時代を越えてあの人に。~軍師は後に七人のチート家臣を仲間にします~
勘助ちゃんの策略こーざ。
「それでは、宜しいでしょうかな?皆様」
早速初めに喋りだす本日の司会担当、山本勘助さんがお送りする今日の番組は~。
「勘助ちゃんの~さくりゃくこーざー!」
「がーっはっはっは。やって参りましたぞ、ようやくやって参りましたぞ!私がメインとなる物語が!」
「いやいや誰もそんなこと言ってないから。ねぇ主役の座とかあげないよ」
「いやいや相良殿。先ほど1文と言う格安の値段でしゅやく・・・む、なんでしたかな?とにかく紙切れを買い取ったのですぞ!!」
そう言うと、勘助は天井に向けて買い取ったという紙切れを見せびらかした。
そこには大きな文字で「しゅやくけん」と、まるで字を書いたことのないような子が書いた、辛うじて読めるレベルの字が書かれていた。
「ええええ!?今時の主役って、金で交代なんてのは常識なの!?しかもそんな紙切れ一枚でえ!?えええええ!!!???」
「がーっはっはっは。シリアスな回から突然ギャグ小説回と化すんだから、私も飛んだ感じでござる!ささ、とにかく皆に分かりやすく今回の川中島の作戦について説明していくでござる」
勘助はそう言うと、晴信が持っていたはずの軍配を右手に持つと突然出現した北信濃一帯の地図を壁に貼り当てた。
「すべての始まりは、ここにいる相良殿から始まりなのよ!」
「え、ええぇ!?ちょ、なんでさ?」
突然俺から始まったと言われてしまったので、眉を潜めて驚いた顔をして勘助を疑う。
「今川義元を破ったのはお主だからじゃ。実はこの頃、長尾景虎は室町幕府より、関東菅領の地位を認定され、東国統一を企てていた北条家を滅ぼす大義名分を得ていたと言うわけよ。長尾景虎の志道は『義』あの男は、決して悪知恵を使わず、正義の為、助けを求められればすぐにでも駆けつけ戦う女子なのだ。話的には関東勢に助けを求められた、だから攻めた訳よ」
室町幕府、どういう幕府でどういった組織作りなのか分からず仕舞いなのでノーコメント。
この戦の口実の説明は続く。
「攻めるに攻めた景虎は、北条氏康を遂に小田原付近にまで突入していった訳よ。いやー、これを聞いたとき私も驚いたもの。北条がそこまで押されるとは、長尾景虎は神の子なのか・・・とな!」
実際に、長尾景虎こと上杉謙信は自分を毘沙門天の化身だと自称してたらしい。人々は本当に化身だと恐れたそうだけど、実際にどこまで凄かったのかはまだよくわからない。
「でもさ、それを聞いてるところだと織田が今川義元を討ったって話、全く関係ないように聞こえるけど」
勘助の話を聞いていると、織田と今川の戦は全く関係の無いように聞こえるのも、また間違いではない。とすると、ただ俺を落ちに使いたいだけだろ・・・?
