【書籍化作品】無名の最強魔法師
女性騎士がやってきた!
防衛戦を開始してからすでに2週間が経過していた。
「ヤンクルさん、イルスーカ公爵様領は、そんなに遠いところに住んでいるんですか?」
冒険者をしていたと言うヤンクルさんなら多少なら世界の事情に詳しいかも知れない。
俺は今まで、聞いていなかったことを聞くことにした。
すでに俺は塀の上でグターっと寝そべっており魔力っぽい何かがほとんどないのだ。
はやく来てくれないとマジ詰んじゃう。
「そうだね。この村から3日くらいの距離かな?」
ふむ、3日の距離か。
つまり……村長一家が逃げた後に2週間も経って音沙汰ないという事は、もしかしたら領主に報告に行ってない可能性もあるんじゃ?
「ヤンクルさん、俺……めっちゃやばい事考えたんですけど……もしかしたら領主とかこの話知らないんじゃないですか?」
俺の言葉にヤンクルさんは頭を振る。
「それはない。一応、どこの領主も一週間に一回は定期連絡をするように全ての村に言ってるから連絡がこないな?おかしいな?くらいは思ってるはずだよ」
「へー」
俺は頷きながらも考える。
ということは不審に思ってから調査して軍を出すまでは一ヶ月近くかかるんじゃないだろうか?
あと2週間も、この状態を維持するとかマジで無理なんだけど。
「ヤンクルさん、一つ気になった事があるんですけど……」
「なんだい?」
「この村が所属しているアルネ王国と、ウラヌス十字軍が存在している国って仲悪いんですか?」
俺の質問にヤンクルさんはふむと顎に手を当ててから考える仕草をした。
ヤンクルさんも中々の美形な為、そんな仕草がとても似合う。
俺の知識の中では、両親の遺伝を受けつけば金髪碧眼の西洋人風になるはずなんだが、何故か成長するごとに東洋人ぽくなっていく俺とは大きな差だ。
しかも村の中で俺だけ黒目黒髪だし。
「そうだね、一応はアルネ王国とウグヌス教国は30年前まで戦争をしていたんだ。それが両国の衰退に繋がるという理由で、停戦したと私は聞いた」
「つまり、現在、アルネ王国とウラヌス教国は停戦状態ってことですか?」
「そうなるね」
おいおいマジかよ。
停戦している国に対して十字軍を派遣して攻めてくるとか頭おかしい。
しかも中世時代に5000人規模の軍隊を投入するって事は、間違いなく国も関与してると見て間違いない。
魔王を手に入れるためと言っていたけど間違いなく戦争で使うつもりだろう。
「ヤバイですね。間違いなく……」
「……こちらから手を出したら戦争の口実に使われるだろうね」
俺の言葉を引き継いで話したヤンクルさんの言葉に俺は相槌を打つ。
きっと向こうから攻めてきたのに、いつの間にか俺たちが悪くなっているパターンだろう。
こちらを全滅させて口封じした後に、適当な話を作って戦争口実に使うんだろうな。
そんな事を考えていると……
「たいへんです!ユウマ村長!」
村の方から焦りを含んだ声が聞こえてきた。
声がした方向へ視線を向けると、走ってきたのか息を切らせて俺を見上げてる男性がいた。
「どうかしましたか??えーと……」
名前が出てこない。
えーと、名前名前……たしか、ふで始まる名前だった気が……。
「(川で魚をよく取ってきてくれるフイッシュさんだよ!)」
小声でヤンクルさんが教えてくれる。
「どうかしましたか!フイッシュさん」
