TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―
愛は今日も、二人と手を繋ぐ
私、室崎愛には小学校一年生からの大親友がいます。
この街で知らない者はいないと言われている諸弓千佳ちゃんと、関西弁の伝道師である梅田湖月ちゃん。
初めて会ったとき勇気を出して、千佳ちゃんに話しかけたことは一生忘れない出来事です。
今でもあの日の私を褒めてあげたい。
千佳ちゃんの公式ファンクラブができ、沢山の女の子たちと千佳ちゃんが話しているのを見ると少し胸が痛くなることがあります。
それでも今日も、私は日課である千佳ちゃんウォッチングを果たすため、千佳ちゃんの一挙手一投足をじっくり観察するのです。
「千佳ちゃん、髪綺麗だよね」
「千佳お姉様のお髪、触らせていただいてもよろしいですか!!」
「千佳ちゃんオススメの本教えて~!」
「ちょ、ちょっと待って皆。一人ずつ喋って!」
ファンクラブの皆に話しかけられ、たじたじの千佳ちゃん。
両手を振って、皆を静めようと必死になる千佳ちゃん。
じゅるり。
おっと、涎が垂れてしまいました。
「お姉ちゃん! 遊ぼ!」
「ねぇね来たよー!」
「うん、いいよ。何して遊ぶ?」
お昼休みに遊びに来るメグちゃんと花ちゃん。
千佳ちゃんは年下や甘えてくる相手の時、普段以上に頬を緩ませます。
二倍くらい優しい表情になるのです。
私にもしてほしいなぁ。
「千佳ちゃんー、遊びに来たよー」
「あ、リンファ先輩。こんにち、わぁっ!?」
リンファ先輩に挨拶ハグを貰った千佳ちゃん。
柔らかい身体と胸に埋められた千佳ちゃんは、息ができないようでリンファ先輩の背中をものすごい勢いでタップしています。
「ちょ、ちょっとリンファ先輩! 千佳先輩が死んじゃいますよ!!」
「あー、ごめんねー」
「はぁはぁはぁ、だ、大丈夫。おっぱ……感触でノーカンです。天国と地獄が両方一気にきましたけど」
息を荒げる千佳ちゃん、リンファ先輩は打って変わってあわあわと心配します。
桃ちゃんは気遣いのできる子なので、千佳ちゃんの背中を擦ってあげています。
うう、私も莉里先輩くらいまでとは言わずとも、リンファ先輩くらいに成長して千佳ちゃんを喜ばせてあげたい。
「……千佳。前貸りた本、返す」
「おっ、もう読み終わったんだ。どうだった?」
「……面白かった」
「良かった」
莉里ちゃんとお話しするときの千佳ちゃんは、先輩のはずなのに何処か妹を見るときのような表情をします。
千佳ちゃんはとても大人びているので、莉里ちゃんも妹のように思っているのかも。
まぁ、リンファ先輩は別格なのですが。
「……お返しにオススメの本」
「おおっ! これ読みたかったんだよね、ありがとう!」
「……よきにはからえ」
「ははー」
でも莉里ちゃんも負けじとお姉ちゃん風を吹かすので、見ていてとても楽しい光景です。
「よっしゃ千佳ちゃん、公園に遊びに行こうや!」
「いいよ。ちょっと待っててね」
湖月ちゃんは元気一杯でお転婆な女の子なので、私と千佳ちゃんを楽しく振り回してくれます。
千佳ちゃんだけでなく、湖月ちゃんとも仲良くなれて本当に良かった。
しかし今日は公園に遊びに行くのですか?
私は千佳ちゃんウォッチングに集中するあまり、公園で遊ぶなんて聞いていませんでした。
二人が行ってしまう前に私も遊ぶって言わなきゃ!