「がーっはっはっは。それはそれは、全く持って本当の話よ。結局、武田と今川、北条は三国で同盟を結んでいた訳よ。そこに織田が介入して今川を討ち、その隙を見て長尾家が攻めてきたとなれば、全く関係無いとは言えない。寧ろ大有りよ。お主らはこの戦の引き金となっているのだからな!」
その節は誠に申し訳ありませんでした、と一礼して謝った。
それが関係してくるのであれば、織田が7割くらい悪いと思うから。
「でっでも、それでは完璧に、織田が悪いみたいな、言い方に・・・な、なっちゃいますよ」
すると、横から首を出すと勘助の言葉に歯止めを掛けるかの如く登場するのは・・・。
「あ、えっと・・・高坂弾正です・・・」
と、そわそわしながら緊張して登場したのは昌信。
何故、昌信が出てきたのか、疑問に思っていると・・・。
「そうそう、実はこの作戦を一緒に考えたのは私だけではないのよ。実は信房も一緒でな」
「そ、その信房様は、今戦支度で忙しいので・・・そ、その場にいた私が・・・代わりに・・・」
あー、そう言うことですか。納得。
「さーて、どこまで話したか・・・。あぁ、そうじゃ。引き金となっているという話か。実はこの海津城、先月出来た城でな、長尾家に対抗するために作ったのよ。北条から頼まれては仕方がないものよな~」
ふわふわ~と浮いた感じで説明していく勘助。
要するに、うちが義元を討った(飽くまでも)のが後押しとなって、関東管領と言う「関東あげるよ~」っていう朝廷の命令によって景虎が関東を攻めたと。で、関東を治めていた北条家って言うところが武田に助けを求めて今に至る・・・と。
ふむふむ。まーったく分からん。
「・・・なんだ、全く分からないような顔をしておりますな、相良殿!」
「うーん、なんだかよくわからない方向を考えていてしまった気がする。と言うか、何が言いたいんだか自分でも分からなくなってきた・・・」
「お、お水でも・・・お持ちしましょう・・・か?」
俺の頭がどうなっているのか知ったことではないが、沸騰しているように見えた昌信は優しく接してくれる。
「い、いや。大丈夫」
大丈夫じゃないけど、心配してくれてる子を安心させんねば男じゃない気がしたので、言ってみる。
「そ、そうですか。なら・・・いいのです・・・」
ん、ちょっと悲しそうな顔している気がするけど気のせい?
「がーっはっはっは、昌信殿は本当にお優しいですなぁ。流石は晴信様に叩き込まれているだけありますな!あ、相良殿、私道趣味と言うわけではありませんからな、勘違いしないでくだされー」
これを読んだ読者様は察しが付くの?さっきから話が一向に読めないんだけど、どういう・・・こと?
「・・・う、ぎょ、りょ・・・はい。」
「うむ、ところで相良殿。啄木鳥はどうやって虫を食べる?」
勘助は突然話を変えると、啄木鳥の狩りについて、俺に問いたてる。
「えっと・・・木をつつく・・・よな?」
うろ覚えだが、いつぞや理科の生物分野にてそのような勉強をした覚えがある。
確か木をつついて驚かす、だったような。
「うむ、その通りだ。啄木鳥は餌を獲るとき、木の反対側をつついて虫を驚かそうとする。虫は必然的に穴から出なければなるまい。そこを捕らえて見事に討ち取るのが、啄木鳥のやり方だ」
ふむふむ、過酷な自然界で生きていくためには食物連鎖の名の下、例えばライオンは他の動物を狩り食べていく。啄木鳥もそれは同じなのだ。なんか、良いこと学べた気がするよ。
「今回、その啄木鳥のやり方を真似て、遂に私は啄木鳥戦法を発案したと言うわけじゃ!がーっはっはっは。これで景虎は手も足もでまい!」
あっさり作戦名と内容を発表した気がするけど・・・え、そういう作戦だったの?
「え、そういう作戦なの?」
「勿論、のぉ、昌信殿?」
「は、はいっ。長尾軍は、お、およそ1万の軍勢で、妻女山に陣取っております・・・。現在、我が軍が茶臼山からの狼煙を上げ終わり・・・な、長尾家の動きは、既に筒抜け。ぜ、善光寺から、長尾家に対しての・・・補給路も遮断いたし・・・ましたし、戦支度さえ整えば、いつでもこの海津から出ることができ・・・う、討ち取ること・・・ができ・・・ます・・・」
と言うことは、いつでも長尾景虎を討ち取ることが出来ると。
流石は天下に名を残した武田家!これできっと川中島は勝てるだろう!