言い直した俺を見てなにやら冷たい視線を向けてくるフイッシュさんに俺は冷や汗を垂らす。
「フイッシュさん?」
俺の言葉にハッ!としたフイッシュさんが話し始める。
「はい、実は南の方から軍馬らしき物に乗った女性が現れて村長を出せと言ってきました」
フイッシュさんの言葉に俺とヤンクルさんが顔を見合わせる。
フイッシュさんは現在、川まで行けず魚が供給出来ないという事から村の周辺の壁の上を歩いて周囲を巡回してもらっているのだ。
その時に女性に見つかって話しかけられたのだろう。
俺は、ウラヌス十字軍の方へ視線を向ける。
いまの時間帯はもうすぐ夕暮れと言う事もあり、ウラヌス十字軍は攻撃を止め。野戦食や寝床の準備をしている。
明日の朝まで攻めてくる事はないだろうし会いにいくなら丁度いい時間帯だな。
「ヤンクルさん、俺はその女性に会ってきますので見張りを頼みます」
俺はすぐに壁の上から跳躍して村側に降りて、フイッシュさんに近づく。
自分の体とは思えないほど体が重く感じる。
おそらくはあと、2日も防衛できないだろう。
「フイッシュさん。それでは案内してもらえますか?」
俺の言葉にフイッシュさんは頷く。
そして彼に、女性が待っていると言う場所まで案内してもらう。
「この向こう側にいるんですか?」
俺はフイッシュさんに確認を取ると頷いてくれる。
壁の上に跳躍して立ち、前方へ視線を向ける。
すると100メートル先に、30騎の騎馬兵と一人の女性騎士の姿が見えた。
俺は跳躍しながら掘りの外に向かう。
そして、女性騎士の前に降り立つ。すると全員が抜刀して俺に武器を突きつけてきた。
「貴様は何者だ?この村の者か?」
女性騎士が俺に向けて問いかけてくる。
俺は懐から村長から渡された書簡を取り出して差し出す。
書簡を俺から受け取った女性騎士は、書簡に目を通していと僅かに威圧感が減った気がした。
「―――なるほどな、思っていた通りだったというわけだな。おい、貴様!名前はなんと言う?」
「ユウマです。一応代理で村長をしています」
俺は両手を頭の上で組んだまま女性騎士の質問に答えると女性騎士はため息をついてから、抜いていたサーベルを腰に戻した。
「ヤンクルさん、イルスーカ公爵様領は、そんなに遠いところに住んでいるんですか?」
冒険者をしていたと言うヤンクルさんなら多少なら世界の事情に詳しいかも知れない。
俺は今まで、聞いていなかったことを聞くことにした。
すでに俺は塀の上でグターっと寝そべっており魔力っぽい何かがほとんどないのだ。
はやく来てくれないとマジ詰んじゃう。
「そうだね。この村から3日くらいの距離かな?」
ふむ、3日の距離か。
つまり……村長一家が逃げた後に2週間も経って音沙汰ないという事は、もしかしたら領主に報告に行ってない可能性もあるんじゃ?
「ヤンクルさん、俺……めっちゃやばい事考えたんですけど……もしかしたら領主とかこの話知らないんじゃないですか?」
俺の言葉にヤンクルさんは頭を振る。
「それはない。一応、どこの領主も一週間に一回は定期連絡をするように全ての村に言ってるから連絡がこないな?おかしいな?くらいは思ってるはずだよ」
「へー」
俺は頷きながらも考える。
ということは不審に思ってから調査して軍を出すまでは一ヶ月近くかかるんじゃないだろうか?
