話役は務まらないよ」

本当は自分の仕事を押し付けるようなことはしたくないけど……

「仕方ないから、アルラウネとジャンヌに頼むしかないね」

……
………
…………

「というわけだわから、どうにか頼めないかな?」

「いいですよ。アルラウネが言うにはいい人らしいですし」

アルラウネは精霊としての力を失ったので植物を操れるただの人になってる。
正確には人型植物だけど

「広報担当者なんてヘルメスしか思いつかねぇからな。あいつは新しい物を知ることに貪欲なやつでいつも俺に人間たちの世界について聞いてきたぜ」

「その人はアルラウネみたいにこっちに来たりしないの?」

「あいつはエレメンタルフォレストでは結構なお偉いさんだったからな。仕事が忙しかったんだろうな」

アルラウネは見るからに暇人っぽいよな

「おい、勘違いするなよ。俺だって元だけど一軍の将だったんだよ?」

「嘘!」

「本当だよジャンヌ、今じゃ暇人のような風貌だけど…昔は鎧とか着てたんだ」

アルラウネも結構なお偉いさんじゃんか……

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