――でも私の大好きな二人は、そんな心配を吹き飛ばすくらい、とっても優しいのです。
「ほら愛ちゃんもはよ帰り支度しよ! 公園でブランコ対決や!」
「愛ちゃん、ボーっとしてどうしたの?」
私たち三人はきっと学校一の仲良し。
ずっと永遠に、皆で笑い合っていければいいな。
「うん。早く準備するね!」
「おっしゃ、滾ってきたで~!」
「湖月ちゃん。多分今から行ってもブランコ取られてると思うけどね」
「なんやて!?」
私は荷物を鞄に入れて席を立ちます。
そして鞄を背負い、その両手に親友たちの手を握って。
今日も明日もいつまでも、走り続けていくのです。
この街で知らない者はいないと言われている諸弓千佳ちゃんと、関西弁の伝道師である梅田湖月ちゃん。
初めて会ったとき勇気を出して、千佳ちゃんに話しかけたことは一生忘れない出来事です。
今でもあの日の私を褒めてあげたい。
千佳ちゃんの公式ファンクラブができ、沢山の女の子たちと千佳ちゃんが話しているのを見ると少し胸が痛くなることがあります。
それでも今日も、私は日課である千佳ちゃんウォッチングを果たすため、千佳ちゃんの一挙手一投足をじっくり観察するのです。
「千佳ちゃん、髪綺麗だよね」
「千佳お姉様のお髪、触らせていただいてもよろしいですか!!」
「千佳ちゃんオススメの本教えて~!」
「ちょ、ちょっと待って皆。一人ずつ喋って!」
ファンクラブの皆に話しかけられ、たじたじの千佳ちゃん。
両手を振って、皆を静めようと必死になる千佳ちゃん。
じゅるり。
おっと、涎が垂れてしまいました。
「お姉ちゃん! 遊ぼ!」
「ねぇね来たよー!」
「うん、いいよ。何して遊ぶ?」
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千佳ちゃんは年下や甘えてくる相手の時、普段以上に頬を緩ませます。
二倍くらい優しい表情になるのです。
私にもしてほしいなぁ。
「千佳ちゃんー、遊びに来たよー」
「あ、リンファ先輩。こんにち、わぁっ!?」
リンファ先輩に挨拶ハグを貰った千佳ちゃん。
柔らかい身体と胸に埋められた千佳ちゃんは、息ができないようでリンファ先輩の背中をものすごい勢いでタップしています。
「ちょ、ちょっとリンファ先輩! 千佳先輩が死んじゃいますよ!!」
「あー、ごめんねー」
「はぁはぁはぁ、だ、大丈夫。おっぱ……感触でノーカンです。天国と地獄が両方一気にきましたけど」
息を荒げる千佳ちゃん、リンファ先輩は打って変わってあわあわと心配します。
桃ちゃんは気遣いのできる子なので、千佳ちゃんの背中を擦ってあげています。
うう、私も莉里先輩くらいまでとは言わずとも、リンファ先輩くらいに成長して千佳ちゃんを喜ばせてあげたい。
「……千佳。前貸りた本、返す」
「おっ、もう読み終わったんだ。どうだった?」
「……面白かった」
「良かった」
莉里ちゃんとお話しするときの千佳ちゃんは、先輩のはずなのに何処か妹を見るときのような表情をします。
千佳ちゃんはとても大人びているので、莉里ちゃんも妹のように思っているのかも。
まぁ、リンファ先輩は別格なのですが。
「……お返しにオススメの本」
「おおっ! これ読みたかったんだよね、ありがとう!」
「……よきにはからえ」
「ははー」
でも莉里ちゃんも負けじとお姉ちゃん風を吹かすので、見ていてとても楽しい光景です。
「よっしゃ千佳ちゃん、公園に遊びに行こうや!」
「いいよ。ちょっと待っててね」
湖月ちゃんは元気一杯でお転婆な女の子なので、私と千佳ちゃんを楽しく振り回してくれます。
千佳ちゃんだけでなく、湖月ちゃんとも仲良くなれて本当に良かった。
しかし今日は公園に遊びに行くのですか?
私は千佳ちゃんウォッチングに集中するあまり、公園で遊ぶなんて聞いていませんでした。
二人が行ってしまう前に私も遊ぶって言わなきゃ!
――でも私の大好きな二人は、そんな心配を吹き飛ばすくらい、とっても優しいのです。
「ほら愛ちゃんもはよ帰り支度しよ! 公園でブランコ対決や!」
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