あと2週間も、この状態を維持するとかマジで無理なんだけど。
「ヤンクルさん、一つ気になった事があるんですけど……」
「なんだい?」
「この村が所属しているアルネ王国と、ウラヌス十字軍が存在している国って仲悪いんですか?」
俺の質問にヤンクルさんはふむと顎に手を当ててから考える仕草をした。
ヤンクルさんも中々の美形な為、そんな仕草がとても似合う。
俺の知識の中では、両親の遺伝を受けつけば金髪碧眼の西洋人風になるはずなんだが、何故か成長するごとに東洋人ぽくなっていく俺とは大きな差だ。
しかも村の中で俺だけ黒目黒髪だし。
「そうだね、一応はアルネ王国とウグヌス教国は30年前まで戦争をしていたんだ。それが両国の衰退に繋がるという理由で、停戦したと私は聞いた」
「つまり、現在、アルネ王国とウラヌス教国は停戦状態ってことですか?」
「そうなるね」
おいおいマジかよ。
停戦している国に対して十字軍を派遣して攻めてくるとか頭おかしい。
しかも中世時代に5000人規模の軍隊を投入するって事は、間違いなく国も関与してると見て間違いない。
魔王を手に入れるためと言っていたけど間違いなく戦争で使うつもりだろう。
「ヤバイですね。間違いなく……」
「……こちらから手を出したら戦争の口実に使われるだろうね」
俺の言葉を引き継いで話したヤンクルさんの言葉に俺は相槌を打つ。
きっと向こうから攻めてきたのに、いつの間にか俺たちが悪くなっているパターンだろう。
こちらを全滅させて口封じした後に、適当な話を作って戦争口実に使うんだろうな。
そんな事を考えていると……
「たいへんです!ユウマ村長!」
村の方から焦りを含んだ声が聞こえてきた。
声がした方向へ視線を向けると、走ってきたのか息を切らせて俺を見上げてる男性がいた。
「どうかしましたか??えーと……」
名前が出てこない。
えーと、名前名前……たしか、ふで始まる名前だった気が……。
「(川で魚をよく取ってきてくれるフイッシュさんだよ!)」
小声でヤンクルさんが教えてくれる。
「どうかしましたか!フイッシュさん」
言い直した俺を見てなにやら冷たい視線を向けてくるフイッシュさんに俺は冷や汗を垂らす。
「フイッシュさん?」
俺の言葉にハッ!としたフイッシュさんが話し始める。
「はい、実は南の方から軍馬らしき物に乗った女性が現れて村長を出せと言ってきました」
フイッシュさんの言葉に俺とヤンクルさんが顔を見合わせる。
フイッシュさんは現在、川まで行けず魚が供給出来ないという事から村の周辺の壁の上を歩いて周囲を巡回してもらっているのだ。
その時に女性に見つかって話しかけられたのだろう。
俺は、ウラヌス十字軍の方へ視線を向ける。
いまの時間帯はもうすぐ夕暮れと言う事もあり、ウラヌス十字軍は攻撃を止め。野戦食や寝床の準備をしている。
明日の朝まで攻めてくる事はないだろうし会いにいくなら丁度いい時間帯だな。
「ヤンクルさん、俺はその女性に会ってきますので見張りを頼みます」
俺はすぐに壁の上から跳躍して村側に降りて、フイッシュさんに近づく。
自分の体とは思えないほど体が重く感じる。
おそらくはあと、2日も防衛できないだろう。
「フイッシュさん。それでは案内してもらえますか?」
俺の言葉にフイッシュさんは頷く。
そして彼に、女性が待っていると言う場所まで案内してもらう。
「この向こう側にいるんですか?」
俺はフイッシュさんに確認を取ると頷いてくれる。
壁の上に跳躍して立ち、前方へ視線を向ける。
すると100メートル先に、30騎の騎馬兵と一人の女性騎士の姿が見えた。
俺は跳躍しながら掘りの外に向かう。
そして、女性騎士の前に降り立つ。すると全員が抜刀して俺に武器を突きつけてきた。
「貴様は何者だ?この村の者か?」
女性騎士が俺に向けて問いかけてくる。
俺は懐から村長から渡された書簡を取り出して差し出す。
書簡を俺から受け取った女性騎士は、書簡に目を通していと僅かに威圧感が減った気がした。
「―――なるほどな、思っていた通りだったというわけだな。おい、貴様!名前はなんと言う?」
「ユウマです。一応代理で村長をしています」
俺は両手を頭の上で組んだまま女性騎士の質問に答えると女性騎士はため息をついてから、抜いていたサーベルを腰に戻した。
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コメント
ノベルバユーザー322977
フイッシュで草
ノベルバユーザー89126
なんで敵軍寝る時間与えてくれてるの