お兄ちゃんがお母さんで、妹が甘えん坊なお話

ただのものかき

涼羽ちゃん…ちょうだい♪

「涼羽ちゃん…もっと…」
「ふふ、はいはい…」

週始めの月曜の昼休み。
この時間帯には、まず人がいないであろう、体育倉庫の中。

内側から鍵がかけられているこの密室。
その中で、敷かれたマットの上に身体を横たわらせている少年。
その少年の上に覆いかぶさるように抱きつき、べったりと甘えている少女。

高宮 涼羽と、柊 美鈴の二人である。

もう一度言うが、状況は密室。
しかも、年頃の男女が二人っきり。

にも関わらず、こんな間違いや色事と無縁な…
それでいて、とても甘く…
それでいて、とても優しい雰囲気。

押し倒される形で、上から美鈴にべったりと抱きつかれている涼羽。
その涼羽の手が、美鈴の頭を優しく撫で続けている。

もともとの造詣もあり、まるで女神のような慈愛に満ちた…
可愛らしく、優しい笑顔を見せる涼羽。

そして、その顔を目の前の美鈴に向け続けている。

そんな涼羽を見る度に、美鈴の涼羽に対する愛情が高まっていく。
そんな涼羽にこうして甘えさせてもらう度に、美鈴の涼羽に対する愛情が膨れ上がっていく。

母の胸の中で、優しく包み込まれている幼子。

まさにそれを思わせる、ふにゃりとした幸せそうな笑顔。

美鈴の顔には、ずっとその笑顔が浮かんでいる。

「ふふ…美鈴ちゃん、可愛い」
「!ほんと?」
「うん。美鈴ちゃんって、こんなに甘えん坊さんだったんだね」
「誰にでもじゃないもん」
「?」
「涼羽ちゃんだから、こんなにも甘えん坊になっちゃうんだもん」
「………」
「だから、もっとぎゅってして?もっと、なでなでして?」
「…ふふ…可愛い可愛い…」

べったりと自分に甘えてくる美鈴が可愛くて、優しげな言葉がその唇から音として紡いでしまう涼羽。
そんな涼羽の言葉に、美鈴はさらに嬉しそうな顔を浮かべる。

他の人間には、決して見せることのない、美鈴の甘えん坊な姿。
それを見せるのは、目の前にいる…

自分にとって、今この世で一番大好きな人だけ。

そんなことを言ってくる美鈴がより可愛らしく見えて…
もっとべったりと甘えてくる美鈴がより可愛らしく見えて…

よりとろけるような優しさで、美鈴の頭を撫で…
よりその慈愛で包み込むように、美鈴の身体を抱きしめる。

とても、密室で二人っきりの状況下にいる、年頃の男女のやりとりとは思えない…
そのほのぼのとした、とろけるように甘く優しい雰囲気。

周囲から見れば、ぽやぽやとした、色気のかけらもないその光景。

しかし、それでいてとても幸せそうな光景。

「ねえ、涼羽ちゃん」
「?なあに?美鈴ちゃん?」

鼻と鼻が触れ合うほどの至近距離での、美鈴の甘えた感じの呼びかけ。
その呼びかけに、優しく声を返す涼羽。

すでにお母さんモードにスイッチしている涼羽の、その優しく甘やかな声。

それを向けてくれていることに、美鈴はさらに喜びを感じてしまう。

「あのね…」
「うん?」

どことなく、恥らうかのような…
どことなく、ためらうかのような…

そんな、美鈴の声。

そんな声にも、その優しげな笑顔を崩すことなく、次の言葉を待つ涼羽。

しかし、美鈴の次の言葉で、涼羽はその表情を崩すこととなってしまう。

「私、涼羽ちゃんのおっぱい欲しい」

涼羽にとっては、予想だにしていなかったまさかの要求。
しかし、言った美鈴もさすがに恥ずかしかったのか、その頬を朱色にうっすらと染めてしまっている。

「!!え……」

言われた涼羽の方は、先程までの笑顔が崩れ…
戸惑いの表情となってしまっている。

「涼羽ちゃんのおっぱい、すっごくおいしくて…」
「え…え…」
「涼羽ちゃんのおっぱいちゅうちゅうしてる時、すっごく幸せだったの」
「あ、あの…」
「お願い、涼羽ちゃん」
「み、美鈴ちゃ…」
「…だめ?」

