TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
ファンクラブ、拡大中。
「……これで千佳のカリスマが全国に」
「ふっふっふ、うちらの最高傑作が完成や!」
「理事長にも許可は戴いているので、後は千佳ちゃんに許可を貰うだけですね」
……私達が居るのは学校のパソコン室。
夏休みから湖月と柚梨先生と共に作っていたあるものが完成して、後は千佳に許可を貰うだけ。
……千佳なら、許可をくれるはず。
「それでは通話を掛けますね。こちらが夕方なので向こうはまだ朝だと思いますが、千佳ちゃんの事です、もう起きているでしょう」
「せやな、柚梨ちゃん!」
柚梨先生のノートパソコンでビデオ通話を掛けると、そこに映ったのは千佳じゃなかった。
お人形みたいな、メイドさん?
『あら、何か繋がってしまいましたわ』
「あれ? 間違って掛けたん?」
「そんな……。確かに千佳ちゃんのアカウントの筈です」
『千佳ちゃん? 少々お待ちくださいませ。……お嬢様、通話が着てらっしゃいますよ』
画面から消えたメイドさんは、どうやら千佳を呼びに行ったみたい。
……千佳、いつの間にお嬢様になったの?
『通話? ってヒルデちゃん勝手にパソコン開かないでよ』
『最初から開いておりましたよ?』
『あれ? あ、メグちゃんが置きっぱなしにしたのかな。後で聞いておかないと』
『お嬢様、通話です』
『そうだった! っと柚梨ちゃんと湖月ちゃん、莉里ちゃん元気?』
漸く画面へと現れたのは、メイドを傍に従えたお嬢様な千佳。
その光景に私達の目は奪われた。
『おーい? 通信がおかしいのかな?』
「あ、聞こえとるで! うちらは元気やで!」
『良かった。湖月ちゃんの声を聞くと安心するよ。莉里ちゃんも元気?』
「……勿論」
千佳を一目見れただけで私達なら病気も吹っ飛ぶと思う。
「千佳ちゃん、お元気そうで何よりです。それで一つご相談がありまして」
『柚梨ちゃんも元気そうで良かった。相談って?』
「うちらな! 千佳ちゃんのファンサイトを作ったんや!」
『ファンサイト!? なにそれ!?』
「……私の力作」
『莉里ちゃんそんな才能あったの!?』
図書館で本を借りて、湖月と柚梨先生と一緒にサイトの作り方を学んだから。
理事長先生のコネでかっこいい女性のウェブデザイナーさんも協力してくれたし、いいサイトが出来たと思う。
出来たサイトをニヤニヤと眺めていたら、いつの間にか柚梨先生が千佳に説明をしていた。
「それでですね。ファンクラブの拡大によって千佳ちゃんの日常に何か支障が生まれないように、ファンサイトを作らなければならないんです!」
『そ、そんな意味があったんだ……。うん、それじゃあいいよ。ちゃんと整備しておかないとファンクラブの子達にも迷惑が掛かるかもしれないしね』
「ありがとうございます! それじゃあ莉里ちゃん、お願いします」
「……ポチっとな」
「サイト公開や! 今日は記念日やでー!」
『はへ!? もう公開したの!? 早くない!?』
……千佳に話が行く前に完成してたから。
ファンサイトの運営は理事長が何処かの会社に委託してくれるらしいし、私達が出来るのはここまで。
『まぁ、いっか。ありがとうね、色々考えてくれて』
「いえいえ、千佳ちゃんの為ですから!」
「せやで。千佳ちゃんが帰ってきた時には日本中が千佳ちゃんのファンで一杯や!」
『それは怖いよ!? そこまで浸透するの!?』
「……あ、アクセスしすぎてサーバーが落ちた」
『私の人気凄いな!?』
……あ、会社の人が直ぐに対応してくれたみたいで直った。
後で私も会員登録しておかないと。
「千佳ちゃん、そっちどない? 寂しないか?」
『うん。皆と会えないのは寂しいけど、親戚の皆が仲良くしてくれてるからね。いい人ばかりだよ』
「そうですか。それは良かったです」
「……私達は寂しい」
『莉里ちゃん、しょんぼりしないで。大丈夫、来年の学校が始まるまでには帰って来るから! それまでいい子にしてるんだよ?』
千佳はママみたい。
「……分かった。千佳ママ」
『ママっ!? そんな歳じゃないよ!』
「ほなまた連絡するな~千佳のおかん」
『おかんじゃないよ!』
「それではそろそろ通話も終わりますね。千佳のお母様」
『お母様!? 三者面談みたいになってるよ!』
千佳の心地いいツッコミを聞きながら、私はファンサイト一つ目の記事を考える。
やっぱり千佳をよく知ってもらうには、自己紹介かな。
「……千佳、自己紹介して」
『唐突!?』
こうして私達、千佳ちゃんファンクラブは全国へと広がっていくのでした。
……私もメイドさん、欲しい。
「ふっふっふ、うちらの最高傑作が完成や!」
「理事長にも許可は戴いているので、後は千佳ちゃんに許可を貰うだけですね」
……私達が居るのは学校のパソコン室。
夏休みから湖月と柚梨先生と共に作っていたあるものが完成して、後は千佳に許可を貰うだけ。
……千佳なら、許可をくれるはず。
「それでは通話を掛けますね。こちらが夕方なので向こうはまだ朝だと思いますが、千佳ちゃんの事です、もう起きているでしょう」
「せやな、柚梨ちゃん!」
柚梨先生のノートパソコンでビデオ通話を掛けると、そこに映ったのは千佳じゃなかった。
お人形みたいな、メイドさん?
