非リアの俺と学園アイドルが付き合った結果
ゆいの一言と俺の妹
百四十九話
【新転勇人】
「大丈夫、安心して行ってこい!」
「うん。にぃありがと」
――どうも!どうもどうも!勇人でございます!
さて、私は今、どこにいるでしょうか!!
(さて恒例勇人を探せ)
5
4
3
2
1
正解はですね!
「ちょ、結花?そろそろ」
「や、もうちょっとぉ」
結花の腕の中でした!!
は?
「今日早く行くんじゃないの?大丈夫?それに、」
「安心できるのっ」
いや、まぁ安心できるのは何よりも良いことだけどさ、俺が安心できない理由が一つだけあるんですよ結花さん。
その人はね、もう俺の家を実家だと思っちゃってる人でね、朝は大抵家の鍵が空いてるのをいいことに「ただいまー!」と元気な挨拶とともに我が家に帰ってくる、もとい入ってくる女性なんだよ?
その人は家族にでも嫉妬しちゃうような人で――
「ただいまー!」
亜。
「って二人とも何してるんですかぁ!!」
「何してるはこっちのセリフだよ!」
案の定元気な挨拶とともに入ってきた女性、新天円香。
結花の腕をするりと抜けて彼女の頭にコツンとチョップを食らわす。
「あうっ」
「この前も言ったじゃん!さすがにただいまはおかしいよ!?」
「いや、でも実家ですし……」
両人差し指をツンツンしながら、それでいて頬を少し赤らめながら。
「照れない!」
照れるとこじゃないから!
「万が一ドアを開けたらパン一の俺がいた時はどうするの!?」
「むしろご褒美です!ありがとうございます!」
「おぉいだれか医者を連れてこい!とびきり腕のいい医者だァ!」
いや、もう手遅れかもしれないな。
あとは未来永劫この子とどう寄り添っていくかだな。
…………俺も手遅れなんじゃないか……?
「もうちょっとさ、段階を踏んで――」
むぎゅ。
ん?
背中に円香から感じたことのない柔らかさが……。
そして目の前に円香がいて、視界に結花が存在しないってことは……。
「ゆ、結花さん!!いくらなんでもそれはダメです!妻として許しませんよ!」
いや、だから何度も言うけどまだ妻じゃ――
むぎゅぅ〜。
「な、なんですかその目は!最近大人しいと思ってたのに、急にきたと思ったらこれですか!!」
すんげぇキレてるじゃん。
結花どんな顔してんの?
今円香から目を離したら何されるかわからないから首動かせないんだけど。
「ん。じゃあ言ってくるね兄貴」
そう言って円香の脇をすり抜けて学校へ向かっていった。
「おう!頑張れよ!」
さて、あとは結花に持たせた秘密兵器が火を噴くかどうかだな。
「んむぅ!手を離した瞬間猫かぶりモードですか!勇人くんは渡しませんからね!」
「円香一旦落ち着こう」
フーッフーッと荒い呼吸を繰り返して興奮を抑え付ける円香。
普通の人だと大分顔が歪んだり結構醜い顔になるはずなんだけど、円香にかかるとあら不思議!
鼻息荒いのにも関わらずすんげぇかわいい。
一切崩れてない。
むしろちょっと……うん、そういうことだ。
「円香大丈夫?」
「はい。ちょっと油断してました。ごめんなさい」
「ならよかった。じゃあ俺たちも学校行こうか」
俺は玄関においといたリュックも背負い円香の手をとる。
「はい!今日は結花さんの大一番ですもんね!」
【新転結花】
大丈夫。
にぃに頑張れって言ってもらったし。
ぎゅーして勇気ももらったし。
大丈夫。
視聴覚室も借りたし、準備も万端。
「よし。」
□
「なんだよ、また大事な人ボコボコにされたいの?」
彼が視聴覚室に入ってきた。
ゆいは彼の言うことを無視してスピーカーに繋いだ“ボイスレコーダー”の電源を付け再生ボタンを押す。
『オラァ!そんなんじゃ妹守れねぇぞ!』
『死ねオラァ!』
スピーカーから、あの時彼らが発していた言葉の数々が流れてくる。
「ちょっちょっと待ってくれ!なんだよそれ」
その言葉は無視して、待つなんてことはせずスピーカーから流れ出る音を止めることはしない。
ただ一言。
脈絡もないし、彼の問いに対する返答でもないことを。
ただし最も堪えることを。
「警察」
一言だけ。
そして胸ポケットに入れたスマホを見せて。
ゆいが今何をしているか、そして何を言いたいのか察した彼はさっきまでの勢いはなしに、
「分かった!なんだ、金か!?小遣いなら全部やる」
震えながらそんな“意味の無いこと”を言ってくる。
所詮は同い年。中学生だ。
それに中学三年生ということもあり、証拠がある限りイキリヤンキーみたいなことはできない。
「違う。」
「じゃあなんだよ!何すればいいんだよ」
「転校して」
「え?」
「二度と私と私のお兄ちゃん、お姉ちゃんの前に現れないで」
真結さんに言われた通りのセリフを述べる。
真結さんの予想通りなら……、
「転校は……もう二度とお前たちに関わらないってことじゃダメか?」
やっぱり。
『大きく、そして割と現実的な条件を提示すると大体相手の方からそれに代わる条件を言ってくるから、どっちに転んでも今後の心配はないよ』
真結さんの言う通りだった。
彼が提示してきた条件も、転校と同じでゆいたちに今後関わらないというものには変わりない。
にぃと円香さんにいい報告できそうで良かった。
…………そういえば今朝のこと怒ってないかな……。
円香さんゆいのこと嫌いになってないかな……。
「じゃあそういうことで。」
レコーダーをポケットに入れ彼よりも先に視聴覚室を後にした。
「さよなら」
ゆいは後ろ手にゆっくりドアを閉め、初恋に初めて本気で好きになった彼に別れを告げました。
□
怖かったああああああああ!!