まさか、自分の妹と同じことを求めてくるなんて。

美鈴のそんな要求に、涼羽の戸惑いはどんどん膨れ上がってしまう。

そんな涼羽を置いてけぼりにする勢いで、美鈴は言葉を紡ぎ…
最後には、じっと見つめながらの懇願。

ああ、だめだ。
そんな風にお願いされたら…

もうこの時点で、涼羽の抗う術はなくなってしまったも同然。

涼羽のお母さんな本質が、このお願いを無碍に断ることをさせてくれない。
涼羽のお母さんな本能が、このお願いを聞き入れてあげたいと、抗うことを許さない。

涼羽にとってはあまりにも恥ずかしい行為になるのだが…
どうしても、抗えない。

「…い、いいよ…」

だから、羞恥に頬を染めながらも、肯定の言葉をその唇が紡いでしまう。
これからどうされるのか。

普段から妹に求められ…
最近ではそれが当然と言わんばかりに、半ば無理やりその華奢な上半身をむき出しにされ…
妹の気の済むまで、その胸に吸い付かれてしまう。

あの行為を、この目の前のクラスメイトにもされる…

そう思っただけで、涼羽の羞恥は爆発的に膨れ上がってしまう。

なのに、抗えない。
なのに、無碍にできない。

高宮 涼羽という少年は、本当にお母さんな性分なのだろう。

「!ほんと!?」

そして、そんな涼羽の受け入れの言葉を聞いた美鈴の表情が、ぱあっと明るくなる。

あの幸せを、また味わえる。
そう思っただけで、美鈴の表情がふにゃりとしてしまう。

それに、今の時点でこれでもかと言うほどに恥ずかしがっている涼羽の姿。

そんな涼羽が、心底可愛らしくて…

そんな涼羽の顔を見るだけで、むちゃくちゃにしてしまいたくなる。

「…う、うん…」
「えへへ~♪ありがとう!涼羽ちゃん!」
「…うう…」

される前からすでに恥ずかしいのか、すでに耳まで真っ赤にしている涼羽。
その様子は、まさに犯罪的な可愛らしさに満ち溢れている。

そんな涼羽が心底可愛くて、美鈴の顔にまた幸せが浮かんでくる。

「えへへ♪涼羽ちゃんのおっぱい♪」

すでに了承の言葉はもらっている。
あとは、そのやりたいことを実施するだけ。

そして、それを実施するためには邪魔以外の何物でもない…

涼羽の上半身を覆う、その制服。

学校指定のそのブレザーの前を開き…
その中の、真っ白なブラウスの前も開き…

きっちりと着込まれた制服の前が、お腹の方まではだけられ…

涼羽の華奢な胸を覆う、白のタンクトップが、外気に晒される。

「…うう…恥ずかしい…」

妹にこうして上半身をむき出しにされるのも、非常に恥ずかしかったのだが…
それを他人であるクラスメイトにされるのは、これまた一層に恥ずかしいものがある。

その懇願を受け入れてしまったゆえに、抗うこともできず。
かといって、自分から脱ぐなんてこともできない。

今、容赦なく自分に襲い掛かる羞恥から目をそらすかのように…
その恥ずかしさに満ちた、男とは思えないほどの美少女顔をそらしてしまう。

「(!ああ~…恥ずかしがってる涼羽ちゃんって、ほんとに可愛い~!!)」

そんな涼羽が、心底可愛くてたまらない美鈴。
そんな涼羽を見てしまって、その手の動きがよりせかせかとなってしまう。

そして、涼羽の身体を覆う最後の砦となってしまっている、そのタンクトップ。
それに手をかけ、上の方までゆっくりとめくりあげていく。

「…あうう…」

じょじょにめくりあげられていくタンクトップの下。
そこから、涼羽の細い腰が見えてくる。

女性のようにまろやかで、それでいて無駄のないお腹。
そして、まるでくびれているかのような、細い腰。

羞恥に耐え続ける涼羽をさらに辱めるかのように、美鈴の目は、じっとそこを見ている。

「(すっご~い…男の子なのに、ほんとに細くて、それでいて綺麗…)」

女の子である美鈴から見ても、本当に綺麗で細い、涼羽の腰。
こうしてじっくりと見てみると、本当によく分かる。

年頃の男子でありながら、無駄毛など皆無と言えるその肌。
肌も、すべすべでみずみずしく。
正直、男の肌とは思えないほど。

そして、さらにタンクトップがめくりあげられ…

その華奢で、それでいて柔らかな胸までが外気に晒されることとなってしまう。

「(は、恥ずかしい…)」

男子の胸というには、何かが違う。
男子の身体のような、筋張った固い感じがなく…

どちらかといえば、女子のような、丸みと柔らかさを帯びた感じの身体。

性別は確かに男なので、胸のふくらみなどは一切ないのだが…
ただ、そのふくらみを取り除いただけともいえる、その胸。

いうなれば、『男子の胸』というよりは、『大きさが残念な女子の胸』といった感じなのだ。

その胸の中にある、ぽつんと自己主張している、桜に色づいたその飾り。

それこそ、今の美鈴が最も欲しいと思っているところ。

「じゃあ、いただきます」

目で、涼羽のその身体をしっかりと堪能し、すでにご満悦状態の美鈴。
そして、今度は味覚、そして触覚で、涼羽の身体を味わうこととなる。

美鈴のその唇が、涼羽の右の飾りを覆い、隠してしまう。

「!ふうっ!…」

その感覚に、涼羽の唇から甘い声が漏れ出てしまう。

しかし、ここは自宅という、私的な空間ではなく…
学校という、公的な外の空間。

いかに密室で、相手がそれなりに気心の知れた美鈴であるとはいえ…
いうなれば、外で自らの肌を晒しだされ、さらにはその胸に吸い付かれていることに変わりはないのだ。

その事実が、涼羽の身体をより鋭敏にしてしまう。
そして、その背筋を直接なぞられるかのような感覚を、より過敏に感じてしまう。

外の空間でそんな様子を晒し…
さらには、普段は絶対に出すことのない甘い声を漏らしてしまっている。

それが耐えられないのか、涼羽は思わず片手で口を押さえてしまう。

「ん…ちゅうっ…」

そんな涼羽の胸をより味わうかのように…
自らの唇で覆ったそれに、さらに吸い付いていく。

「!んんっ!」

その瞬間、涼羽の身体がびくんと大きく震え上がる。
手で押さえている口から、くぐもった声が漏れ出てしまう。

恥ずかしい。
恥ずかしくて、たまらない。

今の自分が、どれほど羞恥に顔を染めているのか。

想像したくもない。

その思いから、涼羽は顔を美鈴からそらし続けている。

そんな羞恥に染まった顔を、見られたくない。

その思い、一つで。

しかし、まだ始まったばかりの状態。

すでに際限なく羞恥に襲われている涼羽。

その涼羽に、美鈴がより甘えてくる。

そんな二人のこのやりとりは、まだ、始まったばかり。

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