【書籍化作品】無名の最強魔法師
親類の絆(3)
「ユウマさん、それは大変です!」
「そうだな」
ユリカの同意に頷きながら、【探索】の魔法を発動。
成人男性が走っても10分はかかる距離まで俺の魔法が存在する地形や生物を調べフィードバックしてくる。
それにより、イノンと思われる反応がエルフガーデンから出ようとしているのが確認できた。
思っていたよりも早い?
それに……さっきは気がつかなかったが、もう一つ緑色の光点が随意してる。
「これは……」
他にはエルフガーデンの集落に向かっているサマラの光点だけしか確認できない。
「どうかしたんですか?」
「お兄ちゃん?」
「いや、なんでもない。日が沈むまでは、一刻はあるはずだ。イノンについては俺が今から向かえに行けばすぐに追いつくと思う」
すかさず言葉を濁したが、妹だけが不安そうな表情で俺を見てくるが、確定ではない話を、今、この場でしても仕方がない。
まずはイノンに追いついて、動向してる人間を調べるのが先決だろう。
「それじゃ行ってくる」
「ユウマさん!!」
振り返るとリンスタットが、どう形容していいのか分からない表情をしている。
日が沈むまでにリネラスを助けなければ、2度とリネラスが目を覚まさないというエリンフィートの言葉に彼女は焦っている。
ただ、いまは……。
イノンの方が危険だ。
「悪いが、すぐに戻ってくる!」
リンスタットの返事を待たずに俺は建物から出ると【身体強化】の魔法を発動させ、辺り一面、倒れているエルフガーデンの木々の上を走る。
成人の大人が7分から8分ほど走る距離を詰めていく。
すると、イノンと思われる姿が目に飛び込んできた。
そして、その隣には……。
「エルス!」
俺は、ユゼウ王国で始めて出会った人物。
燃えるような赤い髪をした女性の名前を叫びながら二人の前に回り込む。
二人とも、目を見開いて俺を見ていたが――。
「やっぱり……ユウマさんは、すごいですね」
イノンは、肩を落としながら言葉を紡いできた。
「イノン、どういうことだ? どうしてユリーシャが率いる軍に属している奴と行動を共にしているんだ?」
「……」
「ユウマ、彼女は――」
「エルス、黙っていてくれ。どうして、イノンとエルスが一緒に行動をして……」
黙りこむイノンを見ながら、どうしてか分からないが何故かエルスと行動を共にしていることが、すんなりと納得できてしまう俺は居た。
「ユウマさん、ごめんなさい」
「――謝ってほしいわけじゃない。どうして、エルスと行動を共にしているのか、その理由を聞いているんだ」
「……」
沈黙で返してくることしかしない。
「それが……イノンの答えなのか?」
「私は……私は……」
「ユウマ、彼女はユリーシャ姫の妹なんだ」
エルスが言った言葉の意味が一瞬、理解できない。
「どういうことだ? 王族というのは血の繋がりがあるからこそ、王族なんだろう? イノンの両親は――」
途中で言葉を止める。
何故なら、イノンの両親は俺がフィンデイカの村についた時には殺されていたのだから。
そのことを再度、認識させるのは残酷だから最後の言葉を濁した。
「ユウマ、ユゼウ王国では魔法の力が強い者は王族として向かい入れられることがあるんだ」
俺の問いかけに答えてきたのはやはりエルスで……。
つまり――。
いや……だが……。
「ユリーシャとイノンが姉妹だとして、どうして――」
最後まで言い切ることが出来ない。
何故なら、今まで引っかかっていたことが……。
クルド公爵邸を強襲した時に、イノンが時間や日付について話してきたことがあった。
初めてユリーシャ軍と出会ったのはクルド公爵邸の時。
そのときは気にはならなかったが、あまりにもタイミングが良すぎないか?
