Creation World Online
第17話
蜘蛛は何を考えているのかわからない目で俺たちを見ると現実の蜘蛛ならそんな鳴き声はあげないだろうというような甲高い掠れた叫び声をあげ、俺たちの方へ飛び掛ってきた。
俺は未だに硬直しているアンリの腕を掴むと右側に跳ぶ。
すると先ほどまで俺たちが立っていた位置に蜘蛛が着地し石片が飛び散る。
俺は火魔法のフレイムランスを唱えると手のひらに形成された炎の槍が蜘蛛に向かって飛んでいくと、蜘蛛の腹部に突き刺さり炎が爆ぜ、蜘蛛の身体に火が着く。どうやら【火傷】の状態異常を与えられたようだ。
蜘蛛は火を消そうと滅茶苦茶に暴れまわる。
さて、後の問題は…
「おい!アンリ!しっかりしろ!」
「くも…クモ…くも…」
俺はアンリの肩を掴んで揺らしながら呼びかけるがアンリはうわ言のように蜘蛛を連呼するだけだった。こいつほんとダメなやつだな…
俺が引っ叩いてやろうかな、などと考えていると蜘蛛の叫び声が聞こえる。そちらを振り向くとどうやら火が消えたのかこちらを何処となく怒ったような目で睨んでいる。
蜘蛛はもう一声鳴き、口をガパッと開くとそこから黒い液体を飛ばしてくる。
俺はそれを風魔法【風纏い[散]】を右手に発動させ、右手を横に振ると風の障壁が発生して黒い液体を弾き飛ばす。
弾き飛ばされた液体がたまたま地面を這っていたカエル型の非戦闘系mobに着いた瞬間「ジュッ」という音がしてカエルは光の粒子になり消える。え、なにあれ怖っ。
俺が蜘蛛が吐き出した毒の威力にビビっていると蜘蛛がまた毒を吐こうと口を開いているのが見えたので俺はアイテムボックスから赤い結晶と緑の結晶を取り出すとそこにMPを流し込み、赤の結晶は蜘蛛の口めがけて、緑の結晶は足元に投げつける。すると、赤の結晶が砕け散ると同時に爆発し蜘蛛の口を破壊する。その直後に緑の結晶が砕け散り結晶から溢れ出た緑の風によって天井に叩きつけられ落下する。
この赤と緑の結晶は俺が【錬金術】で作成したオリジナルアイテムである。
効果としてはMPを込めた分だけの威力の属性魔法を発動させる、というものである。まずはただの水晶と属性石を錬金し、その後不純物とMPを取り除いて完成である。俺はこれを即席魔法石と呼んでいる。ぶっちゃけ作るのは面倒なのだが戦闘中に一切詠唱を行わなくていいのでなかなか使い勝手はいいと思う。
「まあ、水晶が希少すぎてそんなに量産はできないんだけどな」
そう呟くと俺は蜘蛛にとどめを刺すためにちょっと威力の高い魔法の詠唱を始める。
俺の詠唱に合わせるように緑色の魔法陣が目の前で少しずつ大きく、複雑になっていく。
そして遂に詠唱が終了し俺は引き金となる魔法名を叫ぶ。
「爆ぜ消えろ【破壊風】」
それと同時に魔法陣から大量の風と緑色の粒子が飛び出す。風と粒子は蜘蛛の周りをぐるぐると回りながらその身体を切り刻んでいく。
そしてトドメと言わんばかりに風と粒子が圧縮されそれに合わせるように蜘蛛の身体も小さくなり、そして爆ぜる。
爆ぜた後にはキラキラと周囲を舞う緑の粒子と死亡エフェクトである白い粒子が舞っていた。なにあの威力、おっそろし。
そして蜘蛛との戦闘により俺のレベルは20へと上がった。すると目の前にシステムメッセージが表示される。
『レベルが規定値に達したためスキルスロットを2つ解放します』
ふむ…しかし、今の所欲しいスキルはないからな…まあ、保留でいいだろ。
俺はそう判断するとステータスを閉じてアンリの方を見る。
するとアンリはショックから解放されたようで申し訳なさそうにしていた。
俺はアンリに近づくとニコッと笑って肩に手を置くとこう言った。
「そんなに気にするなよ。人には向き不向きってのがあるんだからさ」
「シュウくん…」
俺が優しく慰めてやるとアンリは驚いたような目で俺の名前を呼んだ。
そしてアンリは俺の手に触れるとこう言った。
「なんで優しいんですか!?なに企んでるんですか!?って痛あ!ちょ!ごめんなさい!力込めないで!肩砕けちゃうのぉおおおおお!」
アンリがそんなふざけたことを言ったのでついつい力が入ってしまった。
俺は笑顔を崩さずに馬鹿の肩を握り続けているとアンリが俺の手をタップする。さすがにこれ以上やるのは可哀想なので手を放してやると肩をさすっているアンリに対してこう言った。
「ほら、帰るぞ」
「あ!ちょ!何か言うことがあるのでは!?」
