Creation World Online
第71話
「あっ、マジで聞きたいこと聞くの忘れてた」
「む?なんだねシュウ君。言ってみなさい」
そう言うおっさんの前に俺はアイテムボックスから、ココに嵌められていた首輪を取り出して置く。
おっさんは首輪を手に取って眺めると、ゴトリと元の位置に置き直す。
「ふむ…普通の首輪のように見えるな。確か、モンスターテイマー専用のアイテムじゃなかったかな?」
「ああ、見てもらいたいのはそっちじゃなくてその中に仕込まれてた…これだ」
そう言って、アイテムボックスから取り出した紙にコピーしておいた首輪に仕込まれていたシステムを書き写す。
紙は直ぐに文字だらけになるが、一瞬でただの白紙に戻っていった。
そんな様子をおっさんは感心したように見つめていた。
「ほお…随分と器用に使うものだ。それでこれは?」
「ああ、元々その首輪に仕込まれてたやつだ。なんか、首輪に触れた時に妙な文章が出てそれで上手いこといった。確か、システムエラーがどうって言ってたな」
「なるほどね、それがこの紙の中に…ふむ、いくつもロックが掛かっている。解析には時間がかかりそうだ、出来次第連絡しよう」
そう言うおっさんに紙を預けて俺は宿屋に戻ることにした。
元来た道を進んで、見慣れたエーテル武具店のカウンター内に出現するとカウンター越しに2人のプレイヤーが立っていた。
ポカーンとした表情を浮かべた少年と少女のプレイヤーで、装備から初心者プレイヤーとわかった。
『痛っ!ちょっといきなり現れないでくださいよ!』
「ああ、悪い悪い。客か?」
『ええ!久しぶりのお客さんです。さ、お邪魔虫は帰ってください!』
グイグイとエーテルに押されてカウンターから飛び出すと、俺は店から出ようと扉に手を掛けた。
「す、すいません!待ってください!」
「ん?」
店から出ようとして2人のプレイヤーの内の少女に声をかけられた。
やっぱりカウンターから出て来たのがマズかったか?
「えーと、何?」
「あの、装備から見てお兄さんもっと上の層で戦ってる人ですよね?」
「あー、まあそうだな。それが何か?」
「はい!その、お願いがあるんですけど…あっ、私リーンって言います。こっちが弟のリックです」
「ど、どうも。リックです…」
しっかりしなさいよ!とリックの背中をリーンが叩く。
なんというか微笑ましい姉弟だな。
「それで、俺に何の用だ?」
「あ、その…私達最近冒険を始めたんですけど…」
リーン達の話を聞くと、2人は双子で誕生日に買ってもらったゲームを2人でプレイしようという事になってこのゲームにログイン。
その結果、デスゲームというわけのわからない状況に追い込まれた。
さらに、元々ゲームは得意な方ではない上に、死の恐怖もあるということで街から出ることも出来なかったらしい。
しかし、このままではいけないと思い武器を買いに来たところで俺を見つけた、とのことだった。
「それでですね、私達にいくつか武器の扱い方とか戦い方とか教えて欲しいんです!」
「お、お願いします!」
ガバッと頭を下げる2人を見て俺はフッと笑う。
「断る!」
「なんでですか!?」
「いや、俺だって忙しいんだよ。それに戦い方が学びたいならギルドだってあるだろ」
「それはそうですけど〜!」
ううっと涙目になるリーンと、その横でオロオロとしているリック。
はあ…仕方ないな。
「はあ…仕方ない。少しだけだぞ」
「本当ですか!」
「ああ、ただし戦い方だけだ。あとは自分達でなんとかしろ」
俺だって気を抜けば、いつどこで死ぬかわからない。
ここはそんな世界なんだ。
俺のそんな問いかけに対してい2人は顔を見合わせると、頷く。
「はい!わかりました!これからは師匠と呼ばせてもらいます!よろしくお願いします!師匠!」
「師匠、お願いします…」
「うん、師匠はやめろ」
小っ恥ずかしいからな。普通に。あと、エーテル何笑ってやがる。
気を取り直して、俺は立ち上がると店から出るために扉に手をかけるのであった。          