それに……ネイルド公爵邸の時もそうだ。
あまりにもネイルド公爵領制圧が上手く行き過ぎて……。
「ごめんなさい。私、ユウマさん達の情報を……お姉ちゃん――ユリーシャに流していたました」
「俺たちの情報を? 何故……いや、どうして?」
「だって、命令だから……」
「命令? それって……。ど、どういう意味だ?」
「そうだな」
ユリカの同意に頷きながら、【探索】の魔法を発動。
成人男性が走っても10分はかかる距離まで俺の魔法が存在する地形や生物を調べフィードバックしてくる。
それにより、イノンと思われる反応がエルフガーデンから出ようとしているのが確認できた。
思っていたよりも早い?
それに……さっきは気がつかなかったが、もう一つ緑色の光点が随意してる。
「これは……」
他にはエルフガーデンの集落に向かっているサマラの光点だけしか確認できない。
「どうかしたんですか?」
「お兄ちゃん?」
「いや、なんでもない。日が沈むまでは、一刻はあるはずだ。イノンについては俺が今から向かえに行けばすぐに追いつくと思う」
すかさず言葉を濁したが、妹だけが不安そうな表情で俺を見てくるが、確定ではない話を、今、この場でしても仕方がない。
まずはイノンに追いついて、動向してる人間を調べるのが先決だろう。
「それじゃ行ってくる」
「ユウマさん!!」
振り返るとリンスタットが、どう形容していいのか分からない表情をしている。
日が沈むまでにリネラスを助けなければ、2度とリネラスが目を覚まさないというエリンフィートの言葉に彼女は焦っている。
ただ、いまは……。
イノンの方が危険だ。
「悪いが、すぐに戻ってくる!」
リンスタットの返事を待たずに俺は建物から出ると【身体強化】の魔法を発動させ、辺り一面、倒れているエルフガーデンの木々の上を走る。
成人の大人が7分から8分ほど走る距離を詰めていく。
すると、イノンと思われる姿が目に飛び込んできた。
そして、その隣には……。
「エルス!」
俺は、ユゼウ王国で始めて出会った人物。
燃えるような赤い髪をした女性の名前を叫びながら二人の前に回り込む。
二人とも、目を見開いて俺を見ていたが――。
「やっぱり……ユウマさんは、すごいですね」
イノンは、肩を落としながら言葉を紡いできた。
「イノン、どういうことだ? どうしてユリーシャが率いる軍に属している奴と行動を共にしているんだ?」
「……」
「ユウマ、彼女は――」
「エルス、黙っていてくれ。どうして、イノンとエルスが一緒に行動をして……」
黙りこむイノンを見ながら、どうしてか分からないが何故かエルスと行動を共にしていることが、すんなりと納得できてしまう俺は居た。
「ユウマさん、ごめんなさい」
「――謝ってほしいわけじゃない。どうして、エルスと行動を共にしているのか、その理由を聞いているんだ」
「……」
沈黙で返してくることしかしない。
「それが……イノンの答えなのか?」
「私は……私は……」
「ユウマ、彼女はユリーシャ姫の妹なんだ」
エルスが言った言葉の意味が一瞬、理解できない。
「どういうことだ? 王族というのは血の繋がりがあるからこそ、王族なんだろう? イノンの両親は――」
途中で言葉を止める。
何故なら、イノンの両親は俺がフィンデイカの村についた時には殺されていたのだから。
そのことを再度、認識させるのは残酷だから最後の言葉を濁した。
「ユウマ、ユゼウ王国では魔法の力が強い者は王族として向かい入れられることがあるんだ」
俺の問いかけに答えてきたのはやはりエルスで……。
つまり――。
いや……だが……。
「ユリーシャとイノンが姉妹だとして、どうして――」
最後まで言い切ることが出来ない。
何故なら、今まで引っかかっていたことが……。
クルド公爵邸を強襲した時に、イノンが時間や日付について話してきたことがあった。
初めてユリーシャ軍と出会ったのはクルド公爵邸の時。
そのときは気にはならなかったが、あまりにもタイミングが良すぎないか?
それに……ネイルド公爵邸の時もそうだ。
あまりにもネイルド公爵領制圧が上手く行き過ぎて……。
「ごめんなさい。私、ユウマさん達の情報を……お姉ちゃん――ユリーシャに流していたました」
「俺たちの情報を? 何故……いや、どうして?」
「だって、命令だから……」
「命令? それって……。ど、どういう意味だ?」
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