非リアの俺と学園アイドルが付き合った結果
俺の好きとなでなでと俺の反省
七十六話
【新転勇人】
「好き……ですか……」
俺は円香へ目を移し、俺の中で彼女へ向けている“好き”の意味を考える。
「…………俺は円香が好きです。隣で笑ってる円香が好きです。おれはそんな円香の隣にいれることが何より嬉しくて…………なんて言っていいかわかりませんが、“一緒にいたい”って気持ちが繰り上がって“好き”になるんだと思います。」
深くまで探っていけば他の原意が出てくるかもしれないけど、すぐに出てきた“一緒にいたい”というのが俺の中での一番なのだろう。
「そっ……かぁ……」
先輩は顔を俯け、消え入りそうな声でそう呟いた。
「あ!あと、先輩気づいてますか?」
「……ん?」
俺はさっきの部室で気づいた変化を口にする。
「前まで、“君”とか“あの子”とかだったのに、今は“浅見”って名前呼んじゃってるんですよ?」
「そ、そうなの……?気づかなかったな……」
そんな先輩はまだ確信を掴めていないようだった。
だから俺は円香へ今と同じ質問を投げかける。
自分で聞くのは恥ずかしいけどねっ!
「円香はどうなの?自分で言うのもなんだけど――」
と。
円香へ顔を向けたのだが…………。
「ワタシモアイシテマス」
「ちょっ……え?…………え!?」
円香は顔を真っ赤にして口をパクパクさせていた。
そんな彼女の姿を見て俺もあわあわ混乱してしまった。
だってそんな真っ赤に恥ずかしがるような事言ってないよね!?
それに俺……。
「愛してるとは言ってないよ!?」
“も”
って言ってたけど。
「あ……愛してくれてないんですか……?」
「あー待ってうそうそすげぇ愛してる!愛が止まらなすぎて爆発しそうだもん。」
日本語って難しいっ!
円香半泣きだもん。
ほんとごめん。
ほんっとごめんっ!!
「……そっかぁ…………よし!」
「ん?先輩?」
俺は顔を赤くして半泣きの円香の頭を撫でながら……というかどんどん熱くなってる気もするんだけど、俺は先輩の方へ顔を向けた。
「分かった!!分かったよあたしの気持ち!」
「そ、そうですか……それは良かったです。」
今の流れのどこに気がつく要素があったのか分からないけど、とりあえず良かった。
問題は、ここからだよな。
一体どっちに転ぶのか。
“好き”か。
“好きではない”か。
「あたしもっかい部室行くわ!じゃ!」
先輩は先程までの涙の跡を消すように目を擦りながら部室の方へと向かっていった。
「う〜んどうなるんだろ。」(なでなで)
俺は先輩の後ろ姿を眺めながら呟いた。
「見に行ってみようかなぁ」(なでなで)
「……あ、あのぉ……ひゃっ……」
「どうかした?」(なでなでニヤニヤ)
「どうかしたも何も……んっ……」
「あ、円香も一緒に行こっか!」(なでなで加速)
「……頭やめてぇ……」
「あっ、ごめんなさい!心地好すぎてつい……」
再び半泣き円香と化した俺のかわいい彼女は、多分無意識である、潤んだ瞳の上目遣いで、
「……はやとくんの……ば、ばかぁ……」
絞り出すようにして“ばか”と言った円香。
円香普段“ばか”とか言わないじゃん……。
目をうるうるさせながらの上目遣いでそんなギャップのあること言われたらやばいよぉ。
世界の中心で愛を叫びたいもん。
俺はオタク特有の笑いや声が乗らないように必死に喉に力を入れて声を発する。
「さ、さぁ、行きますか!」
俺は、ちょっと面白そうだし円香の手を掴み、つまり手を繋ぎ、部室へ向かった。
【浅見冬弥】
「…………せ、せん……ぱい……?」
俺はなんてことをしてしまったんだ……。
「……せ、せんぱ……ぁ…………い……」
先輩が来ないって高を括って三郷とこんな近くに……。
いや、三郷が少しでも元気になればいいなって思ってやってたことだけど……こんなことになるなんて……。
「……せんぱい……?」
「うぉっ!びっくりしたぁ」
急に耳元で三郷のか細い声が聞こえ、体がはねた。
マジで焦った。しかも声と一緒に柔らかな感触も感じてたかは余計に焦った。
「ど、どした?」
「わ、わたし………………ごめんなさい……」
三郷はそれだけ言って、顔を伏せてしまった。
めちゃめちゃ暗いオーラが出てるのが顔を見なくても伝わってくる。
こいつほんとにもったいないよなぁ。
「…………三郷さ、前髪少し切って、コンタクトにしてみろよ!」
「……ぇ…………?」
「メガネとったら可愛いんだし!まずはその暗いオーラを消しちまおうぜ!!」
俺は直感が、暗いオーラが悪いと言っていた。
「……かわ……かわっ……かわいいっ……て……」
「それに、なんか話しかけにくいオーラ的なのが出てる気がするからきっとそれも無くなるぜ!」
「……かわい……い……」
「やっぱし明るいのがいいとおもうんだよな!だからさ、まずは見た目から――」
「ご、ご……ごめんなさぁいぃぃぃぃ」
えぇ…………。
三郷どうしちゃったの……。
廊下を駆けていく軽い足音がどんどんと遠ざかっていく。
「はぁ……なんでこうなっちゃうかなあ…………ほんと難しいな……」
三郷の足音はすぐに遠くへ消えていった。
が――――。
三郷の足音に気を取られていて近づいてくるのに気づかなかったが、近づいてきていた“もう一つの足音がドアの前で止まった”。
「――浅見、入るよ。」
その声と足音の主は、紛れもなく俺の愛する金霧杏佳先輩だった。
【新転勇人】
「好き……ですか……」
俺は円香へ目を移し、俺の中で彼女へ向けている“好き”の意味を考える。
「…………俺は円香が好きです。隣で笑ってる円香が好きです。おれはそんな円香の隣にいれることが何より嬉しくて…………なんて言っていいかわかりませんが、“一緒にいたい”って気持ちが繰り上がって“好き”になるんだと思います。」
深くまで探っていけば他の原意が出てくるかもしれないけど、すぐに出てきた“一緒にいたい”というのが俺の中での一番なのだろう。
「そっ……かぁ……」
先輩は顔を俯け、消え入りそうな声でそう呟いた。
「あ!あと、先輩気づいてますか?」
「……ん?」
俺はさっきの部室で気づいた変化を口にする。
「前まで、“君”とか“あの子”とかだったのに、今は“浅見”って名前呼んじゃってるんですよ?」
「そ、そうなの……?気づかなかったな……」
そんな先輩はまだ確信を掴めていないようだった。
だから俺は円香へ今と同じ質問を投げかける。
自分で聞くのは恥ずかしいけどねっ!
