【書籍化作品】無名の最強魔法師
森の迷宮エルフガーデン攻略(4)
5メートルを超える巨大カブトムシを倒した後、今度はクワガタが突っ込んでくる。
まったく……実力の差も分からず突っ込んで来るとは愚かな――。
クワガタの顎角が俺を挟みこもうとしてくる。
「ふ……俺に勝てるとでも?」
俺は、挟もうとしてきたクワガタの両顎の角を両手で受け止め閉じさせない。
そのまま両顎の角を握りしめていた手に力を入れ5メートルはあるクワガタを持ち上げると天井に向けて投げつけた。
すさまじい早さで天井に叩きつけられ落下してくるクワガタは、迷宮内に落ちると土埃を巻き上げた。
「所詮は昆虫――俺の敵ではないな」
俺が勝利の優越感に浸っていると、後ろから肩を叩かれた。
振り向くと、そこには身長120センチくらいの1本のアホ毛を持つ茶髪ロングストレートの幼女が立っていた。
「主さま!」
「主さま?」
首を傾げずにはいられない。
どうして、こんな迷宮に幼女がいるのかが不思議でならない。
そういえば、さっきまで倒れていたカブトムシが見当たらないな。
もしかして……そんなバカな事があるわけが……。
「はい! 私はカブトン族の長にして最強の一本角を持つ最強の昆虫! カブリキスト・ヘラクレス・キルト・ベル・オールド・ナルベルト・アウダルト・ヴローケン・メルバルト・エルナ・ユキと言います」
「なげーよ! お前の名前なげーから! 覚えられないから!」
「すいません。由緒正しい名前ですので……それではユキとお呼びください」
なるほど、ユキか……とても日本人らしい名前だな。
「――で、さっき俺と戦ったカブトムシがお前で間違いないのか?」
「カブトムシ? 主さま! カブトンとお呼びください!」
「いや、どっちも同じだろ?」
俺の言葉に顔を真っ赤にするとカブトンじゃなくてユキは「我々は由緒正しきカブトン族なのです! カブトン以外は認められません!」と、語っている。
ほんと、どうでもいいな……。
「ま、まて……」
後ろからも声が聞こえてくる。
その声は裏がっており呼吸がうまく出来てないように思われる。
ただ俺の天才的な頭脳は後ろにいる奴がアホ毛が2本ある美少女だと言うことが分かっている。
どう考えても、流れ的から言ってそんな感じだろう。
振り返る。
そして、立っている者を見る。
俺の予想通り、そこにはアホ毛を2本立たせている黒髪ショートヘアの美少女が立っていた。
クワガタは、自分が見られたことに気が付くと、マントを翻し「我が名は! クワトン族の英雄クワタリアの娘にして空を飛ぶことができない唯一のクワトン族メルーシャである!」と、自己紹介してきた。
「えーと、あー……」
俺は額に手を当てながら、何とリアクションしていいか迷ってしまう。
まさか、迷宮攻略にきてこんな連中がいるとは思ってもみなかったからだ。
「まぁ、メルーシャとユキの自己紹介は何故か知らないが受けたが……それじゃあな!」
これ以上、この二人と関わってると大変な事になるのが何故か分かる。
ここは、颯爽と解散して4階層に向かった方がいいだろう。
「まってください!」
「まってくださいよお!」
二人して俺の両手を掴むと離れる事を阻止してくる。
「なんだよ、俺は忙しいんだよ。お前らに付き合う余裕はないんだよ。分かるか?」
「「はい! 分かっています」」
俺の言葉に反応したのは二人とも。
まぁ、分かっているならいい。
とりあえず俺はこんなところには居られないから4階に向かわせてもらおう。
歩き出すと、また両手が引っ張られた。
「なんだよ? 何か要があるなら言ってくれ」
「あの主様のお名前を頂けませんか? 名前が分かりませんと不便ですし……」
「別にお前らの主でも何でもないが、俺はユウマと言わている」
俺の言葉を聞いた二人は「主の名前はユウマさん、主の名前はユウマさん」と何度も独り言を呟き始めた。
正直見ていて怖いし、どうして俺が主なのか意味不明だ。
「それでは、私を!」
「私も私も!」
「「メスを決闘で倒したオスの元には嫁ぐのが仕来りなんです!」」
――と二人同時に言葉をハモらせて語りかけてきた。
「だが、断る!」
「「そんなああああああああー……」」
二人とも絶望感を抱いたハイライトがない瞳で俺を見てくるが、昆虫と人が一緒になるなんて無理だからな! 種族違うし……。
まったく……実力の差も分からず突っ込んで来るとは愚かな――。