「いやー、聞いててなんとなく分かりました。いやー為になりましたねーありがとうございます、勘助さん」
「がーっはっはっは、これで私は主役抜擢!川中島においての戦いで勝ち取れば、誰も私をバカに出来なくなるぞ!!がーっはっはっは、がーっはっはっは、がーっはっはっは!!」
この後起きる、川中島の戦い。
山本勘助の運命とは、儚く虚しく切ないものであった。
彼女は、その自分の運命を今この時知っていたのであれば、どんな行動をとっていたのだろうか。
それは誰も知らないこと・・・。
早速初めに喋りだす本日の司会担当、山本勘助さんがお送りする今日の番組は~。
「勘助ちゃんの~さくりゃくこーざー!」
「がーっはっはっは。やって参りましたぞ、ようやくやって参りましたぞ!私がメインとなる物語が!」
「いやいや誰もそんなこと言ってないから。ねぇ主役の座とかあげないよ」
「いやいや相良殿。先ほど1文と言う格安の値段でしゅやく・・・む、なんでしたかな?とにかく紙切れを買い取ったのですぞ!!」
そう言うと、勘助は天井に向けて買い取ったという紙切れを見せびらかした。
そこには大きな文字で「しゅやくけん」と、まるで字を書いたことのないような子が書いた、辛うじて読めるレベルの字が書かれていた。
「ええええ!?今時の主役って、金で交代なんてのは常識なの!?しかもそんな紙切れ一枚でえ!?えええええ!!!???」
「がーっはっはっは。シリアスな回から突然ギャグ小説回と化すんだから、私も飛んだ感じでござる!ささ、とにかく皆に分かりやすく今回の川中島の作戦について説明していくでござる」
勘助はそう言うと、晴信が持っていたはずの軍配を右手に持つと突然出現した北信濃一帯の地図を壁に貼り当てた。
「すべての始まりは、ここにいる相良殿から始まりなのよ!」
「え、ええぇ!?ちょ、なんでさ?」
突然俺から始まったと言われてしまったので、眉を潜めて驚いた顔をして勘助を疑う。
「今川義元を破ったのはお主だからじゃ。実はこの頃、長尾景虎は室町幕府より、関東菅領の地位を認定され、東国統一を企てていた北条家を滅ぼす大義名分を得ていたと言うわけよ。長尾景虎の志道は『義』あの男は、決して悪知恵を使わず、正義の為、助けを求められればすぐにでも駆けつけ戦う女子なのだ。話的には関東勢に助けを求められた、だから攻めた訳よ」
室町幕府、どういう幕府でどういった組織作りなのか分からず仕舞いなのでノーコメント。
この戦の口実の説明は続く。
「攻めるに攻めた景虎は、北条氏康を遂に小田原付近にまで突入していった訳よ。いやー、これを聞いたとき私も驚いたもの。北条がそこまで押されるとは、長尾景虎は神の子なのか・・・とな!」
実際に、長尾景虎こと上杉謙信は自分を毘沙門天の化身だと自称してたらしい。人々は本当に化身だと恐れたそうだけど、実際にどこまで凄かったのかはまだよくわからない。
「でもさ、それを聞いてるところだと織田が今川義元を討ったって話、全く関係ないように聞こえるけど」
勘助の話を聞いていると、織田と今川の戦は全く関係の無いように聞こえるのも、また間違いではない。とすると、ただ俺を落ちに使いたいだけだろ・・・?
