TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
戦慄の祐里香
ふと考えると、私は千佳のことを全然知らない。
ということで私、皆原祐里香は千佳の周りから情報を聞き出すことにしたわ。
戦いはいつだって情報戦だって、この前見た映画でも言っていたもの!
「それで千佳ちゃんがいない時に来たんだ」
「祐里香ちゃんは真面目さんやなぁ~」
「別に、真面目なんかじゃないわよ……それで二人から見て千佳ってどんな子なの?」
ある日の放課後。妹さんたちと遊びに行くらしい千佳を見送り、私は愛と湖月の二人に話を聞くことにした。
この二人は入学当初からの大親友と聞いているから、千佳にも詳しいはずよ。
「千佳ちゃんはとても優しくて、妹想いで、でも私たちにも忘れずに構ってくれて、笑顔がとっても可愛くて、でもゲームで負けた時の悔しそうな顔とかもだいこうぶ……こほん。とにかく千佳ちゃんは、天使みたいな子だよ!」
「す、すごい勢いね……って今、大好物って言った?」
「ううん。言ってないよ? 私がそんなこと言う訳ないでしょ? あはは、祐里香ちゃんは面白いね!」
「……いや、でも今」
「ん? ごめん祐里香ちゃん。何か言った?」
「……何も言ってないわ」
何この子!? 滅茶苦茶怖いんですけど!?
あんまり目立たない子だと思ってたのに、とんだ伏兵がいたわ!?
「うちから見た千佳ちゃんはなぁ……」
「こ、湖月から見た、千佳は……?」
「うちより関西人みたいな子やな」
「会って間もないけど、否定できないっ」
関西人も唸るほどのポテンシャルを秘めているのね……いや、よく分からないけど。
もう少し距離の離れた人じゃないと、ちゃんとした千佳の評価を聞けそうにないってことはよく分かったわ。
「他の人に聞いていくしかないわね……でも転校してそんなに時間が経ってないから、他のクラスとか先輩後輩に知り合いもいないし……」
因みにクラスメイトたちは口を揃えて、『千佳ちゃんは女神』という内容だったので割愛させていただくわ。
「――それで、私の所に聞きにきたんですね」
「はい。九重先生なら大人ですし、ちゃんとした意見が聞けると思いまして」
「なるほど。確かに皆さんは千佳ちゃんを崇拝していますから」
……それを教師が黙認してるのはいいのかしら?
こっちに来てから自分の中の常識が粉々にされっぱなしよ。
「千佳ちゃんは、そうですね。一年生の頃からクラスを纏めてくれる、とても頭の良い子でしたね」
「一年生の頃から……やっぱり普通じゃないわね、千佳は」
「上級生の喧嘩を止めたり、運動会では最年少の応援団長をしたりと、日に日に見せる成長には驚いています」
「先生からの信頼も厚いんですね。一筋縄ではいかない相手だわ」
「ファンクラブも初めは小さなものだったんですよ。手作りの会員証を作ったりしましたね。今じゃファンクラブのサイトは十か国語に対応してますが」
「はぁ!? なんでグローバル化してるのよっ!?」
「千佳ちゃんはクォーターですからね。親戚の方からも入会の申請がありましたし、理事長が色々な国行っては千佳ちゃんの写真を自慢するそうなので、会員は増える一方です。ついこの前はイギリスの……おっと、これは言ってはいけないのでした」
「なに!? なんなの!? そんな言われ方されると余計に気になるんだけどぉ!?」
「いえ、これを言ってしまうと私の首が飛びかねませんから……」
「やんごとないっ!! やんごとなさすぎるわっ!?」
ぜぇ、ぜぇ……も、もうツッコミが追い付かないわよ……。
普通のアイドルでもそんなグローバルな活動してないのに、一体千佳はどれだけ驚かせれば気が済むのかしら。
というか理事長さんも染まってるのね。もうこの学校には安全な場所は無いのかしら?
「では千佳ちゃんについて詳しくお話しましょう。生まれた時の体重は――」
「そんな所から!? っていうか何で知ってるの!?」
「千佳ちゃんのお母様からお聞きしました。写真も見せてもらったのですが、赤ちゃんの頃からとても可愛くて……」
「……それはちょっと見てみたいかも」
「土下座したのですが、戴けませんでした……」
「土下座したの!? 大人のプライドはどこへやっちゃったのよ!?」
「千佳ちゃんの為なら、プライドなんてドブに捨てます」
「もうヤダこの学校!!」
九重先生も手遅れだったわ。
こうして私の情報収集は、誉め言葉ばかりを集めて終了となった。
どうしようも無いと諦めた私は、本人に直接聞くことに。
「……千佳、あなたのことを教えてほしいの」
「ええっ!? そ、それって、もしかして告白!?」
「もうヤダぁこの学校ぉ!!」
ご本人もぶっ壊れてるなんて、救いは無いの……?