後ろでアンリが何か騒いでいたが無視して俺は帰路につくのであった。          
俺は未だに硬直しているアンリの腕を掴むと右側に跳ぶ。
すると先ほどまで俺たちが立っていた位置に蜘蛛が着地し石片が飛び散る。
俺は火魔法のフレイムランスを唱えると手のひらに形成された炎の槍が蜘蛛に向かって飛んでいくと、蜘蛛の腹部に突き刺さり炎が爆ぜ、蜘蛛の身体に火が着く。どうやら【火傷】の状態異常を与えられたようだ。
蜘蛛は火を消そうと滅茶苦茶に暴れまわる。
さて、後の問題は…
「おい!アンリ!しっかりしろ!」
「くも…クモ…くも…」
俺はアンリの肩を掴んで揺らしながら呼びかけるがアンリはうわ言のように蜘蛛を連呼するだけだった。こいつほんとダメなやつだな…
俺が引っ叩いてやろうかな、などと考えていると蜘蛛の叫び声が聞こえる。そちらを振り向くとどうやら火が消えたのかこちらを何処となく怒ったような目で睨んでいる。
蜘蛛はもう一声鳴き、口をガパッと開くとそこから黒い液体を飛ばしてくる。
俺はそれを風魔法【風纏い[散]】を右手に発動させ、右手を横に振ると風の障壁が発生して黒い液体を弾き飛ばす。
弾き飛ばされた液体がたまたま地面を這っていたカエル型の非戦闘系mobに着いた瞬間「ジュッ」という音がしてカエルは光の粒子になり消える。え、なにあれ怖っ。
俺が蜘蛛が吐き出した毒の威力にビビっていると蜘蛛がまた毒を吐こうと口を開いているのが見えたので俺はアイテムボックスから赤い結晶と緑の結晶を取り出すとそこにMPを流し込み、赤の結晶は蜘蛛の口めがけて、緑の結晶は足元に投げつける。すると、赤の結晶が砕け散ると同時に爆発し蜘蛛の口を破壊する。その直後に緑の結晶が砕け散り結晶から溢れ出た緑の風によって天井に叩きつけられ落下する。
この赤と緑の結晶は俺が【錬金術】で作成したオリジナルアイテムである。
効果としてはMPを込めた分だけの威力の属性魔法を発動させる、というものである。まずはただの水晶と属性石を錬金し、その後不純物とMPを取り除いて完成である。俺はこれを即席魔法石と呼んでいる。ぶっちゃけ作るのは面倒なのだが戦闘中に一切詠唱を行わなくていいのでなかなか使い勝手はいいと思う。
「まあ、水晶が希少すぎてそんなに量産はできないんだけどな」
そう呟くと俺は蜘蛛にとどめを刺すためにちょっと威力の高い魔法の詠唱を始める。
俺の詠唱に合わせるように緑色の魔法陣が目の前で少しずつ大きく、複雑になっていく。
そして遂に詠唱が終了し俺は引き金となる魔法名を叫ぶ。
「爆ぜ消えろ【破壊風】」
それと同時に魔法陣から大量の風と緑色の粒子が飛び出す。風と粒子は蜘蛛の周りをぐるぐると回りながらその身体を切り刻んでいく。
そしてトドメと言わんばかりに風と粒子が圧縮されそれに合わせるように蜘蛛の身体も小さくなり、そして爆ぜる。
爆ぜた後にはキラキラと周囲を舞う緑の粒子と死亡エフェクトである白い粒子が舞っていた。なにあの威力、おっそろし。
そして蜘蛛との戦闘により俺のレベルは20へと上がった。すると目の前にシステムメッセージが表示される。
『レベルが規定値に達したためスキルスロットを2つ解放します』
ふむ…しかし、今の所欲しいスキルはないからな…まあ、保留でいいだろ。
俺はそう判断するとステータスを閉じてアンリの方を見る。
するとアンリはショックから解放されたようで申し訳なさそうにしていた。
俺はアンリに近づくとニコッと笑って肩に手を置くとこう言った。
「そんなに気にするなよ。人には向き不向きってのがあるんだからさ」
「シュウくん…」
俺が優しく慰めてやるとアンリは驚いたような目で俺の名前を呼んだ。
そしてアンリは俺の手に触れるとこう言った。
「なんで優しいんですか!?なに企んでるんですか!?って痛あ!ちょ!ごめんなさい!力込めないで!肩砕けちゃうのぉおおおおお!」
アンリがそんなふざけたことを言ったのでついつい力が入ってしまった。
俺は笑顔を崩さずに馬鹿の肩を握り続けているとアンリが俺の手をタップする。さすがにこれ以上やるのは可哀想なので手を放してやると肩をさすっているアンリに対してこう言った。
「ほら、帰るぞ」
「あ!ちょ!何か言うことがあるのでは!?」
後ろでアンリが何か騒いでいたが無視して俺は帰路につくのであった。          
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