クワガタの顎角が俺を挟みこもうとしてくる。
「ふ……俺に勝てるとでも?」
俺は、挟もうとしてきたクワガタの両顎の角を両手で受け止め閉じさせない。
そのまま両顎の角を握りしめていた手に力を入れ5メートルはあるクワガタを持ち上げると天井に向けて投げつけた。
すさまじい早さで天井に叩きつけられ落下してくるクワガタは、迷宮内に落ちると土埃を巻き上げた。
「所詮は昆虫――俺の敵ではないな」
俺が勝利の優越感に浸っていると、後ろから肩を叩かれた。
振り向くと、そこには身長120センチくらいの1本のアホ毛を持つ茶髪ロングストレートの幼女が立っていた。
「主さま!」
「主さま?」
首を傾げずにはいられない。
どうして、こんな迷宮に幼女がいるのかが不思議でならない。
そういえば、さっきまで倒れていたカブトムシが見当たらないな。
もしかして……そんなバカな事があるわけが……。
「はい! 私はカブトン族の長にして最強の一本角を持つ最強の昆虫! カブリキスト・ヘラクレス・キルト・ベル・オールド・ナルベルト・アウダルト・ヴローケン・メルバルト・エルナ・ユキと言います」
「なげーよ! お前の名前なげーから! 覚えられないから!」
「すいません。由緒正しい名前ですので……それではユキとお呼びください」
なるほど、ユキか……とても日本人らしい名前だな。
「――で、さっき俺と戦ったカブトムシがお前で間違いないのか?」
「カブトムシ? 主さま! カブトンとお呼びください!」
「いや、どっちも同じだろ?」
俺の言葉に顔を真っ赤にするとカブトンじゃなくてユキは「我々は由緒正しきカブトン族なのです! カブトン以外は認められません!」と、語っている。
ほんと、どうでもいいな……。
「ま、まて……」
後ろからも声が聞こえてくる。
その声は裏がっており呼吸がうまく出来てないように思われる。
ただ俺の天才的な頭脳は後ろにいる奴がアホ毛が2本ある美少女だと言うことが分かっている。
どう考えても、流れ的から言ってそんな感じだろう。
振り返る。
そして、立っている者を見る。
俺の予想通り、そこにはアホ毛を2本立たせている黒髪ショートヘアの美少女が立っていた。
クワガタは、自分が見られたことに気が付くと、マントを翻し「我が名は! クワトン族の英雄クワタリアの娘にして空を飛ぶことができない唯一のクワトン族メルーシャである!」と、自己紹介してきた。
「えーと、あー……」
俺は額に手を当てながら、何とリアクションしていいか迷ってしまう。
まさか、迷宮攻略にきてこんな連中がいるとは思ってもみなかったからだ。
「まぁ、メルーシャとユキの自己紹介は何故か知らないが受けたが……それじゃあな!」
これ以上、この二人と関わってると大変な事になるのが何故か分かる。
ここは、颯爽と解散して4階層に向かった方がいいだろう。
「まってください!」
「まってくださいよお!」
二人して俺の両手を掴むと離れる事を阻止してくる。
「なんだよ、俺は忙しいんだよ。お前らに付き合う余裕はないんだよ。分かるか?」
「「はい! 分かっています」」
俺の言葉に反応したのは二人とも。
まぁ、分かっているならいい。
とりあえず俺はこんなところには居られないから4階に向かわせてもらおう。
歩き出すと、また両手が引っ張られた。
「なんだよ? 何か要があるなら言ってくれ」
「あの主様のお名前を頂けませんか? 名前が分かりませんと不便ですし……」
「別にお前らの主でも何でもないが、俺はユウマと言わている」
俺の言葉を聞いた二人は「主の名前はユウマさん、主の名前はユウマさん」と何度も独り言を呟き始めた。
正直見ていて怖いし、どうして俺が主なのか意味不明だ。
「それでは、私を!」
「私も私も!」
「「メスを決闘で倒したオスの元には嫁ぐのが仕来りなんです!」」
――と二人同時に言葉をハモらせて語りかけてきた。
「だが、断る!」
「「そんなああああああああー……」」
二人とも絶望感を抱いたハイライトがない瞳で俺を見てくるが、昆虫と人が一緒になるなんて無理だからな! 種族違うし……。
コメント
ノベルバユーザー322977
異世界だから...異世界だから。
見習いにゅーびー
これは…突っ込んでも異世界だから、ですまされるかもしれないけど。
角あるカブトムシクワガタは…オスなので…すこしおかしいのでは?