非リアの俺と学園アイドルが付き合った結果

井戸千尋

私の怒りと俺の誓い

四十七話





【新転勇人】






さてと、かき氷も溶けちゃうしトイレに向かってる時に鉢合わせるのが一番いいんだけど……。









「…あれ……?」
なんか「パリピっ♪(ダブルピースっ♪)」みたいなやつ二人と………………円香?

「はいぃぃぃぃぃぃぃぃいい!??」
神様ァ!?
確かにフラグびんびんに建ってましたけどぉ!?
キャスティングですキャスティング!!
あんな「パリピっ♪(ry」みたいなやつじゃなくて、ナンパ初心者みたいなヒョロガリにしてほしかったですねはい!

それでは、新転勇人史上トップクラスにドキドキな展開をお届けいたします。


では――――



「あのぉ」
声裏返ったぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!
「あ↑のぉ」みたいになっちゃった、べ、べべ別にビビってないし?
「あァ?」
「勇人くん!」
円香が潤んだ瞳で俺を見つめてくる。
「この子僕の彼女なので…」
「あぁ……だから?あ?」
俺の言ったことでは留まる様子のないパリピ。
「いや、本当にやめ―」
「アニキの邪魔をするなよぅ!!はっ倒すぞてめぇ」
うぉっ!まさに雑魚キャラ並みのセリ――。


―と、俺の体に強い衝撃が走った。


あれ……?
なんで俺…。
「―勇人くんっ!」
円香?
あっ――かき氷……。


トシャっと、水分を多く含んだタオルを落とした時のような水粒が弾ける音と共に俺の体が地面へ落ちていった。



「ハッ!だっせぇなお前、こんな奴より俺の方が―」


「謝ってください」

「「え?」」
俺だけじゃなくパリピも疑問の声をあげた。

円香からそんな言葉が出ることに疑問を持ち驚いた訳では無い。
円香の声が今までにないくらいに冷徹で淡々として、その言葉には外見からはとうてい想像出来ないほどの棘をまとっていたからだ。

「聞こえませんでしたか?……“謝れ”と言っているのですが」

「いやっ…えっと……」
急な変貌を遂げた彼女へ驚きを隠せない様子のパリピ。
そりゃそうだ。俺もかなり困惑してるもん。

「私の愛する彼氏に謝れといっているのです。その耳は見せかけだけで耳として機能してないのですか??」

こわい。
円香こわい…。

「わ、悪かった……」
さすがのパリピでも激おこプンプン円香にはかなわなかった様子。
謝り方もたじたじで、逃げ帰るかのように去っていった。

「勇人くん…?」
「はいっ!」
逃げ帰るパリピに意識を向けていため、先程まで怒り心頭だった円香の声に少し驚いて返事をしてしまう。


「大丈夫ですか?」
―よかった。いつもの円香だ。
尻餅をついている俺に優しく手を伸ばしてくれる。
「うん」
俺はその手を握り、ゆっくりと立ち上がった。


「焼きそばとかまた新しいの買いに行きましょうか」
「ですね」
俺たちはさっき行った海の家へ再び向かうことにした。

そして、俺は今回のことで一つ決めたことがある。

彼女を。
円香を怒らせることをするのは生涯しない、と。





【新天円香】




思わず我を忘れてぱーりーぴーぽーに怒りをぶつけてしまいました。
でもあの人たちが悪いのです!
勇人くんに酷いことして…ッ!!
私は誰であろうと勇人くんへ酷いことをする人は許さないんですからっ!

コメント

  • ノベルバユーザー81968

    お疲れ〜!!

    4
コメントを書く

「恋愛」の人気作品

書籍化作品