非リアの俺と学園アイドルが付き合った結果
私の不動と俺の悶え死に
百二十二話
【新天円香】
体育祭が終わって一週間が経ちました。
体育祭までは怒涛の毎日だったのに、今はすっかり平和で特に問題もなく過ごしています。
あ、ただ一つ、問題というか問題に苦戦してる方がいます。
今目の前に。
「わかんない」
「杏佳授業聞いてるの!?」
机に大きな胸を乗せ、さも当たり前のように呟く先輩へ、生徒会長が怒号を散らしています。
「ももちゃんそんなカッカしないで。あ、もしかして生――」
「杏佳これ終わるまで帰っちゃダメね、生徒会長権限でなんとかするわ」
「ごめん、嘘だから!もう勉強したくないの!やだあ!」
ももちゃん先輩こと七川桃先輩は金霧先輩を諭すように口を開きます。
「あのね杏佳。嫌でも勉強しないと将来苦労するよ?就職できなくて――」
「ももちゃんと違って、あたしには浅見がいるからそこら辺は大丈夫」
「…………」
ももちゃん先輩が固まりました。
「あ、浅見くんって……」
勇人くんと楽しそうにおしゃべりしている彼を眺めて。
先輩はこれでもかと目を開いて、
「野球部のォ!?」
「あ、俺もう部活やってませんよ?」
「なんでぇ!?」
ももちゃん先輩、先程まで先輩へ怒号を散らしていたお堅い口調と表情から一変、もうなんかおバカさんのような表情になってしまいました。
「ふっふっふ、会長!我が新聞部の次号がこれです!!」
真結が自慢げに広げた新聞には大きな太字でこう書いてありました。
【野球部大型エースが退部!原因は?】
「いやだから原因はなに!?」
「まぁまぁ桃ちゃん落ち着いて?」
「いや、だって野球部の浅見くんって言ったら、噂によるとプロ球団が狙ってるって!」
「ももちゃん先輩。それが本当だとして、俺がプロになったら金霧先輩に寂しい思いさせてしまうかもしれないですよね?」
そうなんです。
浅見さん曰く、野球の腕はピカイチでも、まずは好きな人を幸せにしてから趣味に力を出す。とのことで、既に退部届けを出したのです。
「そっかぁ……って今ももちゃん先輩って言った?」
「ももちゃんだめ。あたしの彼氏」
「うっ……仕方ないわね……」
ももちゃん先輩、金霧先輩のこと大好きなんですね。
□
そして再び先輩たちが勉強を始めた頃。
「――はい勇人の負けー!じゃあ新天の好きなとこ五個いってみよう!」
「くっそぉ…………ふぅ。まず一つは」
「ちょちょっちょっと待って!!何してるんですか!」
思わず8〇6秒バズーカのようになってしまいましたよ!
「ん?円香どしたの?」
「勇人勇人、多分新天ったら照れてるんだぜ」
浅見さんがニヤニヤと。
くぅ……どうしてやりましょうか。今更ですが通報してやりましょうか……。
「あらま!照れてる!?いやまさか!だって天下の新天円香だぜ?ファンクラブさえ存在すると言われてる学園アイドル様だぜ?」
「ぐぬぬ勇人くんまで……」
二人して私をいじめてぇ……。
「まぁ勇人、そういじめなさんなって!あの!新天円香でさえ照れちまうってことだろ!」
「そうだね!円香はきっと強い子で照れたりしないと思ってたからびっくりしちゃったよ!あーぁ!俺としたことが!」
ペロッと舌を出してわざとらしくミスだと私へアピールしてくる勇人くん。
そんなの今更じゃないですかぁ……絶対私の反応見て楽しんでますよぅ……。
…………でもここで引くのも癪です……。
よ、よし……。
「て、てて、照れてないですよ?いくら勇人くんに言われるからって照れるわけないじゃないですか!」
「「ふ〜ん♪」」
わっ!やられました!
これ絶対待ってましたって!
顔が悪〜い顔してますもん!
「じゃあ一つめはぁ〜」
落ち着いて……落ち着くのです新天円香!
心を落ち着けるのです!
精神統一です!
すって、すぅ……はいて、ふぅ……。
よし!
落ち着いてきました!
今の私ならなんでも受け止められます!
不動円香で――
「笑顔が可愛いところ」
「きゃうっ!」
……………………違います。
キュンと来てなんかいません。
ドキッとしてなんかいません。
「円香〜?」
「な、なんですか?」
や、やめ……目を見ないでください……私に顔を近づけないでくださいぃ……。
「二つ目は、今みたいにおちょくられるとすぐ赤くなっちゃうところ」
「なっ――赤くないですっ!」
顔を手で覆って二人から顔を背けます。
赤くなってませんよね?
照れてないですよね!?