「む?なんだねシュウ君。言ってみなさい」
そう言うおっさんの前に俺はアイテムボックスから、ココに嵌められていた首輪を取り出して置く。
おっさんは首輪を手に取って眺めると、ゴトリと元の位置に置き直す。
「ふむ…普通の首輪のように見えるな。確か、モンスターテイマー専用のアイテムじゃなかったかな?」
「ああ、見てもらいたいのはそっちじゃなくてその中に仕込まれてた…これだ」
そう言って、アイテムボックスから取り出した紙にコピーしておいた首輪に仕込まれていたシステムを書き写す。
紙は直ぐに文字だらけになるが、一瞬でただの白紙に戻っていった。
そんな様子をおっさんは感心したように見つめていた。
「ほお…随分と器用に使うものだ。それでこれは?」
「ああ、元々その首輪に仕込まれてたやつだ。なんか、首輪に触れた時に妙な文章が出てそれで上手いこといった。確か、システムエラーがどうって言ってたな」
「なるほどね、それがこの紙の中に…ふむ、いくつもロックが掛かっている。解析には時間がかかりそうだ、出来次第連絡しよう」
そう言うおっさんに紙を預けて俺は宿屋に戻ることにした。
元来た道を進んで、見慣れたエーテル武具店のカウンター内に出現するとカウンター越しに2人のプレイヤーが立っていた。
ポカーンとした表情を浮かべた少年と少女のプレイヤーで、装備から初心者プレイヤーとわかった。
『痛っ!ちょっといきなり現れないでくださいよ!』
「ああ、悪い悪い。客か?」
『ええ!久しぶりのお客さんです。さ、お邪魔虫は帰ってください!』
グイグイとエーテルに押されてカウンターから飛び出すと、俺は店から出ようと扉に手を掛けた。
「す、すいません!待ってください!」
「ん?」
店から出ようとして2人のプレイヤーの内の少女に声をかけられた。
やっぱりカウンターから出て来たのがマズかったか?
「えーと、何?」
「あの、装備から見てお兄さんもっと上の層で戦ってる人ですよね?」
「あー、まあそうだな。それが何か?」
「はい!その、お願いがあるんですけど…あっ、私リーンって言います。こっちが弟のリックです」
「ど、どうも。リックです…」
しっかりしなさいよ!とリックの背中をリーンが叩く。
なんというか微笑ましい姉弟だな。
「それで、俺に何の用だ?」
「あ、その…私達最近冒険を始めたんですけど…」
リーン達の話を聞くと、2人は双子で誕生日に買ってもらったゲームを2人でプレイしようという事になってこのゲームにログイン。
その結果、デスゲームというわけのわからない状況に追い込まれた。
さらに、元々ゲームは得意な方ではない上に、死の恐怖もあるということで街から出ることも出来なかったらしい。
しかし、このままではいけないと思い武器を買いに来たところで俺を見つけた、とのことだった。
「それでですね、私達にいくつか武器の扱い方とか戦い方とか教えて欲しいんです!」
「お、お願いします!」
ガバッと頭を下げる2人を見て俺はフッと笑う。
「断る!」
「なんでですか!?」
「いや、俺だって忙しいんだよ。それに戦い方が学びたいならギルドだってあるだろ」
「それはそうですけど〜!」
ううっと涙目になるリーンと、その横でオロオロとしているリック。
はあ…仕方ないな。
「はあ…仕方ない。少しだけだぞ」
「本当ですか!」
「ああ、ただし戦い方だけだ。あとは自分達でなんとかしろ」
俺だって気を抜けば、いつどこで死ぬかわからない。
ここはそんな世界なんだ。
俺のそんな問いかけに対してい2人は顔を見合わせると、頷く。
「はい!わかりました!これからは師匠と呼ばせてもらいます!よろしくお願いします!師匠!」
「師匠、お願いします…」
「うん、師匠はやめろ」
小っ恥ずかしいからな。普通に。あと、エーテル何笑ってやがる。
気を取り直して、俺は立ち上がると店から出るために扉に手をかけるのであった。          
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