TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―

夕月かなで

妹+αとゲームの話

 放課後の帰り道。
 今日は皆用事があって、一緒に帰っているメンバーはメグちゃんと花ちゃん、そしてマリーに私を合わせた四人です。
 妹二人とマリーが並んで歩いて行くのを、私は直ぐ後ろで見ています。

「マリーねぇ、ロシアってどんな所なのっ?」
「とっても寒いデス。でも、温かいスープがとっても美味しいデスヨ!」
「寒い分、暖かいのが美味しそうだねー!」
「そうなんデス!」
「わぁ、花もロシア行ってみたいっ」
「もし来てくれたら、ご案内しマスヨ!」
「わーいっ!」

 両手を上げて喜びを表現する花ちゃん、可愛い。

「お姉ちゃんも、ロシア行ってみたいねー!」
「うん、そうだね。今とは逆に、マリーの家にホームステイしてみたいかな」
「それは楽しそうデス!」

 三人でキャッキャッと笑っている姿は、まるで妹が三人になったようです。
 あぁ、可愛い。

「そういえば、チカとメグミの家には住んでマスガ、ハナの家には行ったこと無いデスネ」
「じゃあ来るっ? いつでも歓迎っ!」
「私も行く! お姉ちゃんも行くよね?」
「ねぇねも一緒に遊ぼっ!」
「チカも一緒に行くデス!」
「勿論! 皆が行く所が私の行く場所だからね!」

 あまりの可愛さに三人纏めて抱き締めました。

「チカ、暑苦しいデス」
「ガーン!?」

 あまりのショックに歩道で四つん這いになりました。



「いらっしゃいっ! リビングで遊ぼっ!」
「お邪魔しますー!」
「お邪魔します」
「お邪魔シマス!」

 私達の家の隣にある花ちゃんの家は、ハウジングが同じなので殆ど同じ作りになっています。
 そして小さい頃から両方の家は行ったり来たりしていたので、最早勝手知ったる二つ目の我が家なのです。

「ねぇねたちの家には無いゲームで遊ぼっ!」

 私達の家がファミリー向けのゲームが多いナンテンドー派であれば、花ちゃんの家はソミー派なのです!
 皆でのプレイには向いていませんがこちらのゲームもなかなか面白く、ゲームをやるために花ちゃんの家にお邪魔することもしばしばです。

「今日はこれを交代してやろっ!」

 花ちゃんが差し出すのは魔王となって勇者を倒す『勇者のくせに弱すぎだ』。
 ダンジョンとモンスターを作り上げて勇者を倒す、逆王道な面白いゲームです。

「えー、私はこれがいいー!」

 メグちゃんが差し出すのはデフォルメされたキャラで野球を行う『実況スピリットプロ野球』。
 以前やったときにメグちゃんがボロ負けして、それから皆に隠れて花ちゃんの家に来ては密かに練習しているゲームです。
 隠れてやっても、お姉ちゃんにはお見通しだよ!

「これ面白そうデス!」

 マリーが差し出すのはゾンビと戦う『バイオレットハザー……。

「それは駄目! はい回収!」
「エッ!? 何故デスカ!」
「これは子供がやっちゃ駄目なの! 後で花ちゃんのお父さんにはお説教だ!」

 こんなトラウマを植え付けるゲームを子供の手に届く場所に置いておくなんて!
 それにこれは年齢的にも駄目だから!

「エー、やりたいデス!」
「駄目ったら駄目!」

 数年後皆と共に怖がりながらプレイするのですが、それはまたいつか。

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