ね!新天円香!
ねぇ!!
【新転勇人】
やべぇくっそ恥ずかしい……。
浅見くんが「強がるけど結果的に調子崩される新天みたくね?」とか言い出すからぁ〜。
そんな悪魔の誘いに乗ってしまった俺が悪いけどさぁ。
確かにめちゃめちゃかわいくて実は内心悶え死にそうになってるんだけど。
「は、勇人くん!?」
「どしたの?」
声震えてないよな……?
「ばか」
やべぇ我慢できねぇかもしれん。
やっぱり普段おしとやかで清楚で言葉遣いが綺麗な子がふと「ばか」とか言うと来るものがあるな。
えぐいっす円香さん。
俺の脳みその何かが切れ、円香へ抱きついてしまいそうになったその瞬間。
「――ほら!新天さんだってばかっていってるでしょ!?」
「違うよももちゃん!あれは勇っちにデレてるんだよぅ」
「うるさい!早く解いて!ホントに今日返さないわよ!?」
ももちゃん先輩がめっちゃキレ始めた。
金霧先輩そんなに出来が悪いんですか……。
「分かった、分かったからさ、とりあえずそれ直さない?」
「へ?」
「いや、シャーペン上下逆だから」
「にゃっ――うるしゃい!!」
顔を真っ赤にして潤んだ瞳で照れギレするももちゃん先輩。
かわいいなぁおい。
何そのギャップ。
円香のギャップもいいけど先輩のギャップも、
「ばかって全力で言われたいですか?」
「どうもすいませんでした」
「はい♡」
うちの彼女が一番です。
本当です。
本当ですよ。
最近Twitterで「あとがきで大暴れしてるのは井戸さん以外知らない」「井戸さんあとがきで頭おかしくなってる」「ブス」だの言われております。
いやぁどうしてだろうなぁ何が原因なんだろうなぁ、と考えていたのですが、ようやく思いつきました!
他の方の小説を読んでみたところ、「今回も読んでいただきありがとう」というようなものが多かったのです!
みんなは井戸に「ありがとう」って言われたいんだね♡
うんうんわかるよ。
「ありがとう」っていい言葉だもんね。
わかるわかる。
本当はあとがきで「いつも読んでくれてありがとう」って言われたいんだよね。
うん。
いつも読んでくれてありがとう♡
【新天円香】
体育祭が終わって一週間が経ちました。
体育祭までは怒涛の毎日だったのに、今はすっかり平和で特に問題もなく過ごしています。
あ、ただ一つ、問題というか問題に苦戦してる方がいます。
今目の前に。
「わかんない」
「杏佳授業聞いてるの!?」
机に大きな胸を乗せ、さも当たり前のように呟く先輩へ、生徒会長が怒号を散らしています。
「ももちゃんそんなカッカしないで。あ、もしかして生――」
「杏佳これ終わるまで帰っちゃダメね、生徒会長権限でなんとかするわ」
「ごめん、嘘だから!もう勉強したくないの!やだあ!」
ももちゃん先輩こと七川桃先輩は金霧先輩を諭すように口を開きます。
「あのね杏佳。嫌でも勉強しないと将来苦労するよ?就職できなくて――」
「ももちゃんと違って、あたしには浅見がいるからそこら辺は大丈夫」
「…………」
ももちゃん先輩が固まりました。
「あ、浅見くんって……」
勇人くんと楽しそうにおしゃべりしている彼を眺めて。
先輩はこれでもかと目を開いて、
「野球部のォ!?」
「あ、俺もう部活やってませんよ?」
「なんでぇ!?」
ももちゃん先輩、先程まで先輩へ怒号を散らしていたお堅い口調と表情から一変、もうなんかおバカさんのような表情になってしまいました。
「ふっふっふ、会長!我が新聞部の次号がこれです!!」
真結が自慢げに広げた新聞には大きな太字でこう書いてありました。
【野球部大型エースが退部!原因は?】
「いやだから原因はなに!?」
「まぁまぁ桃ちゃん落ち着いて?」
「いや、だって野球部の浅見くんって言ったら、噂によるとプロ球団が狙ってるって!」
「ももちゃん先輩。それが本当だとして、俺がプロになったら金霧先輩に寂しい思いさせてしまうかもしれないですよね?」
そうなんです。
浅見さん曰く、野球の腕はピカイチでも、まずは好きな人を幸せにしてから趣味に力を出す。とのことで、既に退部届けを出したのです。
「そっかぁ……って今ももちゃん先輩って言った?」
「ももちゃんだめ。あたしの彼氏」
「うっ……仕方ないわね……」
ももちゃん先輩、金霧先輩のこと大好きなんですね。
□
そして再び先輩たちが勉強を始めた頃。
「――はい勇人の負けー!じゃあ新天の好きなとこ五個いってみよう!」
「くっそぉ…………ふぅ。まず一つは」
「ちょちょっちょっと待って!!何してるんですか!」
思わず8〇6秒バズーカのようになってしまいましたよ!
