従妹に懐かれすぎてる件

きり抹茶

三月二十五日「従妹とお風呂」

 夕食を終えて一息ついた頃……。

「ねぇゆうにぃ、お風呂どっち先に入る?」
「俺は後でいいぞ。先に入ってきな」
「うぅーん。……ゆうにぃってさ、いつも私の後だよね。どうして?」
「いや、特に意味はないが」
「あっ! もしかして私の出汁が取れたスープを飲むためとか!?」
「ちげぇーよ! 断じてちげぇーよ!」

 どうしていつも意味深な思考をするんだよこの子は……。

「待って! ってことはゆうにぃが先に入れば私が出汁を飲めるチャンス……!」
「やめろー! 誰得展開になるからー!」
「えぇ? 私得だよぉー?」

 詰め寄る彩音だったが、なんとか説得をして先に風呂へ入らせました。



 約二十分後。


「ふぅ、さっぱりぃ~!」
「ちょっ、待て待て待てぇー!」

 脱衣所の扉が開き、ペタペタの俺の前までやってきた彩音はバスタオル一枚を巻いただけの姿。
 ボディーソープの良い香りと身体から発している熱が彼女から伝わってくる。

「そんな顔赤くしちゃって……。ふふ、ゆうにぃも恥ずかしがり屋さんだねっ!」
「お前も少しは恥じらいを持ってくれ! つか服着ろ早く!」
「はぁーい!」

 元気よく返事して、くるっと後ろに振り向く彩音。
 その瞬間……ほんの一瞬だったが、バスタオルの切れ目から彼女の柔らかなしr……臀部でんぶが見えた。見てしまった。
 これが彩音の策士なのかは分からないが、俺は顔が急激に熱くなっているのを感じた。
 ご褒美……と思ってしまったら多分負けなのだろう、うん。

 一方彩音は俺に背中を向けたまま、平然と話し掛ける。

「どうだった?」
「どうって……何が?」
「興奮した?」
「……女の子なんだからそんな言葉を使うんじゃない」
「えへへ、安心してゆうにぃ。こういう事言うのはゆうにぃだけだよ?」

 俺の方に向き直ってウインクする彩音。
 不覚にもドキッとしてしまったが……まずは服を着てください。

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