早くみんなに報告しないと。
ゆいは急いで靴を履いて学校をあとにする。
「結花」
校門を出ようという時、にぃがかっこつけながらゆいの名前を呼んでくれました。
「帰ろっか」
「うん!」
にぃを見ただけで心が暖かくなった。
うん、仕方ないよね。
にぃなら、また頑張ろうって言ってくれるよね。
でも――
「にぃ、のことまだ好きでいい?」
隠す必要ないよね。
多分にぃは知ってるだろうし。
「あー……うん。あぁ!まだ好きでいいぞ!うん」
ゆいはまだ、にぃ離れをできそうにありません。
更新されなくて「え?こいつ本当にやめんの?」って思った人は挙手してください。
遊び心だったんです。
辞めるつもりも、嫌な気持ちにもなってません。
むしろ、やっと井戸扱い分かってきたか!最高だな!
くらいに思ってたから全然ブスとか言ってくれて構わんよ。
ごめんね?
今まで通りでお願い!
おふざけだから!!
あ、日曜日はライブだからあげれない。ごめんー
【新転勇人】
「大丈夫、安心して行ってこい!」
「うん。にぃありがと」
――どうも!どうもどうも!勇人でございます!
さて、私は今、どこにいるでしょうか!!
(さて恒例勇人を探せ)
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正解はですね!
「ちょ、結花?そろそろ」
「や、もうちょっとぉ」
結花の腕の中でした!!
は?
「今日早く行くんじゃないの?大丈夫?それに、」
「安心できるのっ」
いや、まぁ安心できるのは何よりも良いことだけどさ、俺が安心できない理由が一つだけあるんですよ結花さん。
その人はね、もう俺の家を実家だと思っちゃってる人でね、朝は大抵家の鍵が空いてるのをいいことに「ただいまー!」と元気な挨拶とともに我が家に帰ってくる、もとい入ってくる女性なんだよ?
その人は家族にでも嫉妬しちゃうような人で――
「ただいまー!」
亜。
「って二人とも何してるんですかぁ!!」
「何してるはこっちのセリフだよ!」
案の定元気な挨拶とともに入ってきた女性、新天円香。
結花の腕をするりと抜けて彼女の頭にコツンとチョップを食らわす。
「あうっ」
「この前も言ったじゃん!さすがにただいまはおかしいよ!?」
「いや、でも実家ですし……」
両人差し指をツンツンしながら、それでいて頬を少し赤らめながら。
「照れない!」
照れるとこじゃないから!
「万が一ドアを開けたらパン一の俺がいた時はどうするの!?」
「むしろご褒美です!ありがとうございます!」
「おぉいだれか医者を連れてこい!とびきり腕のいい医者だァ!」
いや、もう手遅れかもしれないな。
あとは未来永劫この子とどう寄り添っていくかだな。
…………俺も手遅れなんじゃないか……?
「もうちょっとさ、段階を踏んで――」
むぎゅ。
ん?
背中に円香から感じたことのない柔らかさが……。
そして目の前に円香がいて、視界に結花が存在しないってことは……。
「ゆ、結花さん!!いくらなんでもそれはダメです!妻として許しませんよ!」
いや、だから何度も言うけどまだ妻じゃ――
むぎゅぅ〜。
「な、なんですかその目は!最近大人しいと思ってたのに、急にきたと思ったらこれですか!!」
すんげぇキレてるじゃん。
結花どんな顔してんの?