「ん?円香どしたの?」
「勇人勇人、多分新天ったら照れてるんだぜ」
浅見さんがニヤニヤと。
くぅ……どうしてやりましょうか。今更ですが通報してやりましょうか……。
「あらま!照れてる!?いやまさか!だって天下の新天円香だぜ?ファンクラブさえ存在すると言われてる学園アイドル様だぜ?」
「ぐぬぬ勇人くんまで……」
二人して私をいじめてぇ……。
「まぁ勇人、そういじめなさんなって!あの!新天円香でさえ照れちまうってことだろ!」
「そうだね!円香はきっと強い子で照れたりしないと思ってたからびっくりしちゃったよ!あーぁ!俺としたことが!」
ペロッと舌を出してわざとらしくミスだと私へアピールしてくる勇人くん。
そんなの今更じゃないですかぁ……絶対私の反応見て楽しんでますよぅ……。
…………でもここで引くのも癪です……。
よ、よし……。
「て、てて、照れてないですよ?いくら勇人くんに言われるからって照れるわけないじゃないですか!」
「「ふ〜ん♪」」
わっ!やられました!
これ絶対待ってましたって!
顔が悪〜い顔してますもん!
「じゃあ一つめはぁ〜」
落ち着いて……落ち着くのです新天円香!
心を落ち着けるのです!
精神統一です!
すって、すぅ……はいて、ふぅ……。
よし!
落ち着いてきました!
今の私ならなんでも受け止められます!
不動円香で――
「笑顔が可愛いところ」
「きゃうっ!」
……………………違います。
キュンと来てなんかいません。
ドキッとしてなんかいません。
「円香〜?」
「な、なんですか?」
や、やめ……目を見ないでください……私に顔を近づけないでくださいぃ……。
「二つ目は、今みたいにおちょくられるとすぐ赤くなっちゃうところ」
「なっ――赤くないですっ!」
顔を手で覆って二人から顔を背けます。
赤くなってませんよね?
照れてないですよね!?
ね!新天円香!
ねぇ!!
【新転勇人】
やべぇくっそ恥ずかしい……。
浅見くんが「強がるけど結果的に調子崩される新天みたくね?」とか言い出すからぁ〜。
そんな悪魔の誘いに乗ってしまった俺が悪いけどさぁ。
確かにめちゃめちゃかわいくて実は内心悶え死にそうになってるんだけど。
「は、勇人くん!?」
「どしたの?」
声震えてないよな……?
「ばか」
やべぇ我慢できねぇかもしれん。
やっぱり普段おしとやかで清楚で言葉遣いが綺麗な子がふと「ばか」とか言うと来るものがあるな。
えぐいっす円香さん。
俺の脳みその何かが切れ、円香へ抱きついてしまいそうになったその瞬間。
「――ほら!新天さんだってばかっていってるでしょ!?」
「違うよももちゃん!あれは勇っちにデレてるんだよぅ」
「うるさい!早く解いて!ホントに今日返さないわよ!?」
ももちゃん先輩がめっちゃキレ始めた。
金霧先輩そんなに出来が悪いんですか……。
「分かった、分かったからさ、とりあえずそれ直さない?」
「へ?」
「いや、シャーペン上下逆だから」
「にゃっ――うるしゃい!!」
顔を真っ赤にして潤んだ瞳で照れギレするももちゃん先輩。
かわいいなぁおい。
何そのギャップ。
円香のギャップもいいけど先輩のギャップも、
「ばかって全力で言われたいですか?」
「どうもすいませんでした」
「はい♡」
うちの彼女が一番です。
本当です。
本当ですよ。
最近Twitterで「あとがきで大暴れしてるのは井戸さん以外知らない」「井戸さんあとがきで頭おかしくなってる」「ブス」だの言われております。
いやぁどうしてだろうなぁ何が原因なんだろうなぁ、と考えていたのですが、ようやく思いつきました!
他の方の小説を読んでみたところ、「今回も読んでいただきありがとう」というようなものが多かったのです!
みんなは井戸に「ありがとう」って言われたいんだね♡
うんうんわかるよ。
「ありがとう」っていい言葉だもんね。
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コメント
Karavisu
前半4人冷静 うん!
猫ネギ
良い精神科の先生と友達ですが...いきます?
ミラル ムカデ
お大事に……(ビクビクビクッ!)
Flugel
「ブス」www
帆楼
(´-ι_-`)はぃはぃ(流し気味)。なるべく早く続きお願いしますね!なるべく早く続きお願いしますね!(大事なことなので2回言いました)