ということで私、皆原祐里香は千佳の周りから情報を聞き出すことにしたわ。
戦いはいつだって情報戦だって、この前見た映画でも言っていたもの!
「それで千佳ちゃんがいない時に来たんだ」
「祐里香ちゃんは真面目さんやなぁ~」
「別に、真面目なんかじゃないわよ……それで二人から見て千佳ってどんな子なの?」
ある日の放課後。妹さんたちと遊びに行くらしい千佳を見送り、私は愛と湖月の二人に話を聞くことにした。
この二人は入学当初からの大親友と聞いているから、千佳にも詳しいはずよ。
「千佳ちゃんはとても優しくて、妹想いで、でも私たちにも忘れずに構ってくれて、笑顔がとっても可愛くて、でもゲームで負けた時の悔しそうな顔とかもだいこうぶ……こほん。とにかく千佳ちゃんは、天使みたいな子だよ!」
「す、すごい勢いね……って今、大好物って言った?」
「ううん。言ってないよ? 私がそんなこと言う訳ないでしょ? あはは、祐里香ちゃんは面白いね!」
「……いや、でも今」
「ん? ごめん祐里香ちゃん。何か言った?」
「……何も言ってないわ」
何この子!? 滅茶苦茶怖いんですけど!?
あんまり目立たない子だと思ってたのに、とんだ伏兵がいたわ!?
「うちから見た千佳ちゃんはなぁ……」
「こ、湖月から見た、千佳は……?」
「うちより関西人みたいな子やな」
「会って間もないけど、否定できないっ」
関西人も唸るほどのポテンシャルを秘めているのね……いや、よく分からないけど。
もう少し距離の離れた人じゃないと、ちゃんとした千佳の評価を聞けそうにないってことはよく分かったわ。
「他の人に聞いていくしかないわね……でも転校してそんなに時間が経ってないから、他のクラスとか先輩後輩に知り合いもいないし……」
因みにクラスメイトたちは口を揃えて、『千佳ちゃんは女神』という内容だったので割愛させていただくわ。
「――それで、私の所に聞きにきたんですね」
「はい。九重先生なら大人ですし、ちゃんとした意見が聞けると思いまして」
「なるほど。確かに皆さんは千佳ちゃんを崇拝していますから」
……それを教師が黙認してるのはいいのかしら?
こっちに来てから自分の中の常識が粉々にされっぱなしよ。
「千佳ちゃんは、そうですね。一年生の頃からクラスを纏めてくれる、とても頭の良い子でしたね」
「一年生の頃から……やっぱり普通じゃないわね、千佳は」
「上級生の喧嘩を止めたり、運動会では最年少の応援団長をしたりと、日に日に見せる成長には驚いています」
「先生からの信頼も厚いんですね。一筋縄ではいかない相手だわ」
「ファンクラブも初めは小さなものだったんですよ。手作りの会員証を作ったりしましたね。今じゃファンクラブのサイトは十か国語に対応してますが」
「はぁ!? なんでグローバル化してるのよっ!?」
「千佳ちゃんはクォーターですからね。親戚の方からも入会の申請がありましたし、理事長が色々な国行っては千佳ちゃんの写真を自慢するそうなので、会員は増える一方です。ついこの前はイギリスの……おっと、これは言ってはいけないのでした」
「なに!? なんなの!? そんな言われ方されると余計に気になるんだけどぉ!?」
「いえ、これを言ってしまうと私の首が飛びかねませんから……」
「やんごとないっ!! やんごとなさすぎるわっ!?」
ぜぇ、ぜぇ……も、もうツッコミが追い付かないわよ……。
普通のアイドルでもそんなグローバルな活動してないのに、一体千佳はどれだけ驚かせれば気が済むのかしら。
というか理事長さんも染まってるのね。もうこの学校には安全な場所は無いのかしら?
「では千佳ちゃんについて詳しくお話しましょう。生まれた時の体重は――」
「そんな所から!? っていうか何で知ってるの!?」
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「……それはちょっと見てみたいかも」
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コメント
ノベルバユーザー601714
ランキングから拝見しました。本当に男がほとんど登場しない百合コメディーでした。
ヘンゼルとグレテル
ランキングで紹介されてたので拝見しました。
普段あまり読まないジャンルですが面白かったです!
イラストも可愛い!
ノベルバユーザー601499
公開されてから時間が経ってるけどランキングされているだけあって面白かったです!!
続きも期待してるので頑張ってください!
サク. ap
もう一年以上たったのか…
三周したよ!?
そろそろ続きが読みたい!
更進待ってます!!
吟遊詩人
jsカリスマライフに見えて作者の性癖やべぇな…ってなりましたがどちらにしろヤバくて草