Creation World Online
80話
「さて、そろそろ話してもらおうか?」
あれから数十周程同じ動きをさせた後、2人を地面に拘束した。
俺は目の前で吐いている2人を見ながらそう言った。
「はぁ…やっと終わっ_オロロロ!」
「グスッ…怖_オロロロ!」
「泣くか吐くかどっちかにしろよ…」
正直男の泣き顔と嘔吐なんて誰得なんだよ、いや女のでも得しないけどさ。
流石に汚物で汚れるのは可哀想なので【世界介入】により、汚物を削除する。
そして、アイテムボックスからグラスを2つと水の入った水挿しを取り出す。
「ほら、飲むと良い」
「すまない…」
シモンはそう言ってグラスを受け取る、そこに水を注いでやると一気に飲み干した。
クリフェルも無言で水を飲み干すと、深く息を吐く。
「…なぜ貴方はこのようなことをしたのですか?」
「襲撃の話か?それなら簡単だ。アンリは無実だからな」
無実なら取り返しに行くだろ。
俺がそう言うとクリフェルはギリっと歯をくいしばる。
「証拠が残っているんだぞ!」
「だから、それがおかしいんだって。言っとくがアンリは固有技能使えないからな?」
「…は?」
間抜けな顔だった。
そう、アンリは固有技能が使えない。
正確には固有技能は使えるのだが【爆発系魔術】は使えないのだ。
しかし、映像に映っていたアンリはそれを使っていた。しかも、昨日の映像でだ。
それをクリフェルに説明すると唇を噛んで俯く。
「だったら、私はこの気持ちを誰にぶつければいいんだ…っ!」
ポツリと呟いたクリフェルの目には涙が溜まっていた。
資料にあった事件発生現場は児童養護施設のようなものだった。
親や兄弟を亡くしたり、前線で戦う親兄弟の帰りを待つ無力な12人の子供達。
そんな子供達は爆発によって結果として12人全員が死亡した。
「それは俺にはわからん。だが」
俺はニヤリと好戦的な笑みを浮かべる。
「ここまでコケにされたんだ。当然それ相応の報いを受けてもらわなきゃな?」
具体的には上空1000mからのエンドレス紐なしバンジーとかな。
クックック、楽しみだな…!
「シュウ、悪い顔してる。それとそろそろアンリのとこに行こ」
「ああ、それもそうだな。『解除』」
パチンと指を鳴らすと、穴の壁が崩れそこから元のアルカトラ内壁が見える。
やがて完全に穴の形跡が消え去ると、俺達は元のアルカトラの空間内に戻っていた。
「なっ!?我々は下に落ちたのでは…?」
恐る恐るそう尋ねるシモン。
実際には落ちた。それなのになぜここにいるのかというと、ただ単にマップが重なっていただけだからだ。
この【世界介入】の能力の1つである空間生成は、既存のデータを上書きするのではなく、新しくデータを作り出しそこにプレイヤーを転送、もしくは既存のマップと繋げるというものだった。
なのでその気になれば、そこらの民家のタンスの中に巨大な闘技場を作ったりすることも可能なのだ。
その為に解除しても、元のエリアに戻るというわけだ。
「さて、それじゃ案内してもらうぜ?」
「…わかりました。こちらです」
☆
シモンの案内に従って薄暗い通路を歩く。
しばらく進むとシモンがある扉の前で立ち止まる。
「ここです」
「そうか…それじゃ、いくぞ」
俺はこの後に待ち構えるであろう戦闘を警戒しながら扉を開く。
しかし、そこにあったのは予想を覆すものだった。
割れた窓ガラス、散らかった書類、滴る血、そして…見知らぬ女性を剣で突き刺すシモンの姿がそこにはあった。
あれから数十周程同じ動きをさせた後、2人を地面に拘束した。
俺は目の前で吐いている2人を見ながらそう言った。
「はぁ…やっと終わっ_オロロロ!」
「グスッ…怖_オロロロ!」
「泣くか吐くかどっちかにしろよ…」
正直男の泣き顔と嘔吐なんて誰得なんだよ、いや女のでも得しないけどさ。
流石に汚物で汚れるのは可哀想なので【世界介入】により、汚物を削除する。
そして、アイテムボックスからグラスを2つと水の入った水挿しを取り出す。
「ほら、飲むと良い」
「すまない…」
シモンはそう言ってグラスを受け取る、そこに水を注いでやると一気に飲み干した。
クリフェルも無言で水を飲み干すと、深く息を吐く。
「…なぜ貴方はこのようなことをしたのですか?」
「襲撃の話か?それなら簡単だ。アンリは無実だからな」
無実なら取り返しに行くだろ。
俺がそう言うとクリフェルはギリっと歯をくいしばる。
「証拠が残っているんだぞ!」
「だから、それがおかしいんだって。言っとくがアンリは固有技能使えないからな?」
「…は?」
間抜けな顔だった。
そう、アンリは固有技能が使えない。
正確には固有技能は使えるのだが【爆発系魔術】は使えないのだ。
しかし、映像に映っていたアンリはそれを使っていた。しかも、昨日の映像でだ。
それをクリフェルに説明すると唇を噛んで俯く。
「だったら、私はこの気持ちを誰にぶつければいいんだ…っ!」
ポツリと呟いたクリフェルの目には涙が溜まっていた。
資料にあった事件発生現場は児童養護施設のようなものだった。
親や兄弟を亡くしたり、前線で戦う親兄弟の帰りを待つ無力な12人の子供達。
そんな子供達は爆発によって結果として12人全員が死亡した。
「それは俺にはわからん。だが」
俺はニヤリと好戦的な笑みを浮かべる。
「ここまでコケにされたんだ。当然それ相応の報いを受けてもらわなきゃな?」
具体的には上空1000mからのエンドレス紐なしバンジーとかな。
クックック、楽しみだな…!
「シュウ、悪い顔してる。それとそろそろアンリのとこに行こ」
「ああ、それもそうだな。『解除』」
パチンと指を鳴らすと、穴の壁が崩れそこから元のアルカトラ内壁が見える。
やがて完全に穴の形跡が消え去ると、俺達は元のアルカトラの空間内に戻っていた。
「なっ!?我々は下に落ちたのでは…?」
恐る恐るそう尋ねるシモン。
実際には落ちた。それなのになぜここにいるのかというと、ただ単にマップが重なっていただけだからだ。
この【世界介入】の能力の1つである空間生成は、既存のデータを上書きするのではなく、新しくデータを作り出しそこにプレイヤーを転送、もしくは既存のマップと繋げるというものだった。
なのでその気になれば、そこらの民家のタンスの中に巨大な闘技場を作ったりすることも可能なのだ。
その為に解除しても、元のエリアに戻るというわけだ。
「さて、それじゃ案内してもらうぜ?」
「…わかりました。こちらです」
☆
シモンの案内に従って薄暗い通路を歩く。
しばらく進むとシモンがある扉の前で立ち止まる。
「ここです」
「そうか…それじゃ、いくぞ」
俺はこの後に待ち構えるであろう戦闘を警戒しながら扉を開く。
しかし、そこにあったのは予想を覆すものだった。
割れた窓ガラス、散らかった書類、滴る血、そして…見知らぬ女性を剣で突き刺すシモンの姿がそこにはあった。
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