『あら、何か繋がってしまいましたわ』
「あれ? 間違って掛けたん?」
「そんな……。確かに千佳ちゃんのアカウントの筈です」
『千佳ちゃん? 少々お待ちくださいませ。……お嬢様、通話が着てらっしゃいますよ』
画面から消えたメイドさんは、どうやら千佳を呼びに行ったみたい。
……千佳、いつの間にお嬢様になったの?
『通話? ってヒルデちゃん勝手にパソコン開かないでよ』
『最初から開いておりましたよ?』
『あれ? あ、メグちゃんが置きっぱなしにしたのかな。後で聞いておかないと』
『お嬢様、通話です』
『そうだった! っと柚梨ちゃんと湖月ちゃん、莉里ちゃん元気?』
漸く画面へと現れたのは、メイドを傍に従えたお嬢様な千佳。
その光景に私達の目は奪われた。
『おーい? 通信がおかしいのかな?』
「あ、聞こえとるで! うちらは元気やで!」
『良かった。湖月ちゃんの声を聞くと安心するよ。莉里ちゃんも元気?』
「……勿論」
千佳を一目見れただけで私達なら病気も吹っ飛ぶと思う。
「千佳ちゃん、お元気そうで何よりです。それで一つご相談がありまして」
『柚梨ちゃんも元気そうで良かった。相談って?』
「うちらな! 千佳ちゃんのファンサイトを作ったんや!」
『ファンサイト!? なにそれ!?』
「……私の力作」
『莉里ちゃんそんな才能あったの!?』
図書館で本を借りて、湖月と柚梨先生と一緒にサイトの作り方を学んだから。
理事長先生のコネでかっこいい女性のウェブデザイナーさんも協力してくれたし、いいサイトが出来たと思う。
出来たサイトをニヤニヤと眺めていたら、いつの間にか柚梨先生が千佳に説明をしていた。
「それでですね。ファンクラブの拡大によって千佳ちゃんの日常に何か支障が生まれないように、ファンサイトを作らなければならないんです!」
『そ、そんな意味があったんだ……。うん、それじゃあいいよ。ちゃんと整備しておかないとファンクラブの子達にも迷惑が掛かるかもしれないしね』
「ありがとうございます! それじゃあ莉里ちゃん、お願いします」
「……ポチっとな」
「サイト公開や! 今日は記念日やでー!」
『はへ!? もう公開したの!? 早くない!?』
……千佳に話が行く前に完成してたから。
ファンサイトの運営は理事長が何処かの会社に委託してくれるらしいし、私達が出来るのはここまで。
『まぁ、いっか。ありがとうね、色々考えてくれて』
「いえいえ、千佳ちゃんの為ですから!」
「せやで。千佳ちゃんが帰ってきた時には日本中が千佳ちゃんのファンで一杯や!」
『それは怖いよ!? そこまで浸透するの!?』
「……あ、アクセスしすぎてサーバーが落ちた」
『私の人気凄いな!?』
……あ、会社の人が直ぐに対応してくれたみたいで直った。
後で私も会員登録しておかないと。
「千佳ちゃん、そっちどない? 寂しないか?」
『うん。皆と会えないのは寂しいけど、親戚の皆が仲良くしてくれてるからね。いい人ばかりだよ』
「そうですか。それは良かったです」
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『莉里ちゃん、しょんぼりしないで。大丈夫、来年の学校が始まるまでには帰って来るから! それまでいい子にしてるんだよ?』
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『ママっ!? そんな歳じゃないよ!』
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『おかんじゃないよ!』
「それではそろそろ通話も終わりますね。千佳のお母様」
『お母様!? 三者面談みたいになってるよ!』
千佳の心地いいツッコミを聞きながら、私はファンサイト一つ目の記事を考える。
やっぱり千佳をよく知ってもらうには、自己紹介かな。
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