お兄ちゃんがお母さんで、妹が甘えん坊なお話

ただのものかき

な、なんか…恥ずかしい…

「こ…これで…いいか?…」
「うん…」

恥ずかしさと不安が入り混じった心境を表す表情の涼羽。
妹のお願いで、上半身に着ていたものを全て脱ぎ去り、自室の真ん中に敷いた布団の上に仰向けにその身をおいている。

今、涼羽は細くピッタリとフィットした青色のジーンズと同じ青色の靴下のみで、上半身のみが完全に晒されている状態だ。

男っぽさにかけ、どちらかといえば女性的なライン。
瑞々しくすべすべで、無駄毛もまったくといっていいほど皆無な涼羽の体。
それを、妹である羽月の無垢な視線が遠慮なく捉える。

「お兄ちゃん…」
「な、なんだ?…」
「お兄ちゃんの体って、すっごく細くて…でもすっごく綺麗…」
「そ…そっか?…(な…なんだろ…なんで俺…こんなに恥ずかしいんだろ?…)」

剥き出しの肌に自分以外の誰かの視線を感じる。
その視線は実の妹のものなのに…体の奥からじわじわと広がっていくかのような羞恥。

男である自分が、胸やお腹を見られただけなのに感じてしまう羞恥。
その羞恥に自身がどんどん侵食されていく感覚に耐え切れず…

「ほ、ほら!!羽月!!早く…早く終わらせようぜ!!」

半ばせかすかのように妹の行動を促す。

「うん…」

少し名残惜しさを含んだ表情で、自身の体を仰向けに横たわっている兄の体に覆い被せる。
年の割に凹凸のハッキリした…女性らしい豊かで柔らかい妹の体の感触が、涼羽の体から神経を通して脳に伝わる。
その瞬間――――

「んっ!…」

少し艶を含んだ声が、部屋の中に漏れてしまう。

「!お、お兄ちゃん?」

そんな兄の様子に慌てて顔を上げ、兄に声かける羽月。

「あ……だ、大丈夫!大丈夫だから…」
「本当?本当に大丈夫?」
「大丈夫!だから、このまま続けようぜ」
「う、うん」

何事もないかのように装う兄の言葉に促され、改めて兄の体に自分の体を覆わせる。
涼羽は、改めて妹の体の感触を感じる。
羽月は羽月で、兄の男とは思えないほどに美しい肌の感触にほう、と感嘆の溜息を漏らしてしまう。

「(こ、こいつ…ちっちゃい割に胸、大きいんだな…それに、柔らかい…)」
「(お兄ちゃんの体…すべすべで男の人みたいなゴツゴツした感じがなくて…本当に綺麗…)」

兄と妹が、互いの体の感触を感じながらもそれぞれの感想を脳裏に浮かべる。
兄は妹の女性としての成長具合に感嘆を。
妹は兄の美しい肌とボディラインに感嘆を。

「お兄ちゃん…おっぱい、吸うね…」
「あ、ああ…」

妹の求める想いが声に変わる。
そしてその声に戸惑いながらも応える兄。
それと同時に――――

「!!ひあああああっ!!」

右の胸から、まるで電気が通り抜けるかのような感覚が。
その瞬間、まるで女性のような甲高い嬌声が、涼羽の口から漏れる。

「ん……」

妹の羽月が、兄である涼羽の胸にある桜に色づいた飾りを口に含み、そっと吸い始めたのだ。
兄の胸に顔を埋め、そのまま母に甘えるように兄の胸に吸い付く羽月。

「んっ!!……ま、まっ…んうっ!!……」

突然の刺激に耐え切れず、涼羽は思わず妹の体を持ち上げ、自分の体から離してしまう。

「お兄ちゃん…だめ…もっと…もっとおっぱい吸いたい…」
「ま、待って…い、いきなりこんなの…俺、耐えられない…」
「お兄ちゃんって…感じやすいんだ…すごい声だったよ…」
「!!そ、そんなこと言うなよ…」
「お兄ちゃんのおっぱい…おいしいの…もっと、もっとお兄ちゃんのおっぱい欲しいの…」
「い、いや…味なんてあるわけないだろ…」
「お願い…お兄ちゃん…」

まさに大好物を取り上げられた赤子のように、今にも泣き出しそうな表情で兄に懇願する羽月。
ずっと妹を護ってきた涼羽にその表情に抗う術などなく…

「う…わ…分かったよ…」
「ありがとう、お兄ちゃん…大好き」
「し、仕方ねーだろ…」
「えへへ…お兄ちゃんのおっぱい…」
「ちょ、ちょっと待って!!」
「何?」
「あ…あの…えっと…」

寸前でお預けされて少し不機嫌な様子を隠せない妹に、涼羽はらしくない歯切れの悪い様子。
すでに真っ赤に染まっている頬が心なしかさらにその羞恥の朱が濃くなったかのようだ。

「どうしたの?お兄ちゃん?」
「あの…その…な、なんだ…」
「?」
「…や……」
「や?」
「…や…優しく…してくれ…よな……」

消え入りそうな声で吐き出した兄の懇願…。
言った後、もうどうしようもないと言わんほどの羞恥に襲われる涼羽。

「うん…優しくするね…えへへ…」
「…な、なんだよ?…」

純真無垢な笑顔の中にどことなくいたずら好きな小悪魔な感じが混ざった表情の羽月。
そんな妹に、少し憮然とした感じで問いかける。

「今のお兄ちゃん…すっごく可愛かった…えへへ…」
「!!~~~~~~~~~」

3つも年下の実の妹に「可愛い」などと言われる羞恥…。
それはもう自分の上に覆いかぶさっている妹の顔をまともに見ることすらできなくなるほど。
羞恥に染まった顔を妹の視線から逸らし、しかしどうすることもできない涼羽。

そんな涼羽の羞恥の時間はまだ続く…。

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