俺の隣の席の人が毎日違うのですが?

Fuu

月曜日〜ヘレン①〜彼女が話してくれるそうです

月曜、今日はヘレンが学校に来る日なのだが。
現在昼休みの屋上、俺はそのヘレンを待っているのである。
時は遡り、昨日俺が寝ようとした時ちょうどメールが来た。相手を確認するまでは中学の時の友人からかな?と思ったのだが、メールが咲耶のスマホから来ているものだと分かり、とても不思議に思った。そして文を読むと

『明日の昼休み屋上で話したいことがある』

とだけ書かれていたのである。



なお、弁当は屋上に持ってきており、お互い弁当食べながら話をしよう的な流れである。
暫くもしないうちにヘレンが屋上へと到着して先に来ていた俺の方に来る。

「早かったのね、遅れてごめんなさい」

「別に大丈夫だけど、話の方?」

「そうね、今から言うわ。これから私たちの世界の事なんかを貴方に教えるわ」

俺は知らず知らずのうちに唾を飲み込んでいたのである。













「ーーーーーという訳なの」

ふむふむ、なるほどなるほど。

「えーとつまり、お前達は異世界の学校で一緒に通っていた生徒で、とある課題を四人でやっていたと。そしてその課題が転移結晶なる物の座標位置やらなんやらの調整をしたりしていたと。そして上手く作動するか試すため使ってみた所この世界に飛ばされて来て咲耶に出会った。と、言う訳なのか?」

「そうね、その解釈で間違ってないわ」

・・・転移ねぇ〜。てか、異世界の学校かなんだか凄そうな所だな。

「所で1つ気になったんだが、貴族とかって居たのか?」

「えぇ、勿論居るわよ。てか、私たち異世界に飛ばされた四人共貴族の家系よ?」

それがどうしたの?的な顔で居るのはどうなのかね?貴族さんや。にしても四人共貴族だったのか。若干期待してたけど、まさかまさかだなこりゃ。
俺が変な顔になっていたからかヘレンは心配そうな顔をして俺に問いかけてくる。

「変な顔になってたけど、大丈夫なの?」

「あぁ、すまない。少し驚いただけだから」

俺がそう返すとヘレンは何処か落ち着き悪そうというか、少し顔に陰を作るようにして呟くように喋り始めた。

「そうよね、そうに決まってるわよね。やっぱり知らない世界から来たとかそんなこと言ったら気味悪がられたりするのは当たり前よね」

.....はぁ?何言ってんの?

「俺がいつそんな事言ったよ」

「っ!だって、当たり前でしょ!未知の世界から来た未知の人なのよ!怖くないの!」

ヘレンが心から思ってる事を言っているのを叫ぶように俺はぶつけてくる。だけど

「怖くないよ。短い時間しかまだ過ごしてないけど。俺にはヘレンが悪い奴にも怖い奴にも見えない。むしろかなりお人好しだろ?」

そう言うとヘレンは顔を赤く染めて「ち、違うわよ!」なんて言っているが無視し、ヘレンに背を向け外を眺める。
俺は何も見てない。ヘレンの目から本人も気付いてないであろう涙が溢れていたのを。とても嬉しそうな笑みを浮かべていたのも。


彼女達の事を知った俺は彼女達の為になにかできる事をやりたいなと思ったのである。


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