今円香から目を離したら何されるかわからないから首動かせないんだけど。
「ん。じゃあ言ってくるね兄貴」
そう言って円香の脇をすり抜けて学校へ向かっていった。
「おう!頑張れよ!」
さて、あとは結花に持たせた秘密兵器が火を噴くかどうかだな。
「んむぅ!手を離した瞬間猫かぶりモードですか!勇人くんは渡しませんからね!」
「円香一旦落ち着こう」
フーッフーッと荒い呼吸を繰り返して興奮を抑え付ける円香。
普通の人だと大分顔が歪んだり結構醜い顔になるはずなんだけど、円香にかかるとあら不思議!
鼻息荒いのにも関わらずすんげぇかわいい。
一切崩れてない。
むしろちょっと……うん、そういうことだ。
「円香大丈夫?」
「はい。ちょっと油断してました。ごめんなさい」
「ならよかった。じゃあ俺たちも学校行こうか」
俺は玄関においといたリュックも背負い円香の手をとる。
「はい!今日は結花さんの大一番ですもんね!」
【新転結花】
大丈夫。
にぃに頑張れって言ってもらったし。
ぎゅーして勇気ももらったし。
大丈夫。
視聴覚室も借りたし、準備も万端。
「よし。」
□
「なんだよ、また大事な人ボコボコにされたいの?」
彼が視聴覚室に入ってきた。
ゆいは彼の言うことを無視してスピーカーに繋いだ“ボイスレコーダー”の電源を付け再生ボタンを押す。
『オラァ!そんなんじゃ妹守れねぇぞ!』
『死ねオラァ!』
スピーカーから、あの時彼らが発していた言葉の数々が流れてくる。
「ちょっちょっと待ってくれ!なんだよそれ」
その言葉は無視して、待つなんてことはせずスピーカーから流れ出る音を止めることはしない。
ただ一言。
脈絡もないし、彼の問いに対する返答でもないことを。
ただし最も堪えることを。
「警察」
一言だけ。
そして胸ポケットに入れたスマホを見せて。
ゆいが今何をしているか、そして何を言いたいのか察した彼はさっきまでの勢いはなしに、
「分かった!なんだ、金か!?小遣いなら全部やる」
震えながらそんな“意味の無いこと”を言ってくる。
所詮は同い年。中学生だ。
それに中学三年生ということもあり、証拠がある限りイキリヤンキーみたいなことはできない。
「違う。」
「じゃあなんだよ!何すればいいんだよ」
「転校して」
「え?」
「二度と私と私のお兄ちゃん、お姉ちゃんの前に現れないで」
真結さんに言われた通りのセリフを述べる。
真結さんの予想通りなら……、
「転校は……もう二度とお前たちに関わらないってことじゃダメか?」
やっぱり。
『大きく、そして割と現実的な条件を提示すると大体相手の方からそれに代わる条件を言ってくるから、どっちに転んでも今後の心配はないよ』
真結さんの言う通りだった。
彼が提示してきた条件も、転校と同じでゆいたちに今後関わらないというものには変わりない。
にぃと円香さんにいい報告できそうで良かった。
…………そういえば今朝のこと怒ってないかな……。
円香さんゆいのこと嫌いになってないかな……。
「じゃあそういうことで。」
レコーダーをポケットに入れ彼よりも先に視聴覚室を後にした。
「さよなら」
ゆいは後ろ手にゆっくりドアを閉め、初恋に初めて本気で好きになった彼に別れを告げました。
□
怖かったああああああああ!!
早くみんなに報告しないと。
ゆいは急いで靴を履いて学校をあとにする。
「結花」
校門を出ようという時、にぃがかっこつけながらゆいの名前を呼んでくれました。
「帰ろっか」
「うん!」
にぃを見ただけで心が暖かくなった。
うん、仕方ないよね。
にぃなら、また頑張ろうって言ってくれるよね。
でも――
「にぃ、のことまだ好きでいい?」
隠す必要ないよね。
多分にぃは知ってるだろうし。
「あー……うん。あぁ!まだ好きでいいぞ!うん」
ゆいはまだ、にぃ離れをできそうにありません。
更新されなくて「え?こいつ本当にやめんの?」って思った人は挙手してください。
遊び心だったんです。
辞めるつもりも、嫌な気持ちにもなってません。
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コメント
アキ
心配したじゃん!させないでよ~!
アホの子は俺だ!
無粋ね
猫ネギ
ブス!これからも頑張れ!ブス!
ミラル ムカデ
とりあえず「おいゴラァァァ」
わりとガチで心配したんだぞぉぉぉ!
(^ω^#)安心して下さい……怒ってません(^ω^#)
ピタリオと空飛ぶキリン
ブスブスブスブスブスブスブスブスブス
あ、何かをブッ刺しているときの効果音ですよ
勘違いしないでね