「がーっはっはっは。それはそれは、全く持って本当の話よ。結局、武田と今川、北条は三国で同盟を結んでいた訳よ。そこに織田が介入して今川を討ち、その隙を見て長尾家が攻めてきたとなれば、全く関係無いとは言えない。寧ろ大有りよ。お主らはこの戦の引き金となっているのだからな!」
その節は誠に申し訳ありませんでした、と一礼して謝った。
それが関係してくるのであれば、織田が7割くらい悪いと思うから。
「でっでも、それでは完璧に、織田が悪いみたいな、言い方に・・・な、なっちゃいますよ」
すると、横から首を出すと勘助の言葉に歯止めを掛けるかの如く登場するのは・・・。
「あ、えっと・・・高坂弾正です・・・」
と、そわそわしながら緊張して登場したのは昌信。
何故、昌信が出てきたのか、疑問に思っていると・・・。
「そうそう、実はこの作戦を一緒に考えたのは私だけではないのよ。実は信房も一緒でな」
「そ、その信房様は、今戦支度で忙しいので・・・そ、その場にいた私が・・・代わりに・・・」
あー、そう言うことですか。納得。
「さーて、どこまで話したか・・・。あぁ、そうじゃ。引き金となっているという話か。実はこの海津城、先月出来た城でな、長尾家に対抗するために作ったのよ。北条から頼まれては仕方がないものよな~」
ふわふわ~と浮いた感じで説明していく勘助。
要するに、うちが義元を討った(飽くまでも)のが後押しとなって、関東管領と言う「関東あげるよ~」っていう朝廷の命令によって景虎が関東を攻めたと。で、関東を治めていた北条家って言うところが武田に助けを求めて今に至る・・・と。
ふむふむ。まーったく分からん。
「・・・なんだ、全く分からないような顔をしておりますな、相良殿!」
「うーん、なんだかよくわからない方向を考えていてしまった気がする。と言うか、何が言いたいんだか自分でも分からなくなってきた・・・」
「お、お水でも・・・お持ちしましょう・・・か?」
俺の頭がどうなっているのか知ったことではないが、沸騰しているように見えた昌信は優しく接してくれる。
「い、いや。大丈夫」
大丈夫じゃないけど、心配してくれてる子を安心させんねば男じゃない気がしたので、言ってみる。
「そ、そうですか。なら・・・いいのです・・・」
ん、ちょっと悲しそうな顔している気がするけど気のせい?
「がーっはっはっは、昌信殿は本当にお優しいですなぁ。流石は晴信様に叩き込まれているだけありますな!あ、相良殿、私道趣味と言うわけではありませんからな、勘違いしないでくだされー」
これを読んだ読者様は察しが付くの?さっきから話が一向に読めないんだけど、どういう・・・こと?
「・・・う、ぎょ、りょ・・・はい。」
「うむ、ところで相良殿。啄木鳥はどうやって虫を食べる?」
勘助は突然話を変えると、啄木鳥の狩りについて、俺に問いたてる。
「えっと・・・木をつつく・・・よな?」
うろ覚えだが、いつぞや理科の生物分野にてそのような勉強をした覚えがある。
確か木をつついて驚かす、だったような。
「うむ、その通りだ。啄木鳥は餌を獲るとき、木の反対側をつついて虫を驚かそうとする。虫は必然的に穴から出なければなるまい。そこを捕らえて見事に討ち取るのが、啄木鳥のやり方だ」
ふむふむ、過酷な自然界で生きていくためには食物連鎖の名の下、例えばライオンは他の動物を狩り食べていく。啄木鳥もそれは同じなのだ。なんか、良いこと学べた気がするよ。
「今回、その啄木鳥のやり方を真似て、遂に私は啄木鳥戦法を発案したと言うわけじゃ!がーっはっはっは。これで景虎は手も足もでまい!」
あっさり作戦名と内容を発表した気がするけど・・・え、そういう作戦だったの?
「え、そういう作戦なの?」
「勿論、のぉ、昌信殿?」
「は、はいっ。長尾軍は、お、およそ1万の軍勢で、妻女山に陣取っております・・・。現在、我が軍が茶臼山からの狼煙を上げ終わり・・・な、長尾家の動きは、既に筒抜け。ぜ、善光寺から、長尾家に対しての・・・補給路も遮断いたし・・・ましたし、戦支度さえ整えば、いつでもこの海津から出ることができ・・・う、討ち取ること・・・ができ・・・ます・・・」
と言うことは、いつでも長尾景虎を討ち取ることが出来ると。
流石は天下に名を残した武田家!これできっと川中島は勝てるだろう!
「いやー、聞いててなんとなく分かりました。いやー為になりましたねーありがとうございます、勘助さん」
「がーっはっはっは、これで私は主役抜擢!川中島においての戦いで勝ち取れば、誰も私をバカに出来なくなるぞ!!がーっはっはっは、がーっはっはっは、がーっはっはっは!!」
この後起きる、川中島の戦い。
山本勘助の運命とは、儚く虚しく切ないものであった。
彼女は、その自分の運命を今この時知っていたのであれば、どんな行動をとっていたのだろうか。
それは誰も知らないこと・・・。
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