現代知識で異世界無双したかったよ……

リン

兄妹は大体仲が悪いと言うけれど兄弟も大して仲良くない

俺はアルデバラン家の養子になった。不本意ながらクレイの妹になったのか?とはいえクレイは求婚をやめない。勘弁してほしいぜ。
今日はクレイの兄貴、クロウ・アルデバランさんに正式な挨拶に向かう。

またドレスだよ。布地は多いけど、スカートを履くのは元男としては露出狂みたいな気分になる。

そんなことを考えながら馬車の窓から外を見ているとエリックさんの家にも負けず劣らずな豪邸が見えてくる。

「着いたよジャンヌ」

着いちゃったのか………仕方ない、覚悟を決めよう。

「ついてきて、兄のところに案内するよ」

言われるがまま、クレイの後ろについていく
メイドや執事がやばい人数出迎えていることから、クレイは人望があるのだろう。

そうこうしてると重厚な両開きの扉の前に着く

「兄さん、クレイだ。入るよ」

そうクレイが言って扉を開ける

高級そうな執務用の机に手を置いた優しそうな人物が座っていた。

「久しぶりだね、クレイ。最近も忙しいのか?仕事なら仕方ないと思うが週に一度くらいは家に帰ってきなさい」

「ごめんね兄さん、僕も今では騎士団の要職に就いてるから自分の思うように時間が作れなくてね。それより、話していた養子の件の挨拶に来ました」

そうクレイが言うとクロウさんは俺の目の前に立ち、ジロジロ見てくる。

「うん、可愛い子だね。僕はクロウ・アルデバラン、今日からは君のお兄さんになるから気軽に呼び捨てや兄さんと呼んでくれて構わないよ」

めっちゃいい人だし、良識的だ。クレイとは違うな

「初めまして、ジャンヌ・ダルクと申します。これからよろしくお願いします。お兄様」

この人はお兄様と呼ぼう。お兄様すごい頼りになりそうだし

「いいね。クレイのような弟もいいけどジャンヌのような妹も欲しかったんだ」

「ジャンヌ、僕のこともお兄様と呼んでもいいよ」

「挨拶の途中ですからクレイさんは黙っていてください」

クレイが絶望したような顔をしているが、クレイを兄貴と呼ぶ気にはなれない。

「うん、兄妹の仲が良いってのは素晴らしいね」

クロウさんは優しい笑顔が眩しいな。

「ではジャンヌ、これからはジャンヌ・アルデバランと名乗りなさい。あとエリックさんのところで暮らしているという話だけど、週に1度くらいはクレイと一緒にこの家に帰ってきなさい」

ふむ、修行があるけど週1ならいいか
異世界生活いろいろ大変だけど、良いこともあるよな

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