「円香はどうなの?自分で言うのもなんだけど――」
と。
円香へ顔を向けたのだが…………。
「ワタシモアイシテマス」
「ちょっ……え?…………え!?」
円香は顔を真っ赤にして口をパクパクさせていた。
そんな彼女の姿を見て俺もあわあわ混乱してしまった。
だってそんな真っ赤に恥ずかしがるような事言ってないよね!?
それに俺……。
「愛してるとは言ってないよ!?」
“も”
って言ってたけど。
「あ……愛してくれてないんですか……?」
「あー待ってうそうそすげぇ愛してる!愛が止まらなすぎて爆発しそうだもん。」
日本語って難しいっ!
円香半泣きだもん。
ほんとごめん。
ほんっとごめんっ!!
「……そっかぁ…………よし!」
「ん?先輩?」
俺は顔を赤くして半泣きの円香の頭を撫でながら……というかどんどん熱くなってる気もするんだけど、俺は先輩の方へ顔を向けた。
「分かった!!分かったよあたしの気持ち!」
「そ、そうですか……それは良かったです。」
今の流れのどこに気がつく要素があったのか分からないけど、とりあえず良かった。
問題は、ここからだよな。
一体どっちに転ぶのか。
“好き”か。
“好きではない”か。
「あたしもっかい部室行くわ!じゃ!」
先輩は先程までの涙の跡を消すように目を擦りながら部室の方へと向かっていった。
「う〜んどうなるんだろ。」(なでなで)
俺は先輩の後ろ姿を眺めながら呟いた。
「見に行ってみようかなぁ」(なでなで)
「……あ、あのぉ……ひゃっ……」
「どうかした?」(なでなでニヤニヤ)
「どうかしたも何も……んっ……」
「あ、円香も一緒に行こっか!」(なでなで加速)
「……頭やめてぇ……」
「あっ、ごめんなさい!心地好すぎてつい……」
再び半泣き円香と化した俺のかわいい彼女は、多分無意識である、潤んだ瞳の上目遣いで、
「……はやとくんの……ば、ばかぁ……」
絞り出すようにして“ばか”と言った円香。
円香普段“ばか”とか言わないじゃん……。
目をうるうるさせながらの上目遣いでそんなギャップのあること言われたらやばいよぉ。
世界の中心で愛を叫びたいもん。
俺はオタク特有の笑いや声が乗らないように必死に喉に力を入れて声を発する。
「さ、さぁ、行きますか!」
俺は、ちょっと面白そうだし円香の手を掴み、つまり手を繋ぎ、部室へ向かった。
【浅見冬弥】
「…………せ、せん……ぱい……?」
俺はなんてことをしてしまったんだ……。
「……せ、せんぱ……ぁ…………い……」
先輩が来ないって高を括って三郷とこんな近くに……。
いや、三郷が少しでも元気になればいいなって思ってやってたことだけど……こんなことになるなんて……。
「……せんぱい……?」
「うぉっ!びっくりしたぁ」
急に耳元で三郷のか細い声が聞こえ、体がはねた。
マジで焦った。しかも声と一緒に柔らかな感触も感じてたかは余計に焦った。
「ど、どした?」
「わ、わたし………………ごめんなさい……」
三郷はそれだけ言って、顔を伏せてしまった。
めちゃめちゃ暗いオーラが出てるのが顔を見なくても伝わってくる。
こいつほんとにもったいないよなぁ。
「…………三郷さ、前髪少し切って、コンタクトにしてみろよ!」
「……ぇ…………?」
「メガネとったら可愛いんだし!まずはその暗いオーラを消しちまおうぜ!!」
俺は直感が、暗いオーラが悪いと言っていた。
「……かわ……かわっ……かわいいっ……て……」
「それに、なんか話しかけにくいオーラ的なのが出てる気がするからきっとそれも無くなるぜ!」
「……かわい……い……」
「やっぱし明るいのがいいとおもうんだよな!だからさ、まずは見た目から――」
「ご、ご……ごめんなさぁいぃぃぃぃ」
えぇ…………。
三郷どうしちゃったの……。
廊下を駆けていく軽い足音がどんどんと遠ざかっていく。
「はぁ……なんでこうなっちゃうかなあ…………ほんと難しいな……」
三郷の足音はすぐに遠くへ消えていった。
が――――。
三郷の足音に気を取られていて近づいてくるのに気づかなかったが、近づいてきていた“もう一つの足音がドアの前で止まった”。
「――浅見、入るよ。」
その声と足音の主は、紛れもなく俺の愛する金霧杏佳先輩だった。
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